市民ネット・メールマガジン7号(01/11/19発行)
市民ネット・メールマガジン」7号をお送り致します。(転載可)
☆ 今回は、浜岡原発事故など6件をお伝え致します。
- 第2回市民ネットミニ集会の報告
- 柏崎刈羽原発にも同様欠陥?大地震近しと言われる浜岡原発で連続事故!
- 原発押しつけ法案(エネルギー政策基本法案)が国会に提出されました
- フランスのMOX燃料も欠陥品?
- アイルランド政府、新MOX工場運転停止を求めてイギリス政府を訴える
- 「原子力政策について」 福島県のエネルギー政策検討会議より
1.第2回市民ネットミニ集会の報告
第2回市民ネットミニ集会は11月10日極楽寺で開催されました。ちょうど、東京大学の学生4名と東京工業大学の大学院生1名が、市民ネットを訪問したいという事でしたので、一緒に参加して頂きました。今回は、ネットからの話を短めにして、参加者のご意見をたくさん伺おうという予定でしたが、つい、熱が入り、長めになってしまいました。ネットの歩み、プルサーマルの話は、前回の幸町での話を踏襲して、更にバージョンアップした内容。北岡市議は、プルサーマルに頼らない新しい社会が、実現可能で、その実現がはじまっているという内容になりました。
後半は、来柏中の東京の学生を含めての話し合いとなりました。学生たちは、刈羽の住民投票をきっかけに、民主主義や地方自治のあり方を研究したいというようなスタンスで、ゼミのテーマで割り当てられたというような面もあり、プルサーマルについては具体的な意見はないという立場でした。そのことは、プルサーマルの問題で現実に直面している柏崎の住民には、一寸物足りないという感じは否めませんでしたが、蛇口をひねれば水が出て、スイッチを入れれば電気がつくという生活をしていると、仕方ないのかもしれません。どこで電気が作られるか考える事はないという、素直な感想も述べられました。柏崎に原発がなければ、私たちも同じかもしれませんが、それではいけないというのがネットの意見です。
このような機会を積み重ねて、東京での世論形成に若干なりとも役立てばと考えています。
2.柏崎刈羽原発にも同様欠陥?大地震近しと言われる浜岡原発で連続事故!
今回の浜岡原発の事故は両方とも原発の重大な欠陥を露呈し、安全上重要な2つの機器(緊急炉心冷却装置、制御棒)に関係しています。
まず、緊急炉心冷却装置関係の配管が爆発した問題ですが(同様の配管は柏崎刈羽原発1号機にもあり)、原発には非常用冷却装置が何種類かありますが、電気で動く装置は停電時には使えません。しかし、深刻な発電所内停電事故は実際に起きています。そしてこの場合、最後の頼みが今回壊れた装置です。
事故で原発の配管等が壊れて、核燃料を冷やす冷却水が大量に漏れると、核燃料の温度が上昇して溶け出し、大変な事故になる可能性があります。核燃料を冷やすためには、水を注ぎ続ける必要があります。しかし、場合によっては原子炉の中の圧力は高く、水は高圧をかけて圧注しなければなりません。そのために高圧ポンプを蒸気の力で動かすのですが、その装置の関係配管が破壊されたのが今回の事故でした。
浜岡原発のある東海地方は、そろそろ大地震が起きると、複数の地震学者らが警告しています。大地震が浜岡原発を破壊したら、配管などが壊れ炉心が空焚きになり発電所内も停電。最後の頼みの蒸気ポンプは作動したら不良品で破壊。と、大惨事になっていく可能性がある訳です。⇒参考資料【シュミレーション・ノンフィクション】原発震災 http://www.cnic.or.jp/books/pamph/akasi_jisin.html
更に、原子炉の底から放射能水が漏れている問題ですが、これは「圧力容器の下部に多くの穴をあけ、配管を通さなければならないBWR原発の構造上の欠陥を示した。」とも指摘されるもので、大地震の衝撃などでお釜そのものが破壊されないのか脅威です。(参考URL2件)
◇老朽原発とBWR原発の欠陥が一気に噴出 末期症状を呈する浜岡原発
