市民ネット・メールマガジン8号(01/11/26発行)


「市民ネット・メールマガジン」8号をお送りいたします。(転載可)

☆ 今回は浜岡原発事故など4件です。

 1.市民ネットから読者の皆さんへ
 2.たんぽぽ舎 よせあつめ新聞原稿 浜岡事故
 3.エネルギー基本法の経済産業委員会での審議が見送り決定!
 4.市民と国の原発テロに関する話し合い


1.市民ネットから読者の皆さんへ    もはや、原子力技術の安全性は完全に砂上の楼閣となってしまいました。(記事参照)反原発の人々が指摘してきた多くの危険性のうちでも、重大な部分の問題が、次々と現実のものとなってきています。本当に重大事故発生が目前まで来ているのではないでしょうか。そのような中で行われた海山町での住民投票では、原発誘致反対票がダブルスコア(反対67.5%)で勝利しました。計画中の巻町、運転中の刈羽村についで、計画発表前の地点でも圧倒的な反対の民意が示され、三度の住民投票は全て原子力にノーを突きつけました。
 いまや、国や電力会社の頑固な推進姿勢にも関わらず、世界の脱原発の流れは日本にも確実な潮流として根づいてきつつあるのです。
 しかしながら、わが柏崎市長は相変わらず原発擁護、プルサーマル推進の姿勢に変更を加えることなく、旧来の考えに固執しています。状況はこの三年だけで大きく変化しました。国、電力会社、行政のみが方向転換できずにいるのです。せめてプルサーマルだけでもきっぱりと中止を。今こそ柏崎での住民投票が必要です!


2.たんぽぽ舎 よせあつめ新聞原稿 浜岡事故

こんにちは、山崎 久隆@たんぽぽ舎です。
月二度発刊しているたんぽぽ舎の「よせあつめ新聞」の巻頭に書いている原稿を参考までにお送りします。    

浜岡原発1号機安全系事故
 原子炉圧力容器底部の穴あき
 東海地震が起きていたら・・・

緊急炉心冷却系配管が破裂

 11月7日午後5時過ぎ、浜岡原発1号機の地下二階で作業をしていた従業員は、異様な音を2、3度聞いたという。金属的な衝撃音と聞こえたそうだ。その直後、所内で10カ所の火災報知器が鳴り響いた。
 余熱除去系という、聞き慣れない系統の配管が破裂していたことが分かるのは、その数時間後である。この段階では、火災報知器が鳴りだしたことしか報道では分かっていないことになっている。
 しかしこのときに行っていた作業は、HPCI緊急炉心冷却装置の高圧注入系作動試験であった。月一度行うことが定められている、緊急時に原子炉に冷却材を注入する装置の試験であるから、装置が動作しているかどうかなどをチェックする試験であり、配管の破裂と同時にHPCIも作動しなくなったことを制御室では確認したはずである。そうでなければ試験の意味はない。
 しかし原子炉の停止操作に入るにはその後1時間あまりもかかっている。(炉の停止操作開始は午後6時20分と毎日新聞は報じている。)なぜこんなにも判断が遅いのか。HPCI作動不能後に1時間あまりも原子炉を運転していることにまず、愕然とする。
 その停止操作も、通常の停止操作と変わらない。一部報道には「緊急停止」と表現しているものがあるが、それは間違いである。スクラムボタンを押して緊急停止をしたのではない。実際に炉の停止操作が終わるのは、翌日8日の午前6時だったのだ。
 現場を最初に見た人は、おそらく信じられない光景を目にしたと思ったであろう。直径17センチあまり、肉厚11ミリの鋼鉄製配管が破裂し、破片が飛び散り、配管を支えていた金具が吹き飛び、周囲の鉄製足場が変形していた。配管の両端は数十センチも離れた位置にずれ、単なる破断ではなく破裂と言った状況だったのだ。
 原発でこのような破壊を目にするのは、89年1月に起きた東京電力福島第二原発3号機の再循環ポンプ内部の水中軸受けリングと羽根車の損傷以来である。
 応力腐食割れや熱疲労などで配管が破断する事故は珍しくない。しかし配管が破裂して粉々になるような事故は世界的にも例がない。
 過去の例としては、86年12月に米国サリー原発2号機(PWR)で、応力腐食割れと減肉により二次系配管が破断したケースに似ているが、今回の浜岡原発1号機では、明確に腐食による減肉は発見されていないという。となれば、設計強度84.4気圧の配管が瞬時に破裂するほど巨大な圧力がかかったか、あるいは熱疲労割れなどで相当ぼろぼろになっていたとしか考えられない。
 いずれにしろ、この配管では破裂してしまう環境がある場所であり、最初から設計ミスであることは間違いない。

