■■■■□□□□□□□□□□□□□■□■
■ 第33号                        ■■■■
■  市民ネットメールマガジン           ■□■□
■        2003/06/29                   ■■□■
□□□□□□□□■■■■■■■■■■■□■■■


「市民ネットメールマガジン」第33号をお送り致します。(転載可)

☆ 今回はひび割れ原発の運転再開問題に関する1件です。

1.『東電の柏崎刈羽原発の検査は不十分です』

 保安院の通達では、再循環系溶接部の一部の検査でヒビが見つかった場合、同数の箇所を追加して検査する事が指示されています。これに従って、女川では全部の溶接箇所を点検することになりました。
 しかし、ヒビが大問題となっている柏崎では、この通達の趣旨に反して、点検箇所の追加が行なわれていません。結果として女川では全溶接部位を検査しているのに、柏崎では約4割が検査されていないという状態になっています。重大な問題と思われますので、少し長いですが、ご報告いたします。

http://www.kisnet.or.jp/net/k-k.htm
※ 上記URLに、説明図が添付され表なども読みやすいWEB版があります(東電以外の原発の点検状況などの情報もあります)。

****************************************************************************************************

1.『東電の柏崎刈羽原発の検査は不十分です』

1 東電が東北電力や中部電力より重要配管を点検しないのはおかしい
 東北電力・女川原発や中部電力・浜岡原発は、東電と同じく再循環系配管にひび割れがあります。東電は過去5年間に点検した箇所は、今回点検しようとしませんが、女川や浜岡原発の多くは、配管の全溶接線を既に検査しているのです。不祥事を起こした東電が一番甘い検査なのですが、ひび割れのある割合は柏崎刈羽原発が一番大きいのです。

2 国の指示で女川原発は再循環系配管の全溶接線の検査を実施する
 6月24日、東北電力は女川原発2号機の再循環系配管の検査で、ひび割れの兆候が6月23日に発見されたと公表。東北電力はその部位の配管を交換し、過去5年間に点検した箇所を含む、配管の全溶接線(継手部)を点検することにしました。
 この件で27日、東北電力本店・広報に電話して以下の事を確認しました。「今回の問題部位は第2回定期点検時(平成10年1月〜4月)に検査した箇所。全溶接線を点検することにしたのは、保安院4月17日の指示文書に従った判断。」との事でした。
 確かに、保安院の指示文書の「A点検の頻度(5P)」によると、「配管溶接線を5年で100%点検し、ひび割れがあった場合は、予定点検箇所数と同数を追加点検する。」とあります。
(保安院指示文書 http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003950/
 東北電力は今回全溶接線76箇所の内、保安院の指示文書の基準(5年以内に点検した箇所等を除いて点検)に従い、39箇所の点検を予定していました。その同数の39箇所追加で78箇所ですが、全部でも76箇所なので結果全溶接線検査となったという訳です。
 この保安院の指示に従えば、ひび割れの見つかっている柏崎刈羽原発でも、今回の点検箇所数と同数を追加点検することが必要ですが、実際には行なわれていないのです。

3 柏崎刈羽原発の再循環系配管は未点検箇所が多い
 東京電力は過去5年以内に点検した部位や、応力緩和措置を施した部位などを、今回の総点検で検査していません。再循環系配管の未点検箇所数は下記の一覧にあるように、柏崎刈羽原発では、1号機・27箇所、2号機・50箇所、3号機・31箇所、4号機・10箇所、5号機・14箇所の計132箇所です。全溶接線の数は357ありますから、約4割の箇所が未点検です(※全溶接線の数はひび割れ部分の配管交換により今後増加します)。
 この132箇所を確実な点検方法で検査せずに、運転再開することは危険であり許されません。これだけの未点検総数から考えると、ひび割れ(兆候)が存在する可能性があります。特に、4号機は格納容器の漏えい率検査が終了し、7月1日に起動前試験が終了予定と、運転再開への強引な動きが急ですが、まだ10箇所の未点検箇所が残っています。

○ 柏崎刈羽原発の「再循環系配管(溶接継手部)」の点検状況一覧(第8回健全性評価小委員会資料より)

号機

A;今回未点検数(*)

B;今回点検数

C;総数(A+B)

D;損傷数

損傷率(D/B)

2710+ 5+10+ 9- 7)

45  

72  

(4)26 

(異常)57.7%

50 6+18+22+ 7- 3)

16  

66  

(2)3 

(多い)18.8%

31 3+13+10+10- 5)

31  

62  

2 

6.5% 

10 1+ 4+ 2+ 3)

68  

78  

6 

8.8% 

14 5+ 0+ 5+ 4)

65  

79  

9 

13.8% 

合計

13225+40+49+33-15)