http://member.nifty.ne.jp/fukurou-nokai/0011112hamaokajiko.htm
(抜粋) 浜岡原発や東京電力のBWR(沸騰水型)原発は今、シュラウドがひび割れを起こすことが大問題となっている。1994年の福島第一原発2号機に続き、今年になって、ひびが起こりにくいとされる材料を使っていた福島第二原発3号機でも、ほぼ全周に渡るひび割れが見つかっている。これに対し東京電力は、ひび割れの進展はそのうち止まると強弁し、米国で取られているタイロッドと呼ばれる簡単な応急措置を施すだけでよいと言いはじめている。しかし日本では地震についての条件が異なる。設計限界地震が福島よりも大きい柏崎刈羽原発では、東京電力の行った評価に従ったとしても強度は確保できないとの結果がすぐに得られる。柏崎刈羽原発よりもさらに設計地震の大きい浜岡原発も到底耐えることはできない。◇浜岡原発1号炉で連続する重大な事故(原子力資料情報室)
http://www.cnic.or.jp/news/topics/hamaoka/report01.html
3.原発押しつけ法案(エネルギー政策基本法案)が国会に提出されました
原発はテロや事故で停止すべきなのに、更に増やそうとの法案が提出されました。
この法案は、「安定供給」を隠れ蓑にした「原発押付け法」です。最大の問題は、自治体や事業者に国のエネルギー政策に対する『協力義務』を定めている点です。仮にこの法案が成立すると、住民が国の施策である原発推進に反対することが難しくなります。自分たちの地域のことは自分たちで決めるという、住民や地方自治体がもつあたりまえの権利は制限をうけ、高レベル廃棄物の処分場を含む原子力施設の立地等が、国策の名の下に、地方の意向を無視して強要されるおそれがあります。あるいは、地方議会で住民の陳情書が不採択になったり、陳情書の受け取りもできないという可能性があります。住民はエネルギー政策についての意見表明ができなくなっていきます。地方議会が意見書を採択し、あるいは市町村長や県知事が国の施策に異を唱える意見を表明しても、国がそれを握りつぶしやすくなってしまいます。
そもそもこの法案は、電力自由化におびえる電力業界が、自民党電力関係議員らを中心に、業界利益を最大限保護するために、与党をまきこみ議員提案したものです(一般的には官僚が提案)。(関連メール) エネルギー政策基本法案はすでに印刷されて全議員に配布されました。正式に国会に提出されたからです。提出日は11月8日となっています。現在は「つるし」の状態。つまりどこの委員会にも付託されていない状態です。議員運営委員会(議運)で、この取扱いについて議論され、どこどこの委員会に付託しようと決めると「つるし」が降ろされたということになります。この場合、付託委員会は経済産業委員会に決まっています。
「つるし」を降ろすか否かは、以前から言っておりますように与野党の国対(国会対策委員会)で事実上決まります。対決法案であれば、野党はうんと言わない。与党はあきらめるか、議運での強行採決にするかです。強行採決にすれば、国会が少しの間は混乱し止まりますから、他の何らかの法案は犠牲にするということになります。
この法案が与党にとってそれほど重要な法案とは思いませんので、野党−事実上は野党第1党の民主党が「断固反対」となっていれば、通常「つるし」は降ろせないということです。そうでないところが現在の問題です。逆に野党−これも民主党のこと−が賛成だと、スーっと「つるし」を降ろしてしまうわけです。
国会はこれからPKO法の改正案というとんでもないものが出てきます。これは問題ですが、これが特別委員会というような形となり、全閣僚出席委員会になると、経済産業委員会は残り時間がなくなり法案は廃案になるかもしれません。
いずれにせよ11月終盤、来週の民主党国対の動きがカギだろうと思います。民主党が本当に難色なら・・つぶせます。(関連URL)
http://www.cnic.or.jp/stop/ene/
4.フランスのMOX燃料も欠陥品?