BWRほとんどが欠陥

 破断した場所は、以前は直線状に配管が施工されていたが、後にL字型に設計を変えた部分である。浜岡1,2,3号ともに、直線状に作られていたのを、わざわざL字型に変更をしている。浜岡原発3号機などは、現在定期検査中だが、まさに交換の真っ最中だったのだ。
 通常は蒸気が流れる管に水を貯めることは、非常識である。液体と気体では温度変化が甚だしく違い、また圧力の上下動で水面が移動して管に対し熱応力をかける。さらに高温の蒸気に接触すれば水が沸騰して圧力変動を来す。それが大きくなればウオーターハンマー現象と呼ばれる大きな衝撃波が発生する。このようなことは、プラント設計者であれば常識として知っていなければならない知識だ。ところが、このような変更を加えていたのは中部電力だけではなかった。
 東京電力では福島第一原発3号機が浜岡原発より早い91年に、5号機が94年に、柏崎刈羽1号機が96年に、東北電力では女川原発1号機を昨年、形状変更している。他に福島第一2、4号機、日本原電東海第二が改造を行い、東京電力福島第二の4基全て、福島第一6号機は最初から水がたまる構造で施工していた。
 つまり、BWR各社、メーカーにより、この形状を採用することにした、共通の理由がある。
 これまでの報道では、蒸気だけの場合では、管に熱膨張によるたわみが発生したり、弁から蒸気が漏れる現象が起き、定期検査中に弁の分解点検を行わなければならないことや、高温の蒸気が一気に流れ込むと弁が開かなくなるおそれがあるため、蒸気を冷やす目的で、水を貯める構造にしたのだという。つまりもともと構造欠陥があったところに、安直な改造を施したことが、事故の原因である可能性が高いのである。
 このような変更を加えるためには、原子力規制法規に基づき原子力安全委員会に対し設計変更承認を得なければならないと思われるが、それがどういう審査を経ていたのかは、まだ報道などは一切ない。
 浜岡1、2、3号機、福島第1−2〜6号機、福島第2−1〜4号機、柏崎刈羽1号機、東北電力女川1号機、日本原電東海第2の計6原発15原子炉はすべて欠陥炉なのである。

多重事故発生

 この事故調査の過程で、さらに重大事故が発見された。
 原子炉圧力容器のそこには、89本の制御棒駆動機構案内管と30本の中性子束計測管がある。圧力容器の底を貫通する形で、溶接されている。この管が破断すれば、直ちに中口径配管破断事故となるし、この間には弁などはないので、破断すると冷却材の漏洩を止めるすべが無いという意味で、きわめて重大な場所でもある。
 その制御棒駆動機構案内管の溶接部付近から、毎分1ミリリットル程度の漏洩が9日に発見された。しかもこの漏洩は、88年9月17日に初めて発見され、当時大きな問題となった中性子束計測管の亀裂と同様のものだ。しかも今回は制御棒駆動機構案内管そのものではなく、取り付け溶接部分からの漏洩であると見られている。つまり、溶接部の全周破断の恐れがあるのだ。そうなれば、制御棒駆動機構案内管が脱落し、圧力容器の底に直径15センチの穴があくのと同じことになる。
 もし、制御棒駆動機構案内管が脱落していたら、どうなっていただろうか。
 その際に原子炉は正常であれば原子炉水位低などでスクラムする。そして原子炉水位を回復するために、高圧注入系が自動起動する。しかし弁が開いた瞬間、高圧注入系の配管が破裂し、作動不能となるのである。もう一系統あるとしても、原子炉はメルトダウンの危機に瀕するのである。
 浜岡原発は、東海地震の予想震源域の真上に建っている。地震に伴う事故だとしたら、次に何が起きるだろうか。
 浜岡原発を廃炉にすべき理由をこれ以上語る必要があるだろうか。

