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■ 第37号 ■■■■
■ 市民ネットメールマガジン ■□■□
■ 2003/12/30 ■■□■
□□□□□□□□■■■■■■■■■■■□■■■「市民ネットメールマガジン」第37号をお送り致します。(転載可)
☆ 今回はサプレッションプールの異物問題など4件です。
1.サプレッションプールの異物と非常用炉心冷却系(ECCS)の機能喪失
2.シュラウドひび割れのタイロッド補修
3.自然エネルギーに関する注目ホームページ
4.原発の後処理費用試算の疑問点・問題点
☆ 来年2月8日には市民プラザで「もうひとつの市民文化祭」を開催します。皆さま宜しくご協力・ご参加の程お願い申し上げます。それでは、来年の幸多き一年と皆さま方のご健康を祈念しております。今年一年どうもありがとうございました。(^_^)
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1.サプレッションプールの異物とECCSの機能喪失
東電の危険な異物落下問題やECCSの機能喪失問題について、前回の市民ネットメールマガジンで報告しましたが、この度、一緒に問題追求をしている「福島老朽原発を考える会(ふくろうの会)」が、調査資料「サプレッションプールの異物とECCSの機能喪失」を、ふくろうの会のホームページに掲載しました。
それでは、その資料の前書き部分を下記に転載します。
「東電の原発で1,000 を超える異物が発見されたのは,原発炉心直下のサプレッションプールです。ここは,配管破断等による冷却水喪失事故時にECCS の水源となるのですが,事故の際,破断した配管の保温材等がプールに流入し,プールからECCS に水を取り込むストレーナーが目詰まりを起こし,ECCS の機能が喪失してしまうおそれが指摘されています。炉心の空焚きが,最悪の炉心溶融を引き起こすことから,米国原子力規制委員会(NRC) は警告を発しています。しかし東電は,異物問題の安全評価において,プール内で発見された大物の異物だけを問題にし,流入する保温材やその袋の影響を加味していません。」
全文や写真などは下記URLよりPDFファイルをご覧下さい。
・「サプレッションプールの異物とECCSの機能喪失」
http://member.nifty.ne.jp/fukurou-nokai/strainer-031223-f.pdf
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2.シュラウドひび割れのタイロッド補修
原子炉内のシュラウドにひび割れが見つかっていますが、東電の福島原発では柏崎刈羽原発で行われない、タイロッド(つっかえ棒のようなもの)による、ひび割れの補修工法が採用されました。
ただし、タイロッドによる補修をしてもひび割れの進展を止めることは出来ません。ただ、ひび割れが進んでシュラウドが壊れたとしても、シュラウドのズレや分離を防ぐのが目的です。
もっとも、様々な構造物があって狭い原子炉内に、元々設計に無い大きな部品を追加することは、新たな問題を発生させる危険性もあると思われます。そして、海外ではタイロッドによる補修後、タイロッド自体がひび割れるなど、安全上気になる問題が発生したようです。
以上、このタイロッド工法に関する基本的な質問に、東電から返答が来ましたので下記に紹介します。
(当方からの質問)
東京電力株式会社 御中
タイロッド工法に関する質問です。
http://www.tepco.co.jp/fukushima2-np/211141-j.html
上記ページによると、福島原発でタイロッド工法を採用するとのことですが、柏崎刈羽原発などではタイロッド工法は採用されていません。
タイロッド工法をする場合と、ひび部分の除去のみで対処する場合とでは、どういう判断の違い(対処方法選択の判断理由や根拠)があるのでしょうか?