日本は原発に関して末期的状態が続いていますが、西欧でもプルトニウム利用に関する大きな動きが続いています。
プルサーマル計画で使われるMOX燃料を作るMOX工場ですが、イギリスとフランスとベルギーにあります。イギリスのBNFL社は関西電力用MOX燃料のねつぞう事件を起こしています。ベルギーのベルゴニュークレール社は、柏崎刈羽と福島用MOX燃料を作りましたが、裁判になったねつ造疑惑があります。そして残りのフランスのコジェマ社ですが、この工場で作られた関西電力用MOX燃料にも問題ありとの以下の情報です。(コジェマ社は東電とも契約しています。)(関係HP)
◇関電・仏MOX燃料の輸入断念か? 品質規制満たさず、保安院は不許可へ 「電力時事通信社」11月7日の抜粋
http://www.jca.apc.org/mihama/stop_pu/denryoku_jiji011107.htm
(抜粋) 関西電力が仏メロックスに発注し、製造済みのMOX燃料6体が、国内に輸入出来ない可能性が高まっている。・・・経済産業省は昨年7月、MOX燃料の品質管理の強化を通達したが、それ以前に製造した関電のMOX燃料は通達の規制を満たしておらず、今後、輸入燃料体検査を申請しても不合格となる恐れがある。その場合、6体分の製造費60億円が損失となるだけでなく、膠着状態の関電のプルサーマル計画は一段の遅延を迫られそうだ。・・◇市民団体よりの声明 MOX燃料の本質的欠陥が改めて露呈−関西電力はコジェマ社メロックス工場製造MOX燃料を破棄せよ プルサーマルはこの際すべて断念すべきである
http://www.jca.apc.org/mihama/stop_pu/seimei011109.htm
(抜粋) ・・実はそうではなく、本当は、メロックス工場のMOX燃料に、重大な技術的欠陥があるからではないかと推察される。それは、酸化ウランと酸化プルトニウムを均一に混ぜることに関する本質的な欠陥である。もし、このようなMOX燃料が原子炉に装荷されれば、重大事故につながるほどの重要な欠陥である。今回の電力時事通信の記事は、まさにMOX燃料に固有のこの技術的欠陥が、メロックス工場ミマス方式(ベルゴニュークレール社も同じ方式で、BNFL社のSBR法より劣る)のMOX燃料に存在することを強く示唆している。◇市民団体よりのコジェマ社・メロックス工場製MOX燃料に関する関西電力への質問書
http://www.jca.apc.org/mihama/stop_pu/kanden_cogema_mox_q011112.htm
5.アイルランド政府、新MOX工場運転停止を求めてイギリス政府を訴える
イギリスではねつ造事件を起こしたあのBNFL社が、懲りずに新MOX工場を運転しようとしています。そして、アイルランド政府は、通常運転や事故(テロ含む)による放射能汚染の脅威から、ついにイギリス政府を訴えたのです。
(関連HP)
◇市民団体よりの小泉総理宛の共同要望書
http://www.jca.apc.org/mihama/stop_pu/koizumi_yobo011109.htm
(抜粋) 去る10月3日、イギリス政府は英国核燃料公社(BNFL社)のセラフィールドMOX燃料加工工場(SMP)の運転許可を出しました。しかし、10月25日、アイルランド政府はこの決定が国連海洋法条約違反であるとし、英国を仲裁裁判に提訴することになりました。さらに、11月23日にも予定されているSMPの運転開始に対し、本日(11月9日)、国連海洋法裁判所に暫定措置(運転差し止めの仮処分)を行うよう要求することになりました。訴えによるとアイルランド政府はイギリス政府に対し、
(1)SMPの運転を中止すること、
(2)MOX工場の運転に関連するアイリッシュ海とその周辺での放射性物質の国際輸送を中止すること、
を要求しています。
アイルランド政府は長年セラフィールドの再処理工場から排出される放射性物質がアイリッシュ海を汚染していることを訴えてきました。アイルランドは海洋環境保護の観点から、セラフィールドからの排出を中止するよう英国政府に対し繰り返し要求してきましたが、排出は依然として続けられてきていました。
日本の電力会社はこれまでに4300トン以上の使用済み核燃料をセラフィールドの再処理工場に送っています。したがって日本はアイリッシュ海における放射能汚染の荷担責任を負っているのです。また、プルサーマル計画に対する国民の理解が日本では得られていないにもかかわらず、日本の電力会社はSMP工場の「最大の顧客」であることが明らかにされています。
6.「原子力政策について」 福島県のエネルギー政策検討会議より
