W 次世代のエネルギーへ 新エネルギーが原発を不要にする
エネルギー問題Q&A 見えてきた次世代エネルギーの本命 燃料電池
電力会社のコマーシャルを見て、吉村作治さんの話を聞くと、私たちは原発なしで生きられないような気がしてきます。でも、本当にそうなのでしょうか?
いいえ、そんな事はありません。原発なしで生きる道はいくらでもあるのです。それなのに、デマ宣伝で国民を不安に陥れ、そのことで原子力への賛成を取り付けようとする国や電力会社の姿勢は、根元のところでねじ曲がっています。
いま私たちは、原子力に代わりうる新エネルギーがそこにある事を知りました。それは、電力会社の宣伝にすっかり騙されている人にも説得力のあるものです。そして、放射性廃棄物がこれ以上増えないうちに、核に頼らないエネルギーを中心にし、エネルギーの使い方について、人間の考え方が変わることが必要だと考えています。
環境にやさしい、新しいエネルギーで社会を維持していくことが、全く実現可能な時代になったのだ、ということを強調したいと思います。
Q:原子力は電気の3分の1を作っているそうですが、原発が止まると停電になるのでしょうか?
A:現状でも真夏の2−3日昼のちょっとの間足りなくなりますが、あとは原発なしでやれるのです。
電気需要のピークは夏の暑い盛りの昼過ぎです。どこのクーラーもフル回転する時で、これに合わせて発電設備もフル稼働しますが、夜になれば需要は半分まで落ちます。結論から言って、真夏のピーク時ほんの一時以外は、原発が無くても電気は十分に供給可能です。電力不足となる一時の対策も、本当は色々あるのです。いくつかのステップは必要ですが、うそ、大げさ、まぎらわしいの電力会社の宣伝は、公共広告機構に連絡しましょう。
Q:原子力に代わるエネルギー源はあるのですか?
A:いくつかの候補がありますが、ここにきて本命、燃料電池の登場が目前です。
日本のように、エネルギーをどんどん使う文明に浸りきっている社会では、これまでの代替エネルギーはややインパクトが弱かったかもしれません。でも、欧米では地球環境保全のため、生活スタイルの変更から考える文化が根付きつつありますが、日本はまだまだという所です。生活スタイルの変更と下記のエネルギーを組み合わせることで原子力に頼らない生活は可能です。それでも電気をもっと使いたいという人にも、決定打として燃料電池が登場しました。
Q:新しいエネルギー源にはどんなものがありますか?
A:列挙してみましょう。
Ø 埋蔵量の多い天然ガスを使って高効率のマイクロガスタービン発電で自家発電すれば低コストで発電できます。原発はそのエネルギーの多くを熱として捨てなければなりませんが、この発電だと、非常に効率よく、クリーンに発電と温水供給が可能になります。
Ø 風力や太陽光は気候に左右される点が問題ですが、既に一定の市民権を得ています。現在はやや高コストですが、燃料電池の時代には水素の供給源にもなりえます。
Ø バイオマスは森林から切り出される間伐材や生ゴミや家畜の糞など、生物から得られるものをエネルギー源として利用する方法です。発酵などでメタン等を作れば、燃料電池で使うこともできます。
Ø 小型水力発電機も役立ちそうです。一般住宅数軒分の小さな発電機もたくさんになれば、電気需要のかなりの割合を占めることができるでしょう。
Ø そして、燃料電池です。
Q:燃料電池とはどんなものですか、また、本当に実用化されるのですか?
A:廃棄物は水だけでクリーン。燃料は水素(を含む各種の化合物)。
そしてコストは原発の数十分の一です。実用化は始まりました。
水素と酸素を化合させて、電気と水ができるというのが原理です。水素そのもの又は水素を含む化合物を原料にして発電します。自動車用の燃料電池は実用化寸前といわれ、2004年には一号車が発売されるとされています。自動車の主力はガソリンエンジンから燃料電池になると言われています。燃料によっては若干のCO2が発生しますが、現在のエンジンなどよりはるかに少量になります。自動車用に比べれば小型ですむ家庭用に燃料電池も実用化寸前といわれており、アメリカでは一部で使われ始めています。本格的な実用化も間近ということです。燃料電池は各戸の電気をそこで作りますから、巨大な送電線や変電所がいらなくなってしまいます。他の新エネルギーもそうですが、巨大設備でまとめて発電するというシステムは、たそがれの技術になりつつあります。
Q:燃料電池が実用化されると今までのような電力会社はいらなくなるのですか?
A:実は、そのとおりです。電力会社自身が一番危機感を持っているでしょう。
燃料電池については、日本はやや出遅れていますが、トヨタ、東芝、東京ガスなどを中心に開発競争が始まりました。実は、電力会社自身が、この新エネルギーに危機感を持っており、燃料電池の登場で廃業に追い込まれるかもしれないと本気で考え出したようです。東電などもガス会社との提携を急速に進めています。そのとき、原発や、放射性廃棄物は、電力会社のとてつもない不良債権になる可能性が大きいのです。