                  01/11/21(Wed) 02:36pm  SDI00872@nifty.com Yamasaki Hisataka

(山崎久隆様、転送許可ありがとうございます。)


3.エネルギー基本法の経済産業委員会での審議が見送り決定!(原子力資料情報室より)

皆様
 エネルギー基本法の経済産業委員会での審議が見送られることになりました。

 大島(大島令子衆議院議員)さんがエネルギー基本法の今国会成立を阻みました。21日の衆議院経済産業委員会の理事会で、エネルギー基本法をどうするかが議論になったようです。そこで大島さんが、まず基本法というのに議員立法はおかしい、重要な問題で公聴会や参考人質疑などきちんとやらなければいけない法案で、今国会中にそんな時間はとれない・・と力説したようです。
 浜岡原発事故もあり、民主の理事もこの法案には慎重になっていたということもあると思いますが、大島さんの力説で、今国会での審議はなしということに決したということです。
 法案は提出されていますが、「つるし」(関係委員会に付託されていない状態)になっており、あとは議員運営委員会で今国会廃案にするのか継続審議にするのかを決めるだけ、ということです。

 21日の理事会では、自民党、公明党の理事が審議入りを主張したのは当然ですが、民主党の理事は、「よりよいエネルギー基本法は必要」という内容の意見を述べたようです。自由党は、「会期末で日程的に難しい」、共産党の理事は明確に反対の態度ということではなかったようです。大島議員が頑張ってくれたことが大変大きかったと思いますし、大島議員も「全国からメールやファックスが沢山来たので頑張れた、全国の皆さんにお礼を伝えてほしい」と言っています。
 メールやファックスにご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
 大島議員の感想では、民主党の「よりよいエネルギー基本法は必要」という発言には、注意が必要とのことです。今臨時国会での法案の扱いが今のところ不確定でもありますし、どのような形になるにせよ次期通常国会でも「エネルギー基本法」問題は、出てくるでしょう。民主党の「よりよいエネルギー基本法」構想はそれほど具体的にはなっていないようですが、民主党の理事は原発推進勢力で固められており、最大野党である民主党が変なことをやりださないよう注視する必要があります。
 臨時国会が終われば直ぐに通常国会です。
 いつもお願いばかりで申し訳ありませんが、時間的余裕のある方は引き続いての運動のために、反対勢力の大島議員や他の野党理事への激励・お礼のファクスやメールを入れてください。(民主党の理事にはやさしく釘を刺しておく必要あり)また、今後の運動の進め方等、ご意見・アイディアをお聞かせください。

特定非営利活動法人 原子力資料情報室 (CNIC)
Citizens' Nuclear Information Center   〒164-0003東京都中野区東中野1-58-15寿ビル3F
 TEL.03-5330-9520 FAX.03-5330-9530
 URL:
http://www.cnic.or.jp/
 e-mail :
cnic-jp@po.iijnet.or.jp


4.市民と国の原発テロに関する話し合い

 原子力安全規制研究会報告
 文責;山口泰子(前回の報告は⇒ 
http://www.kisnet.or.jp/~hanyu/mm6.htm )

2001年10月20日

1) お知らせ

・原子力安全委員会 原子力・保安院との話し合い
      テーマ 浜岡原発事故について
      日時  12月4日 14時〜16時
      場所  参議院会館 第一会議室
・12月4日 12時〜13時30分まで 原発力教育支援事業交付金(仮称)止めてネットワーク結成集会と文部省との話し合いがあります。場所は上と同じ。
・11月28日 12時〜13時  参議院会館面談室において、「浜岡原発事故を問う議員と市民の集会」を開きます。

2) 報告 原子力安全委員会との話し合い
11月20日午前10時〜11時 参議院会館第一面談室
テーマ 航空機の原発への衝突について
参加者 安全委員会 審査指針課 松川 斎藤
    竹村 伊藤 海渡 澤井 富山 安達 山口 他1名     内容 安全委員会から 質問への回答

