原発無くても夏場も電気は足りる!?


つくられた今夏の電力危機、原発の再開は必要なかった/市民エネルギー研究所


 4月15日以来、東電の全17原発(約1700万キロワット)が止まっています。しかし、これまで全く停電は起きていません。そして、東電の「当面の需給見通しと対策について」(PDF 25.5KB)によると、夏場に最大950万キロワットが不足するとのことです・・。

 しかし、あの嘘つき東電の言うことです・・、本当でしょうか?東電は3月も危ないと言っていましたが大丈夫でした。下記にまとめた資料は、夏場の停電?関連情報の一部ですが、停電の可能性は低いし対応策もいろいろありそうです。

2002年東電の夏期の「各日最大電力」
※上図は東井氏提供;東電の最大供給力は約5800万キロワット(緊急時対応の供給を実施した場合)

 何より、この事実上「脱原発」の状態を契機に、「休炉」から本当の脱原発の実現、そして自然エネルギーへの転換を果たしたいものです。


東京電力の全原発が停止−低エネルギー消費の社会へ舵を取る好機に−

 ※原子力資料情報室よりの情報(「関東大停電はくるのか」「市民のエネルギーシナリオ2050」講演会資料と、「関東大停電はくるのか」のビデオ記録がダウンロード可)


◇ 一年の間、ほんの僅かの時間(1〜2%)のために原発がある!

 4月17日、市民の質問に東電が答えたところ、昨年の電力消費が、供給力(東電が今夏の最大供給能力とする5,500万kw)をうわまわったのは、1年間8760時間のうち、「141時間」だったとのこと。7月〜8月の21日間の間でです。
 つまり、わずか年間の時間でたったの「約1.6%」のために、問題だらけの原発を17基も擁しているのです。
 未解決の人類の難問の「核のゴミ」を発生させ、国を滅ぼすほどの放射能災害を心配しなければならない原発をです。「約1.6%」の電力突出を平準化してピークをカットするか、その時は必ず発電する、太陽光発電などで供給する方が、安定確実な電力供給のためにも良いと思われます。

 また、4月30日、日刊工業新聞に、「首都圏停電!?経済損失は3兆2800億円電中研が試算」という見出しがフロントページに、後の1面には「避けろ首都圏停電 頼みは原発早期稼働」とあったそうです。
 電中研のホームページにはまだこの報告はあがっていないようですが、「過大評価」と思われます。
 供給支障時間の試算が6月26時間、7月144時間、8月142時間、9月77時間になっているそうですが、猛暑だった昨年で供給力5,500万kwを超えたのは、年間通して144時間だけだったからです。

 また、「日本発次世代エネルギー 挑戦する技術者たち」の本の中には、電力自由化の文脈の中で、「日本総研の岩崎友彦によれば、全国の業務用ビルには常用電源と同等の性能を持つ非常用の自家発電装置があり、その容量は大型原発の五〜六基分に相当するという。岩崎が「退蔵電源」と呼ぶこの電源の中には、導入後二〇年間で一度も使用されていないケースもある。分散型電源として常時使用すれば、ピーク時の対応にも大きな価値があるだろう」P.288という文言があるそうです。
 東電は夏場ピーク時、これら自家発電での発電をお願いして、まだ余るようなら東電が買い取れば良いのです。


◇関係資料・ホームページなど

「原発運転再開問題」に関するアンケート結果
※4月21日掲載、柏崎日報社の市議会議員候補者へのアンケート結果

大停電?それとも脱原発!?(PDF 313KB)
※提供;松丸健二/核燃やめておいしいごはん

電力自由化の大動脈は閉塞中
※電力各社の供給計画によると、東京電力以外の各社の休廃止火力(石油火力発電所の余剰発電能力)は膨大です。約700万kWもの休廃止火力発電所を活用して、東京電力の不足分の電力を賄えないのでしょうか・・。

日経ビジネス「ビジネス世論調査」2003.04.09
※電力不足問題に関する世論調査結果のまとめ。当面の電力不足への対応については「国民や企業が節電を徹底する」(69.5%)を挙げた回答者が圧倒的に多かった・・。

民生部門の省電力の可能性と電気事業の役割(PDF 172KB)
※京大の先生による分析、需要を下げピークをカットし平準化した方が、事業者にも有利である・・


◇各種催し

5/18・原発発運転再開反対集会

 柏崎原発反対地元3団体などは、東京電力・柏崎刈羽原発の運転再開に反対する集会を、5月18日午後1時半から柏崎市民プラザで開く。自然エネルギーの研究を進める「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長が講演。終了後、市内をデモ行進し、運転再開反対や徹底した点検の実施を訴える(新潟日報記事より)。

5/12・「柏崎刈羽原発の透明性を確保する地域の会(地域の会)」

 東京電力・柏崎刈羽原発のトラブル隠しの再発防止対策として県、柏崎市、刈羽刈羽村、西山町が設置する住民原発監視組織「柏崎刈羽原発の透明性を確保する地域の会(地域の会)」の初会合が、5月12日午後6時半から、柏崎商工会議所で開かれることが決まった。
 初会合には、西川正純市長、品田宏夫村長、三富利郎町長が出席。武黒一郎同原発所長も同席の予定。18日の予備会議で会員から「会の原点はトラブル隠し。初会合では東電からの説明を受けたい」との声が上がっており、初回は同原発の点検状況の説明が行われる見通しだ(新潟日報記事より)。