また、タイロッド工法をする場合の費用や工期、被曝線量なども知りたいです。
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(以下東電よりの回答)
東京電力HPをご利用いただき、ありがとうございます。
このたびの弊社原子力発電所点検・補修作業にかかわる不祥事につきましては、多大なご迷惑をおかけいたしまして、深くお詫び申し上げます。
ご質問にお答えします。
1 タイロッド工法をする場合と、ひび部分の除去のみで対応する場合とではどういう判断の違いがあるのか について
(回答)シュラウドの補修工法については、健全性小委員会においていくつかの方法が示されており、いずれを選択しても健全性の確保において差異はありません。福島第二原子力発電所2号機では、@ひびの数が他プラントに比べて多いこと Aひびの除去が困難なものもあること B進展するひびへの対策を促す観点から、タイロッド工法を選択しました。
2 タイロッド工法の費用について
(回答)契約に関わる内容のためお答えできません。
3 タイロッド工法の工期について
(回答)福島第二原子力発電所2号機の補修については、工事開始より2週間を予定しています。
4 タイロッド工法の被爆線量について
(回答)福島第二原子力発電所3号機で前回実施した際の実績は、約80人・mSvでした。今回の補修での線量もこれと同程度と想定しています。
以 上
東京電力株式会社 原子力計画部
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3.自然エネルギーに関する注目ホームページ
脱原子力社会を実現するには、自然エネルギーの普及が欠かせません。今回は自然エネルギーに関する貴重な資料や報告をご紹介致します。
・『日本での「2010年自然エネルギー10%」の可能性について』
http://www.isep.or.jp/img/wwf_re10%.pdf
※環境エネルギー政策研究所がWWFジャパンの委託調査で、政府資料を中心とする既存の資料を基本に、技術的・経済的に2010年までに、一次エネルギーに占める自然エネルギーの割合が、10%に到達しうるシナリオを検討しました。具体的政策についての提案などもあります。
・「欧州の風力発電はなぜ成功しているか〜欧州風力エネルギー協会CEOが語る」
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/energy/wind/wf12/indexwf12_html
※グリーンピースと欧州風力エネルギー協会(EWEA)は、2020年までに全世界の必要な電力の12%を風力発電でまかなうことができる--という報告書「ウィンドフォース12」を共同で発表、その日本語版の発行にあわせてEWEA会長コリン・ミレー氏が来日しました。“ウィンドフォース12”原著者の一人でもあるミレー氏から、欧州で風力発電が成功した理由やEWEAが果してきた役割、日本への期待などをお話しいただきました。
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4.原発の後処理費用試算の疑問点・問題点
最近、政府の審議会などで原発の後処理費用に関する試算が公表されましたが、更なる原発・核燃料サイクル推進には20兆円からの費用が必要な事が分かりました。そして、電力の完全自由化を控え余裕の無い電力業界からは、原発・核燃料サイクル推進に公的支援が必要と言い出しています。やはり、原発は安い発電方法というのは嘘だったのです。
そして、この原発の後処理費用の試算には、多くの疑問・問題があるのです。あまりに高額な費用を公表すれば、原発・核燃料サイクル推進に支障が出ると恐れているのでしょう。しかし、またもや重要な問題で騙されないように、以下に転載します核のゴミキャンペーンの、政府関係委員会宛の要望書をお読み下さい。原発の後処理費用試算の疑問点・問題点が、面倒な内容ですが良く分かると思います。
なお、要望書の最後の方にMOX燃料に関するコストが出てきますが、大変高額な燃料となることが判明しています。プルサーマル計画はこの意味でも非現実的ということが良く分かります。
(以 下 転 載)
「要望書」 2003.12.25
総合資源エネルギー調査会電気事業分科会 コスト等検討小委員会の委員のみなさまへ
核のゴミキャンペーン
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-19銀鈴会館405 共同事務所AIR内
◎TEL03-5225-7213 FAX03-5225-7214(AIR内)
「原発の後処理費用試算の疑問点・問題点」
今回の試算には多くの疑問やまだ公開されていない情報がたくさんあります。これらの疑問や情報の空白を委員会で討論していただくなり、電気事業連合会から補足説明をしてほしいと思います。 ほとんど議論にならないで進行していることが多くあり大変奇異に思っています。
十分な議論がないまま、スケジュール優先で進められる危険性を憂慮するものです。 コスト等検討小委員会が検討されている内容は経済的にも安全性においても極めて重大な影響があるもので、各委員の責任は大変重いものです。来年初頭に電気事業分科会に報告の予定で審議が進められて来ましたが、極めて不十分だと思っています。
