原子力委員会への手紙
原子力委員会 担当者様
3月19日に、木元教子氏より面会の申し入れがありましたが、木元教子様に二枚目以下の文章をお伝え頂きたく、宜しくお願い申し上げます。
なお、この文章は木元氏に宛てたものではありますが、原子力委員会の皆様に宛てたものであり、関係の皆様にもご理解頂きたいと存じます。
早い方がいいかと考え、FAXさせて頂きました。
プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク 桑山史子
(2枚目)
木元 教子 様
3月19日のお電話(話し合い)について
御活躍ご多忙の中、先日はお電話をありがとうございました。先般申しましたように、私は市民ネットの代表ではありません。そこで先般申し上げましたとおり、私ごときがひとりで、お話に応じるわけにはいきません。3月20日市民ネットの会議でメンバーは十分な討議を致しました。その結果、木元様のお声がけの話し合いに参加するわけにはいかず、せっかくのお越しに報いられません。別紙にて討議の結果報告をお届けいたします。
市民ネットも私も国内外の原子力情報を市民なりに受け止め、命と自然を守りたい一念で、柏崎から国のエネルギー政策の転換をめざし、発信し続けたいと思います。
2002年3月22日 桑山史子
木元教子氏との話し合いへの参加について
3月19日、木元教子氏より当会桑山史子に電話で申し入れのあった木元氏との話し合いについて、プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワークは以下の理由で参加いたしません。
そもそも、前回の延期された市民参加懇談会の際に、不参加の理由を私たちは文書でご返事申し上げ、いくつかの提案を致しました。しかし、それについては、何の返事も頂いておりません。にもかかわらず、またいきなりの電話で同じような事を言ってくることに、辟易としております。今回の電話についてもいくつかの問題を感じております。
@ 桑山との電話では、他団体には声をかけていないという事でしたが、実際には他のいくつかの団体にも声をかけていることがわかりました。
A 桑山は、木元氏に27日と29日の都合を聞かれ、27日は用事がある、29日の午後6時以降なら私はあいているが、ほかのメンバーはどうかわかりません。と答えたが、誤解されないように、メンバーには木元氏の行動に疑問を持っている人もいるので、明日の会議で一応電話があったことを伝え話しをしてみます。と答えた、ところが、本日私たちが得た情報では、原子力委員会は、桑山史子(プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク)が話し合いに参加し、周辺の何人かに声を掛けて一緒に話を聞いてくれる事になっていると、述べている。
B 桑山との電話では個人的に話したいというようなニュアンスだったが、別情報によれば、原子力委員会の事務局や、他の原子力委員会メンバーを帯同するということである。
当方からの質問や提案への返事はよこさない、電話などで答えた内容は、自分の都合のいいように歪曲して事をすすめる。この姿勢こそが問題なのです。根本的に話し合いをするような真摯な姿勢とは到底思えないのです。これだけでも話し合いをお断りにするに値する訳ですが、私たちとしては、以下のような理由を根本的な問題と考えています。以下、主な点を列挙しますので、良く理解して、当面しつこい勧誘は止めていただきたいと存じます。
しかし、前回の打ち合わせや、市民参加懇談会のお誘いの際にも申し述べたように、私達は国や原子力委員会との話し合いを全く拒否するものではありません。ここに列挙した問題がクリアーされて、(木元さんではなく)原子力委員会の皆様と、真に日本の社会とそこに住む人々の未来のために、前向きに話し合いが出来る日が、いつか来ることを望んでおります。
不参加の理由および原子力委員会との話し合いに参加するための条件
1 住民の意思を尊重すること。
住民はプルサーマルの実施について、はっきりと意思を表示しています。それは、国や東京電力が振りまいているように理解不足に基づく判断ではなく、十分な理解と、隣接地に住む者の直感的な危機感に基づいて下した結論であります。したがって、刈羽村の住民投票をはじめとする住民の意思表示を充分に尊重することが、現状においては全ての前提となります。住民の判断は誤解とデマに踊らされたものだという姿勢では、国や原子力委員会との話し合いなどできる訳がありません。もし、今後市民と公平な話し合いを持ちたいのであれば、住民投票の結果を謙虚に受け止め、その結果を反映した政策に変更した上で、話し合いを求めるのが前提中の前提であります。
2 木元教子氏を含めないこと。
