市民ネット・メールマガジン6号(01/10/29発行)


「市民ネット・メールマガジン」6号をお送り致します。

☆ 今回は、講演会報告2件と原発テロ関連情報2件をお伝え致します。

1.講演会報告2件 マイケル・シュナイダー氏と菊地洋一氏
2.原発が攻撃されたら・・(国との話し合い)


1.講演会報告2件    市民ネットの催しではありませんが、二つの原発に関する講演会が最近行なわれました。市民ネットから数名聴講する事が出来ましたので、簡単に報告いたします。

10月12日 マイケル・シュナイダー氏 市民プラザにて 柏崎原発反対地元三団体主催。

 シュナイダー氏は高木仁三郎氏とともに、もうひとつのノーベル賞といわれるライト・ライブリフッド賞を受賞され、全世界にネットワークを持つWISE (World Information Service on Energy = 世界エネルギー情報サービス)パリ所長の科学者で、柏崎にも何度か訪れています。

 講演では、始めに、アメリカなど7つの先進国の原子力発電の現状について説明。フランスも含め世界の原子力発電は1996年を最多(442基)として、以降削減、停止の方向にある実態を明らかにしました。
 プルサーマルとの関係では、再処理工場の現状について放射性廃棄物の排出量が数倍に増えている事を警告。その20%ほどが日本の使用済み核燃料から排出されており、日本の原子力政策によりフランスの自然や人を放射能汚染している実態を述べました。フランスは高速増殖炉の失敗と冷戦終結によりプルトニウムの余剰問題が発生、余剰処理の目的でプルサーマルを始め現在20基と最多のMOX燃料使用国ですが、87年の開始当時は1トンくらいだったプルトニウムは現在46トンほどに増加してしまいました。日本がプルサーマルを始めればフランスと同じようになるだろうと指摘し、既に日本は現時点でフランス以上のプルトニウム余剰があるため、事態はフランス以上に深刻であるとのことでした。
 また、先のアメリカ同時テロによって、原発や再処理工場の安全の考え方に、決定的な修正が求められている事、日本の原発はその面での評価がほとんどなされていない事が述べられ、フランスのラアーグ再処理工場には全ヨーロッパの原発の量に匹敵する放射性物質がまとめて保存されており、万一ここにテロが行なわれた場合、チェルノブイリの数十倍ないし100倍以上の放射性物質の環境への放出が起こると予想されるという、恐怖のシナリオが紹介され、核燃料を集めてはならないと日本の再処理政策に警告を発しました。
 北岡市議が国によって原発へのブレーキに程度の差があるが、それは何故かと考えるかと質問したところ、シュナイダー氏の返答は明確だった。―それは、政治に国民の意思が反映される程度によるところが大きい。― また、矢部市議の質問に答え、日本政府や日本の電力業界は原子力に関する各国の失敗のデータを持っているのに、何故今も強力な推進姿勢なのかということについては私(シュナイダー)も理解出来ないという答えでありました。

 

10月23日柏崎(柏崎原発反対地元三団体)、24日刈羽(刈羽村生命を守る女性の会)で菊地洋一氏講演 24日にラピカで拝聴。    菊地洋一氏は元ジェネラルエレクトリック社の技術者で日本の原発建設に携わっていたが原発の危険性に不安を感じて退社。現在は鹿児島大学講師、生物写真家としても活躍中。

 講演当日、原発サービスホールを訪れ、圧力容器を支えるスカート状の金属(支持スカート)の支えの厚さを聞いたが、答えられなかった。ここは実はかなり薄いので何百トンもある圧力容器を支えるには、特に地震の際などは非常に危険であると指摘した。自身が原発建設に携わってきた経験から、点検修理の際、箱につるされて圧力容器内に降りていくときの作業員の気持ちは、やった人でないと判りはしないと言う話は説得力のあるものだった。
 テロに関係して、昔、仲間だった技術者からは“まさか、上から来るとは考えなかった”という声もあり、指摘されているように天井は弱いのですと話をされました。このことは、電力会社側からすれば常識ということです。電力会社の職員はそれは(空から飛行機が突っ込んでくる事は)技術の問題でなく、政治家の問題だと言っているという。しかし、犠牲になる住民は誰の責任であろうが、たまったものではない。最後に、原発の世の中はまもなく終わる、課題は廃棄物の処分の問題になるであろうということで締めくくられた。


2.原発が攻撃されたら・・

 下記に転載しますのは、「原子力安全規制研究会」の山口泰子さんよりの報告です。

1) 原子力安全委員会との話し合い
10月18日午後2時〜4時 参議院会館第五会議室
テーマ 航空機の原発への衝突について
参加者 安全委員会 審査指針課 松川 大島
    市民は今回10数名
  内容 安全委員会から 質問への回答
 
1、 「原子力施設(原発、核燃料施設)の航空機衝突に関しての安全審査」については、上空の航空規制があるので航空機の落下する危険性極めて小さい。設計上考慮をすることはない。、再処理工場について、具体的には六ヶ所については、三沢基地が近いこともあり、自衛隊機や米軍戦闘機の落下を想定して、設計することになっている。

2、 「航空機衝突を想定した安全審査の条件の見直しを考えているか」に対しては、このような事態にならないよう外交度努力または政治的努力すべきことと考えていて、現在は安全審査の条件の見直しは考えていない。  

3、 「航空機衝突を想定して安全審査を行うよう運用を変更するか」については、2と同様の理由で変更の予定はない。

4、 「ドイツでは原子力施設に対して航空機に対する防御設計を求めているが」については、ドイツのことは、入手していない。日本とは状況が違うので参考にすることはないと考える。