今回の検討はバックエンド費用負担を国民に広く求めるためといわれています。であれば積極的に情報を公開し、疑問に答える姿勢が求められます。そのうえで「本当に再処理が必要なのか」ということを含めての国民的議論の場を作っていただきたいと思います。六ヶ所再処理工場へ使用済み核燃料搬入再開の前に、ウラン試験の前に、ぜひ議論の場を設定していただきたいと思います。※ウラン試験は来年一月に実施予定。
下記にさしあたって気がついた疑問点を指摘させていただき慎重審議を要望する次第です。
(1)日本経済新聞を始めとして言われていることですが、六ヶ所村再処理工場を稼動しない場合のコストも試算しなければ、審議したと言えないのではありませんか。
2019年までに発生する原発のごみの後処理に約17兆円、中間貯蔵施設の費用1兆100億円と中間貯蔵の輸送費用4100億円、ウラン濃縮バックエンド費用2400億円をのぞいた約17兆円は、2019年までの原発の発電から出てきた使用済み核燃料に関する費用です。今回の試算でここが一番重要だと思います。
六ヶ所での再処理経費については総額約11兆円になっていますが、六ヶ所の再処理工場は完成し、すでに2兆円以上使われていますが、ウラン試験を始める前に再処理計画を放棄すれば、残り9兆円のかなりの部分を支出しないで済むはずです。だからこそ、今、再処理は必要なのか議論が必要です。ウラン試験が始まってしまえば、廃止の費用は格段にはねあがります。もし2019年以降も原発を動かし続けるなら、2045年までにあらたに3.4万tの使用済み核燃料が出てきます。それをすべて再処理するなら、新しいいわゆる第2再処理工場が必要になり、またあらたに17兆円以上かかるのです。
(2)第2再処理工場については議論も資料記載もありません。
50年後の搬出先がない「中間貯蔵施設」は「永久処分場」となると理解して良いのでしょうか。
しかし、今回の試算には第2再処理工場の経費はまったく計上されていません。3.2万tのうち、中間貯蔵施設に2.4万tの使用済み核燃料が運びこまれることになっています。しかし、この施設から使用済み核燃料を運び出す費用は計上されていません。だめ押しのように、搬入に使った容器と輸送船の解体処分は明記されていますが、運び出す船は想定されていません。(第3回資料)
搬出先の第2再処理工場については資料の中に影も形もありませんし、議論されていません。原子力長期計画では2010年に第2再処理工場について検討するとなっているのですが。
現在のコスト小委員会の審議では、第2再処理工場は作らないことが前提で、当然、中間貯蔵施設から再処理工場へ搬出することもないという結論になります。
(3)あくまでも100%の稼動率で順調に事業が進んだ場合を想定していることは極めて非現実的です。稼動率25%の場合も想定すべきです。
再処理工場の場合、不正な工事や品質管理の問題などが見つかって、現在総点検しています。試験運転の段階でこれほどミスが見つかった工場はないと思います。この工場の運転が今後順調にいくとはとても思えません。
またウラン濃縮工場の生産規模は1050tSWU/年のはずでしたが、現在150tSWU/年規模の生産ラインが3系列、すでに停止しています。
稼働率75%、50%、25%などの比率を想定し、それぞれの費用、発電原価を計算するべきです。たとえば、再処理工場が25%しか稼動しない場合、8000tしか処理できません。廃止費用はほぼ同じ金額がかかりますから、原発コストへの影響は4倍になるのです。委員会の試算では0.15円/kwhですが、25%なら0.6円/kwhで、それだけで0.45円高くなる計算です。※原発の発電コストが火力発電より上回る。
(4)大量の未利用回収ウランと劣化ウランの処分費用が含まれていないことは審議項目の欠落です。
使用済み核燃料の94%以上は燃え残りのウランです。これを回収ウランと呼んでいますが、今回の試算では取り出したプルトニウムとわずかな回収ウランをMOX燃料工場に運んでMOX燃料を製造することになっています。大量の回収ウランは残ります。回収ウランを保管しておく施設の経費は試算に含まれていますが、廃止措置になったあと、残った回収ウランをどうするのか不明です。資源として使うといっていますが、現在の回収ウランの使用実績は、ほんのわずかです。回収ウランには再処理工程で取り切れない放射性廃棄物が含まれていて、プルサーマル用燃料に使用するとPRしていますが、実際はしていません。
3.2万tの再処理が完了すれば、約3万tの回収ウランができるわけで、放射性廃棄物として処分しなければならないケースも十分考えられますが、その費用は想定されていません。
劣化ウランについても同様のことがいえます。ウランには燃えるウランと燃えないウランがあります。天然ウランの状態では0.7%程度の燃えるウランが含まれています。これを4%程度に濃縮しないと原子炉で燃やすことはできません。この工程をウラン濃縮と呼んでいます。濃縮したあとには大量の劣化ウラン=燃えるウランをほとんど含まないウランができます。この使い道がありません。しかし、今の日本ではこれを放射性廃棄物とはみなしません。今回の試算では、これもやはり、保管しておく費用は含まれていますが、工場が廃止措置になったあと、どうするのか一切触れていません。電力会社はウラン濃縮のほとんどをアメリカなどの海外に委託、そこでできた劣化ウランについては所有権を放棄しています。※この劣化ウランが劣化ウラン弾兵器に使われた可能性がある。
