世界一の原発基地柏崎からの発信
(一)プルサーマル住民投票運動(1998〜1999)
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク(市民ネット)
住民投票を実現する会 代表 桑 山 史 子
はじめに
- 市民ネット結成準備会(1998,6,1)
1,プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク発足(7,20)
脱原発の立場からプルサーマル計画の危険を訴え、プルサーマル反対の市民の声を行政や議会に届け、世界一の原発基地から発信し続けることを集会で確認。この手造り集会では、プルサーマルの危険性、巻町の運動について講演、(プルトニウム239)の創作ダンスなどもあり、250名の大集会、賛同者の輪が各層に広がる。
- 住民投票についてのアンケート〜東電説明会開催〜
- 住民投票への要望書を市長、市議会へ提出(9,7)
- 市長と市民ネット対談(9,22)〜地域住民フォーラム、国、県
- プルサーマル反対折り込み意見広告(全戸3回配布)
- 住民投票条例制定請求を求める署名活動実施を市民ネット決議(10,28)
市民ネットの呼びかけで反原発23団体と熱き市民により<住民投票を実現する会>誕生。受任者募集開始(11,18) *受任者;署名を集める許可を得た人
- 受任者1700名(当初は1900名、各方面からの圧力で辞退が続出)〜市議会プルサーマル討論会
- 市民ネット第2回集会(報告、アンケート朗読、講演(11,28))
- プルサーマル反対、受任者募集のチラシ全戸配布、ポスター掲示
- 市長と住民投票を実現する会との対談(12,15)
柏崎の全市民を渦中に数々のプルサーマルドラマを生み、中止への理解が深まる。市長は、原発問題への市民理解と一応評価。
- 戸別訪問、署名場所設定、街頭署名(1,7〜2,7)
- 住民投票呼びかけチラシ配布、妨害らしきチラシに対応
- 署名簿整理、感動!
- 住民投票を実現する集会(講演、自由討論、市議擁立と公募(2,26)
- 市民ネット市議公募チラシ配布 〜東電事前了解願い提出〜
- 署名縦覧
- 25258名の有効署名を添え、市長へ条例請求(3,12)(投票方式はプルサーマル反対 賛成 最終処分を含む核燃料サイクルが確立するまで保留)
- 市中デモ行進 市議会6時間の討論後採決し、否決
- 市長、県知事、プルサーマル受け入れ表明(反原発候補が県議選に惜しくも敗れる)
市民のあきらめムード、市民ネットつぶしの風評の中市民の熱い思いに支えられ、21世紀スタイルの市議誕生、議会に市民の声を届け新風を吹かす。
6,住民投票を終えて
- 市民ネットの呼びかけで各団体が協力し、推進派と表だった対立なし
- プルサーマル中止や危険性への理解が深まり、民主主義が鍛えられた。
- 東電や関連企業の圧力で署名できない人、立場上できない人
- 市民運動と政治のかかわりの難しさを知り、住民投票を考える
- 寄り合い、悪天候、時間不足、など市民運動の難しさを知る
7,住民投票後の活動方向の模索と、市民ネットの現況
反原発の長い歴史の中から、市民ネットは、必然的に生まれ、柏崎の歴史に市民運動の足跡を記した。今後市民の声は市政にどのようにして届けるかが問われている。
- 運営委員会、定例会、市民ネット会員の拡大(会員募集)
- 意見広告
- 推進市議と、市民ネットのプルサーマル討論会
- (仮称)環境共生公園の学習会と現地視察
- コンピューター2000年問題講演会
- 市民ネット通信(2回)
東海村臨界事故発生(9,30)
- 市長へ申し入れ書。県知事、総理大臣、科学技術庁長官、通産大臣へ申し入れ書郵送(エネルギー政策の転換を訴える)(10,6〜9)
- プルサーマル一年延期決定
8,終わりに
市民ネットは、柏崎市民の民主主義への徐々なる変容を確信、21世紀に向け、市民運動拡大に努力します。脱原発、プルサーマル中止に向け、度重なる事故や東海村よりの教訓、国内外の動きから、国がエネルギー政策の転換をするまで発信し続けます。また平和を願い、核の恐怖のない世界をめざし、子供達の明るい未来を教育に託します。
市民ネットは、きれいな緑と水と豊かな土を守り、命を大切にする市民運動を展開し続けます。
(二)東海臨界事故後の市民運動(2000〜2001)
1,東海臨界事故講演会の開催(2,11)
東海臨界事故で何が起こったのか? 柏崎刈羽を重ねて考える
講師 東大アイソトープ研究所 小泉好延先生 相沢一正 東海村村議
主催 住民投票を実現する会