1、 「原子力施設(原発、核燃料施設)の航空機衝突に関しての安全審査指針を変更してほしい。安全委員会の議題としてほしい」
については、前回と回答は変わらず。安全委員会の議題になっていないが、テロの直後非公開で経済産業省から意見は聞いた。内閣府官房に危機管理課が担当しているプロジェクトチームがある。そこでテロ対策が考えられているが、詳細は担当でないからわからない。アメリカの連続テロで原発が狙われていたとFBIなどの情報について、間違っているとはいえないが、正確な情報は得ていない。参加者から、どうしてそんなに呑気でいられるのか、そんな状況ではない。また前回外交的努力でテロなどが起こらないようにすべきだと答えがあったが「テロ対策特措法」などの成立はそれに逆行するのではないかなどの意見が出た。また安全委員会との話し合いを申し入れたいという希望が出た。

2、 「ドイツでは航空機の衝突に対する防御設計を安全審査上求めているが」
については、前回同様資料を求める必要はないと考えているとの回答。

3、 「原発への見学ツアーを受け入れることが妥当か検討してほしい」
については、100万人見学計画については取りやめたはず。見学コースの変更も考えている。文部科学省の小中学生の見学につての計画については、安全性に問題はない。テロの危険性は原発もそうだが基地周辺なども考えられる。参加者からは、原発そのものの安全性とともにテロ対象になっていることももっと考えるべきだ。必要性によって見学はあってよいが、一般見学や。小中学生のような場合は止めるべきではないかの意見が出た。

 

3) 原子力・保安院と話し合い
11月20日 午前11時〜12時 参議院会館第一面談室
参加者 原子力政策課 水本 佐藤
    市民側 上に同じ
内容 
質問書に対しての回答

1、「航空機衝突の際の、柏崎刈羽発電所第3号機、大飯3号機建屋・格納容器の強度につて解析検査をしてほしい」
については、解析はやっていない。する予定もない。誰が解析しないと決めたのかについて、担当課長に報告したがその時に決めた。もしやっても安全上答えられない。参加者からは、核が狙われたら大事故になることをもっと真剣にとらえるべきではないか。空からの攻撃に対して原発の構造は弱いことがはっきりしている。

2、「航空機が衝突し中央制御室が破壊された場合、原発の安全性はどのように確保されるのか」
については、指針で定めれている別の制御室があってそれで停めることができる。その場所については、自分も知らないし、教えられない。柏崎3号機の場合中央制御室の下ではない。他の場合は分からない。その機能は停止すること。そこに常に人がいるかどうかは知らない。指針では別につくることだけが定められていて、制御室が爆撃されたときのことは想定されていない。制御室がジャックされたときのことなどが想定されている。参加者からは、どのくらい離れているのか。爆撃された時はどうなのかなどどうして確認しておかないのか。の意見が出た。

3、「100万人見学は正式に中止してほしい」
については、100万人のような大々的見学は中止している。従来のような少数の見学希望者には警戒を厳重にするなどして、見学できる。構内イベントは止めている。電力会社にも通知している。文部科学省が小中学生の原発見学の予算を計上していることについては、警備を強化するなど考え、またテロの危険性がどうなるかなども考慮しながら対応する。(見学については、推進を考えながら状況を見ているということ)

全体として参加者からのまとめ
 航空機に対して原発は安全ではないことが明らかでも、それを公表することはテロに情報を提供することになってしまうので、情報公開がむつかしくなったと思う。しかし原子力・保安院の意義が問われていると思うので検討してほしい。

(山口泰子様、転送許可ありがとうございます。)


〜 現代は、一部の人に行政を任せて、ただ黙って従っていれば良い程単純な状況ではありません。市民が自分の責任を取り戻し、独自の情報も得て共に考えていく必要があると考えます。
 特にプルサーマルや原発については、私達が命を預けなければならないにもかかわらず、悲しいことにマスコミや国の情報はかたよっている事があり、そのため、出来るだけ多方面からの情報を得て、状況を把握する必要があります。
 そして誰もが安心・安全にこの美しいふるさとで幸せに暮らすために、何が本当に必要でどうしていったら良いのかを、共に考えていければと思っています。このメールマガジンがそのための一助になればと願っています。〜

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