吉岡斉氏(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)の、「原子力政策について」の講義や質疑が福島県HPに掲載されています。
http://www.pref.fukushima.jp/chiiki-shin/energy/kentou8/kentou8-gijiroku(youyaku).htm
(抜粋)
【福島県側の質問】
○ 1点目は、プルサーマルの関係。わが国で既に保有している30トン程度のプルトニウムの処理方策としてはプルサーマルもやむを得ないということであるが、この点について再確認したい。
○ 2点目は、ウランは事実上無尽蔵だということであるが、50年、100年先のことを考えた場合再処理についての技術を確立しておく必要はないのか。
○ 3点目は、仮に再処理方式を凍結した場合には、原発のサイト内に使用済燃料が残る。本県としては、発電所が使用済燃料の貯蔵庫になっては困るという考え方を当然持っているが、例えば最終処分にしても中間貯蔵にしてもそれが決まるまでの間、何か処理をする方策があるか。【吉岡氏の回答】
○ (1点目について)プルサーマルで燃やすというのが一つの方法。もう一つ国際環境団体などが主張しているのは、核兵器に転用されないような形で固定化する方法。例えば非常に放射性レベルの高いものと混ぜて貯蔵して使わないというような方法がある。
○ どちらが優れているかということは微妙な判断を要する問題であり、この点についての総合判断をアセスメントとして行うべきであるが、それがなされていないということが日本の原子力政策の最大の問題である。別の路線も含めて、批判的なグループにもお金を出して総合評価をすべきである。
○ もっと基本的なレベルでは再処理か直接処分か、この比較がそもそも必要である。直接処分に分があると思うが、これについての総合評価すらやられていないというのが問題である。とにかく、国民に開かれた形での調査研究が必要というのがとりあえずの回答である。
○ (2点目について)ウランはほとんど先進国あるいはその友好国で掘られているため、遠い将来においても資源が逼迫する心配はないと思う。ウランに関して特別な対策は不要だが、再処理技術をどうするかは、一応別個の問題として念頭に置いてもいい。再処理技術については、お金さえそんなにかからないならば維持してもいい。新しく、より経済的な再処理法の基礎研究はいいと思うが、大規模工場を運転し技術を維持するというのは妥当ではない。
○ (3点目について)使用済燃料は原発を続ける限り出てくる、しかも行き場はそう簡単には確保されないので、当分はその地域内における保管しかない。保管自体はきちんとやれば大丈夫だと思う。あとはお金の手当てが重要で、それについてルールを作って整然と保管するという以外に名案はない。【質問】
○ 現状の原子力発電所は必ず近い将来廃炉の問題が出てくるが、この廃炉が本当にスムーズに最終処分がなされるのか、原子力発電所は最終的にどういう行く末をたどるのか。【回答】
○ 現在の原発をどうするか、行く末については私自身も非常に不安に思っている。まず今の電力会社が将来も存在しているかどうかが極めて不安である。企業の寿命は数十年だという気がするが、廃炉・最終処分の問題は数十年で対処できるかというと、全然そうではない。例えば自由化により9電力全部が安泰ではなくて、必ずダメになるところが出てくる。ダメになったところの原発では、旧ソ連のように原子力潜水艦が吹きさらしの中で放置されるということもあり得ないわけではない。
〜 現代は、一部の人に行政を任せて、ただ黙って従っていれば良い程単純な状況ではありません。市民が自分の責任を取り戻し、独自の情報も得て共に考えていく必要があると考えます。
特にプルサーマルや原発については、私達が命を預けなければならないにもかかわらず、悲しいことにマスコミや国の情報はかたよっている事があり、そのため、出来るだけ多方面からの情報を得て、状況を把握する必要があります。
そして誰もが安心・安全にこの美しいふるさとで幸せに暮らすために、何が本当に必要でどうしていったら良いのかを、共に考えていければと思っています。このメールマガジンがそのための一助になればと願っています。〜☆ 発行&問い合わせ:
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク(事務局・北岡はやと hayato@kisnet.or.jp )
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