木元氏は電力新聞紙上、いくつかの地方紙、雑誌等で、プルサーマル推進の姿勢を明確にしており、いわゆる反対派に対して、非難を繰り返しています。このような方が、公平に住民の話を聞くとすり寄ってきても、にわかには信じがたいのは説明するまでもありません。私達は、これまでの言動を見てくる中で、木元氏には抜きがたい不信感を持っており、今回の電話から始まった一連のやり取りの中で、更に不信感を強くしました。従って、今後も木元氏が主体となる会に参加することはありません。木元氏抜きで計画を進めることが私達にとってはもうひとつの前提であります。
また、木元氏の子息はこのプルサーマル問題の当事者である東京電力の社員であるとのこと。東京電力の社員家族が、会社と対立している住民の話を公平に聞くといっても、これまた説得力に欠けるものであります。ついでながら、当地域においては、前助役の子息をはじめ、いわゆるプルサーマル推進派の家族が多く東京電力の社員となっています。私たちは、おそらくいずれも優秀なご子息であるが故に、天下の一流企業東京電力に入社されたものと思っておりますが、市民の中にはそれが東京電力の地元対策のひとつであると信じている人も多く、そういう意味からも東電職員家族の主催する市民参加懇談会の公平性に疑いを持つものが多いのが現状です。原子力委員会としても、東京電力と利害関係を持たない方を仲介に探されては如何でしょうか。
3 不合理な宣伝攻勢を中止すること。
刈羽村の住民投票以降、多くの宣伝が雨嵐と行われています。住民投票で結論を出した住民に、“理解”という言葉で“受け入れ”を迫る行為であり、刈羽村ではストーカー的行為だとして非難されている訳です。今回の、性急な市民参加懇談会もその一環であるわけですが、このような活動を休止した上で話し合いを求めるのが筋であると考えます。具体的に以下の活動を停止して頂きたい。(電力会社が行っているものも含む)
○ 子供を発電所内に連れて行く見学行事や発電所内での公開企画(スケッチ大会、つり大会など)中止すること。万一の被曝事故の責任は誰が取るのか?
○ 全国からの原発見学の観光旅行を中止すること。
○ 新聞紙上等でのデマといってもいいような目に余る宣伝を止めること。(例えばウランがリサイクルされるとか、プルサーマルは安全だとか)国際的、科学的に否定されているような稚拙な論理でプルサーマルの必要性を正当化しないこと。科学的な、議論に耐えうる主張は大いに展開されるがよろしいが、プルサーマル推進のためにはいくらでも住民をたぶらかすというような姿勢は止めていただきたい。
○ 刈羽村で行われている戸別訪問を中止すること。親戚関係の濃い地域では、この活動は住民への威圧であり、そう感じている住民は多い。
まだまだ上げればきりがありませんが、総じていえば、刈羽村の住民投票の結果を受けて急に始められたプルサーマル推進のための様々な地元対策をやめて頂きたいということでありあります。
4 話し合いの結果や住民の意思を政策に反映すること。
最後に、上記の点について確約が得られた上で、話し合いのために、もっとも重要だと考えていることは、次の点です。
それは、住民の意見を聞いた上で、その意見が正しく集約され、その意見がエネルギー政策に反映されるという事です。言葉の上の問題ではなく実際に、正しく反映されなければなりません。また、反映されることを保証するために、原子力委員会が実際にどのような方法をとろうとしているのか事前に示す必要があります。
具体的に話し合いを持つ為には、更に細かな点での詳細な準備が必要です。一つ一つの点に、国側の確約が必要です。30年以上にわたって、皆さんが行なってきた原子力行政は、私たちの中に抜きがたい不信感を育んできました。残念ながら、今回の木元氏の言動はますますそれを大きくしました。ことは、木元氏個人だけでなく、原子力委員会全体の問題ではありますが、もはや、木元氏はプルサーマル推進の舞台から静かに降りられることが一番良いのではないかと考える次第です。なお、ネットのメンバーには現状での市民参加懇談会はもちろん、問題だらけの原子力開発を未だに是とする、「原子力委員会自体の不要」を唱える者もいることをご承知おき下さい。原子力委員会には真に国民の要望を受けた計画を策定してはきませんでしたし、それどころか、一方的な現実離れした計画を国民に押し付けています。そういった姿勢の機関が、住民の声を何のために聞き、どう利用するのでしょう。私たちの声は、聞くまでも無く何度も明確にされています。それにまず、きちんと答えてもらいたいと思います。そうでなければ、聞くという姿勢を見せるだけで、懐柔するために行っているとしか思えません。国民の多くは原発の増設などを望んでいません。また、私たちは今の時代直接総理大臣でも外国にでも進言できるので、総理の「諮問」機関としての原子力委員会は不要なのです。
最後になりましたが、市民ネットのこの文章は、木元氏と原子力委員会へのメッセージであることを申し添えます。また、この文章とこれまでの経過は、各マスコミにも配布させていただきます。
2002.3.22 プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク