市 民 へ の ア ピ ー ル
市民のみなさん。いま、プルサーマル計画導入をめぐって、緊迫した状況が続いています。東京電力は柏崎刈羽原発三号機の定期検査を予定より一ヶ月遅らせ、九月中にMOX燃料を装荷して、国内初のプルサーマル実施の機会をねらっています。私たちは何としてもこの危険な動きを断念させるために住民投票を実現させる会のよびかけのもと、今日、ここに集まりました。
市民のみなさん。昨年五月、刈羽村で実施された住民投票は有権者の88,14%が投票し、多種多様な情報があるなかで自らの選択として、投票総数の過半数を超えてプルサーマル計画受け入れに反対の明確な意思が示されました。柏崎刈羽原発へのプルサーマル計画導入をめぐって、地方自治法の手続きを経て実施された、この住民投票の結果は、何をもっても代えがたい厳粛な住民の意思表明であり、プルサーマルに賛成・反対を問わず、住民はもちろん、村長も議会も、そして国・新潟県・柏崎市ならびに東京電力、すべてにおいて尊重されなければならないものです。
ところが、品田刈羽村長は7月23日から村内の全集落において「村民対話集会」をもって、住民投票の結果を薄め「民意は変わった」とする勝手な政治判断を行おうとしています。また、去る7月上旬、東京電力の職員をともなって、ベルギーのMOX燃料の製造会社を視察訪問してきた結果、燃料は安全で大丈夫と、村民対話集会で宣伝しています。
住民投票一年後に、新潟日報が実施したアンケート調査の結果でも、プルサーマル反対の判断にまったく変化のないことが裏付けられているにもかかわらず「民意の再確認」を、などとする手法は、まさに民主主義への挑戦であり、断じて許せるものではありません。
一方、西川柏崎市長も、今月12日から14日にかけてベルギーのMOX燃料製造会社などを視察訪問し、帰国後の記者会見では、今回の調査によってMOX燃料の懸念・心配は払拭されたとのべ、事実上のプルサーマル安全宣伝に位置付けました。
もともと専門家でもない柏崎市長や刈羽村長が、MOX燃料を利用する東京電力と一緒に、相次いでヨーロッパを視察訪問・調査したところで疑惑の発見などできるはずがありません。そもそも品質管理の生データを確認することができない不十分な調査であり、意味のないものです。
これらの一連の流れにそって、知事・市長・村長の三者会談でプルサーマル計画の受け入れが決められるとしたら、まさに住民投票の結果をふみにじるものであって、民主主義社会ではありえないことです。
市民のみなさん。原発の危険は重大化しつつあります。いままた、定期検査中の三号機で原子炉圧力容器内のシユラウド下部リングの溶接部で、ひび割れが発見されたことは深刻な事態です。原因は応力腐食割れと推定されていますが、徹底した綿密な調査が必要であり、原因と対策の全面公開を求めるものです。福島第二原発三号機に続くこの事故は、現在の原発が技術的にいまだクリアされていない証しです。このように現にある原発の危険に加え、MOX燃料を使うことがさらに原発の危険を増幅することになります。
市民のみなさん。プルサーマルをめぐる現在の状況は、福島県では実施の明確な見送り、福井県ではMOX燃料をイギリスへ送り返すなどプルサーマル計画、核燃料サイクルの破綻がはっきりしてきています。そして柏崎市民の圧倒的に多数がプルサーマル計画導入の、当面、先送りを強く要求し、合わせて市長や議会で導入を決めるのではなく、住民投票を要求する声は依然として多く、その必要性はいっそう高まっています。
今こそ、県知事、柏崎市長、ならびに刈羽村長は住民投票で示された刈羽村民の意思を尊重し、プルサーマル計画受け入れの、事前了解の撤回も選択肢にいれた真摯な対応をはかるべきです。
以上の趣旨にたって、私たちは以下の項目を強く要求するものです。1.刈羽村の住民投票で示された民意の結果を尊重すること。
1.「村民対話集会」を住民投票の結果を覆す道具に使わないこと。
1.ヨーロッパ視察訪問を以って、MOX燃料の疑惑を否定し、一方的な安全宣伝はやめること。
1.三者会談によるプルサーマル計画の受け入れは、民主主義を否定するものであり、絶対に行わないこと。
1.柏崎市議会の決議にこたえ、MOX燃料の生データ公開を明確に求めること。
1.民意の反映されていないプルサーマル計画導入、事前了解は白紙撤回すること。
1.柏崎市民の本当の声を聞くためにも、柏崎市で住民投票を実施すること。
以上決議する。
2002年8月28日
やめようプルサーマル市民集会主催 住民投票を実現する会(プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク、プルサーマルを考える医師歯科医師の会、原発問題を考える柏崎・刈羽地域連絡センター、原発反対地元三団体、市民有志 ほか)