(5)(今の海外返還高レベルの)50年貯蔵費用が最終処分費用の約1.7倍!など、現実的とは思えない数字が数々あります。
高レベル放射性廃棄物のガラス固化体やTRU(超ウラン)廃棄物の地層処分は、世界でもまだ確立した方法はありません。この段階で、経費を見積もってもその妥当性を判断することは困難です。特にTRU廃棄物については、まだ何の制度もできていません。どこまで地層処分にするのか、放射能レベルも決まっていないのに、正確な見積もりが出せるとは思えません。
たとえば、海外返還高レベルの貯蔵事業はすでに六ヶ所で始められています。この費用は2200本で2700億円となっています。1本あたりで1億2273万円です。ところが、今後六ヶ所で発生する高レベルの管理費用になると、31680本で6400億円になり、1本あたり2020万円になります。これは、50年間置いておくだけの費用です。最終処分では1万年の安全を確保するため、地下深く埋めることになっていますが、こちらは1本あたり7500万円になります。
50年置いておくより、地中深く埋めるほうが安いというこの数字は信じられません。すでに事業が始まっている部分は妥当な数字が出ているが、今後始める部分は信頼性の乏しい数字だという証拠です。
(6)再処理費用の見積もりが5月の段階より、かなり割安になった理由を明らかにすべきです。
また、廃棄物貯蔵施設の容量は40年稼動より少ないものがありますが、なぜでしょうか。
5月に共同通信で配信された22兆円というバックエンド費用の見積もりでは、再処理工場の操業費や廃止費用が今回の試算の1.5倍くらいありました。第一回コスト委員会のとき、近藤委員長が「誠意ある数字を」とおっしゃったとおり、かなり安い金額が提示されていると感じています。半年足らずで何がそんなに安くなったのか大変興味があります。ぜひ見積もり額の変遷を説明してほしいとも思います。
見積もり額減少の原因のひとつとして考えられるのが、廃棄物発生量の見積もりが少なくなっていることです。再処理工場の運転について、建て前は40年稼動で3.2万t処理することになっていますが、廃棄物貯蔵施設の容量はそれより少なくなっているものがあります。
1)ウラン酸化物貯蔵施設 4000t処理分(5年分)×(1+6)
合計 28000t処理分 35年分
2)高レベル貯蔵施設
7920本(8年、6300t処理分)×4
合計 25200t処理分 32年分
3)CB・BP(チャンネルボックス・バーナブルポイズン)貯蔵施設
10、000t処理分 13年分
14000本 20年分(15380t処理分)
合計 25380t処理分 33年分
(7)なぜ作るのですか? 1トン当たりの価格25億5200万円の MOX燃料
コスト小委員会の第7回の資料に「MOX燃料としての次世代再生率」というものが表現されていて、15%ということになっています。
1tの使用済み核燃料から150kgのMOX燃料ができるということだそうです。再処理費用が11兆600億円、MOX燃料費用が1兆1900億円、合計で12兆2500億円になります。これが3.2万t分ですから 3億8281万円/tということになります。1tの使用済み核燃料から150kgのMOX燃料が製造できるということで単純に計算すると、MOX燃料は25億5200万円/tかかることになります。
いくら「資源の足りない国」でも、t当たり25億円もかかる燃料を使うことに正当性はあるのでしょうか。
(8)使用済みMOX燃料の再処理計画はないことを、なぜはっきり言わないのですか。
電力会社も政府も、使用済みMOX燃料を再処理して、またMOX燃料を作って利用すると宣伝していますが、現実には不純物が多いため1回使用したら、完全に高レベル使用済み核燃料となります。2回使用する計画は日本も含め世界中どこにもありません。それは、今回のコスト小委員会の資料でも明らかです。なぜはっきり言わないのですか。
■最後に
再処理は大変危険で、日常的な放射能汚染は原発の比ではありません。しかも、放射性廃棄物の量も格段に増やしてしまいます。「核燃料サイクル」政策そのものを検討するような場が必要です。議論もなくただバックエンドの費用を「広く負担」してくださいといわれても、国民は納得できるものではありません。
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〜 現代は、一部の人に行政を任せて、ただ黙って従っていれば良い程単純な状況ではありません。市民が自分の責任を取り戻し、独自の情報も得て共に考えていく必要があると考えます。
特にプルサーマルや原発については、私達が命を預けなければならないにもかかわらず、悲しいことにマスコミや国の情報はかたよっている事があり、そのため、出来るだけ多方面からの情報を得て、状況を把握する必要があります。
そして誰もが安心・安全にこの美しいふるさとで幸せに暮らすために、何が本当に必要でどうしていったら良いのかを、共に考えていければと思っています。このメールマガジンがそのための一助になればと願っています。〜
☆ 発行&問い合わせ:
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク( hayato@kisnet.or.jp )
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