225  

357  

(6)46 

20.4% 

*( )内の数字は、過去5年間・4回の定期点検時の各未点検数、左側が一番前で右側が今回も点検した数

 ちなみに、これまでに発見された損傷箇所の総数は46(26+3+2+6+9)、今回の点検総数の225と比べての損傷率は約2割です。ただし、1号機の損傷率は約6割と異常に高いのですが原因は解明されていません。この損傷率が高い原因としては「国の定期検査ではひび割れの有無が分からない」のか、「ひび割れはあったが不正操作などで隠ぺいされた」と考えられますが、どちらの場合でも大問題に違いありません。
 なお、損傷数の表記で( )に入った数字は、実は過去の点検でひび割れが確認されていたが、最近まで公表されなかった箇所の数で、計6箇所のひび割れが隠ぺいされていました。
 そして、再循環配管には大きく3種類の太さの配管があり、当然太い(直径約60cm)配管に問題があればより重大な危険性があります。特に、原子炉圧力容器から再循環ポンプまでの太い配管の内、ポンプの前にあるバルブより原子炉よりの部分に問題があると深刻です。なぜならば、この範囲で破断して冷却水が漏れ出すと止めようが無いからです。

4 再循環系配管より重要なノズル部にも未点検箇所がある

ノズル部の図
ノズル部の詳細( http://www.tepco.co.jp/cc/press/03040101-j.html より)

 ノズル部とは再循環系配管と原子炉圧力容器が接続する部分のことで、構造上非常に負担のかかる脆弱な部位で、破断すれば冷却水が漏れ易く漏出を止めらません。今問題になっているステンレス材(低炭素材)のひび割れが、最初に問題となったのは米国原発のノズル部でした。ノズル部の点検頻度は10年100%と、再循環系配管の10年25%の4倍で、この部位の健全性が再循環系配管より安全上重要と、国もみなしている訳です。
 このノズル部の過去5年以前の点検部位の再検査は、当初予定にありませんでしたが、当地などの市民が総点検を強く要求した結果、東電は検査し福島第二原発1号機で問題が見つかり交換することになりました。10年で100%という点検頻度は間違いでした。 現在、再循環系配管の点検頻度は、過去の頻度の8倍に増やしていますが、再循環系配管以上に重要と思われるノズル部の点検頻度は、2倍になっただけです。
 このノズル部の点検の重要性を以前から主張していた、原発に関する専門的知識を持つ方が、ノズル部は定期点検毎に全部検査する必要があると強調していました。確かに、重要性や実際にひびが見つかっていることから考えると、ノズル部は定期点検毎に全部検査する必要があると思います。しかし、柏崎刈羽原発のノズル部の27箇所45%が未点検です。
※東電の「炉心シュラウド及び原子炉再循環系配管等の点検計画書(5月16日、 http://www.tepco.co.jp/cc/press/03051601-j.html )」によると、柏崎刈羽原発1〜5号機の5年以内に点検したノズル部は全部で27箇所。全数60箇所の45%が未点検。
 なお、ノズル部は大きく分けて二種類あり、太い再循環系配管に接続する部位が各原発に2箇所、細い再循環系配管に接続する部位が各原発に通常10箇所あります。
 当然、太い再循環系配管に接続しているノズル部が安全上重要で、柏崎刈羽原発1〜5号機全体で6箇所が未点検です。細い方に接続するノズル部は全部で21箇所が未点検で、その内、早期運転再開が画策されている4号機には4箇所あります(4号機の再循環系配管は10箇所が未点検)。

 東電の点検は不十分です。

****************************************************************************************************

〜 現代は、一部の人に行政を任せて、ただ黙って従っていれば良い程単純な状況ではありません。市民が自分の責任を取り戻し、独自の情報も得て共に考えていく必要があると考えます。
 特にプルサーマルや原発については、私達が命を預けなければならないにもかかわらず、悲しいことにマスコミや国の情報はかたよっている事があり、そのため、出来るだけ多方面からの情報を得て、状況を把握する必要があります。
 そして誰もが安心・安全にこの美しいふるさとで幸せに暮らすために、何が本当に必要でどうしていったら良いのかを、共に考えていければと思っています。このメールマガジンがそのための一助になればと願っています。〜

 ☆ 発行&問い合わせ:
    プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク(事務局 hayato@kisnet.or.jp
    ※ 市民ネットHP http://www.kisnet.or.jp/net/ ←過去のメルマガもこちら
 ☆ 市民ネットメールマガジンの読者募集中です(無料)。(購読希望は hayato@kisnet.or.jp まで。)
 ☆ 皆様のご意見やご要望に情報などを、メルマガやHPに反映させたいと思います(メールお待ちしています)。


市民ネット・メールマガジン

プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク(トップページ)