5、 「六ヶ所村の核燃料施設に関して、安全審査の条件がドイツの条件よりゆるやであるが、それでよいのか」については、ドイツのことは分からないが、4番同様日本として考えているので、見直す必要はないと考えている。

質疑応答

*10月8日の非公開安全委員会について
安全委回答 非公開であったが、10月11日ホームページで公開している内容は「緊急テロ対策について」委員長発言@関係省庁に対し警備に万全を期すとともに、関連情報を入手した場合の速やかな情報提供を要請A安全委員会としても関連情報の収集の強化をはかるB通常の原子力災害時がテロ対策としても基本的なものであると考えることから、訓練などを通じて実効性を向上、維持する。

* 「100万人見学」については危険だから止めるということをはっきりさせてほしい。
安全委回答 中止している。

* 国民が不安に思っていることをよく聞いて、持ち帰って考えてほしい。
安全委回答 持ち帰り、伝える。

 

2) 原子力・保安院と話し合い
10月18日午後3時〜4時30分 参議院会館第五会議室
内容 
質問書に対しての回答

1、 国内の原子力発電所のコンクリート壁厚及び強度
 柏崎刈羽発電所第3号機の場合だけ資料の提供があった。他は公開されていないものが多い。しかし他もほぼ同じ厚さである。公開できない理由はテロの恐れなど。
柏崎刈羽発電所第3号機
・コンクリート壁厚
原子炉建屋付属塔外壁 500〜750mm 原子炉建屋原子炉塔外壁 800mm
・コンクリート強度
原子炉建屋付属塔外壁 330 原子炉建屋原子炉塔外壁 330 kg/cm2
六ヶ所再処理施設
     ・厚さ 使用済み燃料受け入れ・貯蔵建屋、制御建屋外壁 
1,5m以上
・コンクリート圧縮強度
        使用済み燃料受け入れ・貯蔵建屋、制御建屋外壁 300kgf/cm2

2、 日本上空を飛行している主な民間航空機体の総重量、エンジンの重量などのデータ。
3、 アメリカの国防総省の建物破壊状況などについて
 この2項目については答えられないとのことだった。

4、 B767,B747,エアバスなどの旅客機が原子力施設に衝突した場合の見解を7つのケースについて訊いたが、これにもいろいろな場合が考えれるので答えられないとのことだった。

5、 航空機の衝突を防ぐための対策は、どのように行われていますか。についてもいろいろなケースがあるのでと回答できないとのことだった。

質疑
*壁の厚さについては、原発がつくられた年度によって違うのではないか。
*伊藤良徳弁護士が「旅客機が通常巡航速度で衝突した場合のエンジンによる局部破壊の試算」を作成、説明したが、検討したすべての機種で、水平方向に衝突した場合及び上から中央制御室に墜落した場合は、検討した総ての場合で貫通してエンジンが中央制御室に侵入することになる。

*いろいろなケースがあるとしても、真上からと、水平にきた場合の2つでも考えてみてほしい。これについては保安院に持ち帰って検討してもらうことになった。

 尚原発内の制御装置が動かなくなったとき、もうひつの制御装置室があるとの保安院の説明がありましたが、これに関連して、佐藤峰世さんのメールをごらんください。

(以下、佐藤さんのメール)

 先日の保安院との「テロと原発」の交渉のとき、「もう一つの制御室がある」という話がでました。もし中央制御室が破壊されても、原子炉をコントロールできる機能をもつ場所が確保されているという説明でした。わたしは初耳でとても気になって、福井の小浜の会の池野さんにきいたところ、以下のようなmailいただきました。許可をいただきましたので転送します。     もう一つの「中央」制御室は今までも公にはなっていませんが、81/7の原子力安全委員会の勧告により、「第5会議室」というのが関電の各プラントに順次設置されました。
 高浜原発の場合は82/11に設置。事務棟地下4.5m、150u。4基分の機器・モニター類の監視・制御が可能となっています。また通信施設もあり、非常用食940食、防災機材、等々。
   大飯、美浜、敦賀サイトにもありますが、設備については確認していません。「もんじゅ」は入口のすぐ右手の建物にあります。    「第5会議室」は中央制御室が汚染、または火災により使用不可能となった場合に代用され、それは「重大事故」を想定したものです。
 なおこの「第5会議室」は事業者の「原子力防災業務計画」にも記載されていません。
(一昨日、始めて関電の資料センターで大飯原発の「計画」をコピーしてきましたが、記載なし。)

 若狭の原発は今日あたりに中部管区機動隊約150名ほどが配置されるようです。
 美浜原発では正面に機動隊がいました。熊取でも装甲車毎警備をしていて、異様な雰囲気でした。

 WISEーPARISの10/8プレスや、昨日のNICセンターの「海外情報」などに、ラ・アーグの警備についてミサイル配備が載っています。チェルノブイリの66倍、とはCs‐137の放出量の様です。六ヶ所再処理工場についても、このラ・アーグの様子を青森、六ヶ所の人たちに広く伝えられれば、と考えています。


〜 現代は、一部の人に行政を任せて、ただ黙って従っていれば良い程単純な状況ではありません。市民が自分の責任を取り戻し、独自の情報も得て共に考えていく必要があると考えます。
 特にプルサーマルや原発については、私達が命を預けなければならないにもかかわらず、悲しいことにマスコミや国の情報はかたよっている事があり、そのため、出来るだけ多方面からの情報を得て、状況を把握する必要があります。
 そして誰もが安心・安全にこの美しいふるさとで幸せに暮らすために、何が本当に必要でどうしていったら良いのかを、共に考えていければと思っています。このメールマガジンがそのための一助になればと願っています。〜

☆ 発行&問い合わせ:
    プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク(事務局・北岡はやと
hayato@kisnet.or.jp
     ※ 市民ネットHP
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