市民、市の担当者、助役、市議ら東海村の恐ろしい実態に聞きいる。参加者約450名。不安と関心の高さを知る。講演会は、市民運動の力強い支持を広げる。
2,「疑惑のMOX燃料」 市民ネットで発行
- プルサーマルの国内外の状況・MOX燃料データねつ造疑惑・新エネルギー(燃料電池)・原子力のたそがれ
柏崎刈羽を日本初の実験場にしないため、プルサーマルの危険性や燃料の疑惑を紹介。プルサーマル中止と国のエネルギー政策の転換への市民ネットからのメッセイージを載せる。
3,プルサーマルに関するアンケート 市民ネットで実施(5,30)
東海村臨界事故後、柏崎の原発やプルサーマルについての関心は?東海村臨界事故後、国や原子力産業を信頼できますか?原発の重大事故は起こると思いますか?柏崎の原子力防災計画について 福井、福島では延期になりましたが、柏崎のプルサーマルについては?(自由筆記による意見も多数)
4,新しい市長候補擁立と新しい会の発足
- 市民ネット市長候補擁立に動く 複数の人に幾度も交渉、断念
- 四者会談(革新団体と市民ネット)
- 新しい柏崎を創る市民ネットワーク発足(9,20)
得票数16082票 村山氏はプルサーマルの住民投票実施を約束。福祉、教育、公正、公平な市政を政策に支持を得る。市民ネットは、市民のための市政を求め全力で応援する。
2000年12月刈羽村議会は住民投票条例案を可決、しかし村長は、再議で否決。村民は、住民投票を求める直接請求の署名活動開始。
柏崎では、住民投票を実現する会でプルサーマル凍結署名を2月9日より開始を決める。 プルサーマル用のMOX燃料は、すでにフランス港を1月19日に出港。 市民ネットは、住民投票を実現する会として、市民のプルサーマル凍結の声を市長、議会、県知事、東電に届け、プルサーマルの見送り、中止を強く訴える署名運動へ。
6,プルサーマル計画凍結を求める署名運動(住民投票を実現する会)
- 署名を集める人に依頼状、署名用紙を配布(郵送)
- 署名運動開始(市内、全国別 2月9日〜4月30日)
- 街頭署名(2,11 3,4 3,22)
- プルサーマル凍結チラシ折り込み全戸配布(2,24)
- 市議会正副議長に住民投票を実現する会のチラシのことで呼び出される
- 正副議長と住民投票を実現する会との話し合い(3,5)(権威に屈せず話し合いは、平行線)
プルサーマル凍結!福島県知事が受入れ延期を表明(2,26)新潟県知事、市長、柏崎先行に否定的
- プルサーマル計画の凍結を求める新潟大会(3,17)柏崎にて1000人以上参加、大会後、デモ行進(全国より)
- MOX燃料輸送船入港抗議集会(3,24)(市民ネット参加)〜前日福島MOX差止裁判に判決
- 議会 プルサーマル延期の意見書否決(請願も不採択、3,26)
- 意見広告(3回 住民投票を実現する会)
- プルサーマル凍結署名、終了4月30日、実現する会(5,6)
- プルサーマル凍結署名数 32834名 柏崎市内 19197名 全国13437名
署名を集めた人、署名をした人に感謝し、住民のプルサーマル凍結への願いを訴える。
- 柏崎市長にプルサーマル凍結を申し入れる。(書名簿持参5,9)
- 東電柏崎刈羽原発広報部へ申し入れる(5,14)東電社長へ申し入れ書送る(5,16)
- 議長へ申し入れる(5,19)
- 県知事へ送る(5,19)
署名運動をねぎらいつつ、プルサーマルの見送りと今後に含みを残す。
刈羽村民は、全国の注目の中、プルサーマル賛成、反対、保留に激しく揺れる。村民はもちろん、全国からプルサーマル反対の応援…
5月22日 国、反対派が公開討論会(プルサーマル住民投票)刈羽村民のプルサーマル、原子力への意識が高まる。5月27日村民は、原子力計画発表以来、初めて意思を住民投票で示す。
- プルサーマル刈羽住民投票 反対1925票(投票数の約54%)
- 反対多数 村民の良識勝つ 賛成1533票 保留131票
7,柏崎刈羽プルサーマル見送り決定、国のエネルギー政策転換なるか
- 住民の理解を得てが、空回り、国、電力事業、妙案なし、核燃料サイクル?国は、エネルギー政策の転換?
(市民ネットも国へ「プルサーマル中止と核燃料サイクル見直しを求める申し入れ」に賛同)
8,終わりに
住民投票が国策になじまない、としても、事故が起きれば、住民が影響を受ける。刈羽村民に敬服しつつ、私達は、国内外の情報分析、自由討議をへて、民主的に市民運動を続けたいと思う。これからも、柏崎の歴史の中で、お互いを大切に多くの人々と共に歩きたいと思う。
ご支援に感謝しつつ、喜びの中で… 2001,6 桑 山 史 子