6/8・シンポジウムのご案内

「首都圏大停電は」は本当?数字にごまかしはないか 東電原発停止と首都圏の電力問題
−冷静にことの発端(データ改ざん)から 現状の分析、今後の在り方を考える−

 新聞・テレビでは「夏に首都圏が大停電する。故に原発再開を」(電力中央研究所)と報道されています。でも本当だろうか。数字のごまかしはないのか(データ改ざんの前歴あり)、原発を再開したいがための話ではないか。
 そもそも東電の不祥事が発端で起こった事柄であり、責任をとるべきは東電であって、そのツケを消費者へ払わさせるのはおかしい。冷静に、原発現地の声も聞きつつ、現状分析と今後を考えるシンポジウムです。ぜひご参加ください。

日 時:6月8日(日)午後1〜5時

会 場:神保町区民館(ひまわり館)

  パネラー:小泉 好延(市民エネルギー研究所)
       安藤多恵子(市民エネルギー研究所)
       山崎 久隆(たんぽぽ舎運営委員)
       原発現地から(新潟・浜岡)−予定−

  コーディネーター:菅井 益郎(國學院大学教授)
           坂東喜久恵(たんぽぽ舎)

資料代:前売り700円、当日1000円

共催(問い合わせ先) 市民エネルギー研究所 TEL/FAX 03-3273-7317

           たんぽぽ舎
           東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5F
          TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797


◇ 東電が「脱原発」達成!?

〈解説たんぽぽ舎 山崎久隆〉

 4月15日、17基の東京電力の原子力発電所がすべて停止した。この日以降、原発の電気は東電管内では消滅したのである。
 同日、「ストップ・ザ・もんじゅ東京」の呼びかけで、東電本社前にて「祝 ついに達成!原発ゼロ」の行動が行われた。

 停電は起きるのか

 既に原発の停止が決定的になっていた昨年秋より、「首都圏の電気が不足する」というキャンペーンが繰り広げられていた。「3月に大寒波が襲えば停電するかもしれない」「4月に異常高温になると危ない」「5月の連休明けがピンチ」などなど、ようするに毎月何か起きれば危ないといった言い方。そんなことを言い出せば原発があろうと無かろうと危ないといえば危ないのである。

 本命は夏のピークであろうことは、誰にだって分かるのであるが、ここにきて夏のピークを乗り切るには原発10基は稼働させなければならないといった主張が登場する。

 東電が明らかにした夏の電力需要は実に6450万キロワットという巨大なものだった。過去の実績を見ても、2001年の6430万キロワットが最大だから、この水準を前提としている。しかしこの数値自体が異常といえる。

 バブル崩壊以後、電力需要は伸びなくなる。特に93年には前年から390万キロワットもピークが落ちた。94年以降は2000年まで6000万キロワットを下回り続ける。

 この水準であれば、電力不足はほとんど起こらないはずだった。一体何が起きたのか。未だに東電から説明はない。
 東電の設備は、5500万キロワットしかないという。他社からの融通などを総合しても、上乗せできるのは304万キロワットが限界で、合計5804万キロワットを超えると停電の可能性があるというのである。

 だが、実際にはもっと多くの供給力がある。いわば「裏技」があるのである。

 東電の火力設備は約3400万キロワットある。これらを110%の出力で運転できれば自動的に340万キロワットの発電設備が増強されたのと同じ効果がある。

 日本では発電能力がありあまっていたから、そんな運転をすることがないのかも知れないが、恒常的に電力不足に見舞われるインドや中国では、このような運転が行われているのだそうだ。これを「過負荷運転」という。

 定格能力を超える運転は設備に負荷をかけるので寿命が縮まるなどのデメリットは当然あるが、短期的な対策としては有効なのでは無かろうか。

 さらに北からの融通をもっと拡大する方法がある。北海道と本州を結ぶ「北本連系」は60万キロワットを送る能力がある。これをフル活用すれば良い。東電はこのうち30万を使う前提で計画を立てているが、夏の北海道は電力不足になることはない。北海道電力のピークは冬であり、かつその時期でも90万キロワット近くの余力がある。

 また、東北電力とは送電線上で系統の相互融通を行っており、東北から東京に相当量の送電を行うことが可能である。言い換えるならば、東北電力の余剰分を全部東京に送ることも技術的には可能なはずなのだ。

 あとは60サイクル圏からの送電だが、これは現在のところ新信濃と佐久間変換所合わせて90万キロワットとなっている。しかし今年9月に運転開始予定の新しい変換所がある。この設備30万をも前倒して使えるはずである。もう一つの裏技は「60サイクル設備の50サイクル運転」だ。例えば北陸電力管内の水力設備を50サイクル運転で動かすことはできないか。検討の余地はあるはずだ。

 また、マイクロガスタービンを埋め立て地に緊急配備し、発電所とするとか、自家発電システムの余剰分を全部買い上げるとか、一つ一つは大したことが無くても、集まればかなりの効果が期待できるものは他にもあるだろう。

 ところで一つ大きな疑問なのが、東電の側にそういった「必死の努力」の後が見られないことだ。漫然と「停電しないように祈っています」といった他力本願、成り行き任せにしか感じられないのが実態である。

 停電シミュレーション

 例えば「実際に電力不足に見舞われたらどうなるか」と質問をした。

 答えは「電圧降下が始まり、その結果発電所で失調が起き、停止するかもしれません」。

 呆れると言うより情けない思いである。

 発電所失調は最悪の事態である。それだけは避けなければならない。なぜならば、ただでさえ供給力不足に陥っているときに、さらに大型発電所が停止でもしたら、連鎖反応的に大規模停電に見舞われてしまうからである。実際にニューヨーク大停電はそういった連鎖反応の結果だった。

 従って、発電所失調を避けるために変電所の開閉器が作動するようになっている。

 ある変電所の需要側が電力不足に陥っているのに、供給側からの電力不足が発生した場合、その変電所が送電を停止するのである。

 具体例がある。1987年7月23日、神奈川県西部を中心とした一体で、広域停電が発生した。朝から気温が上昇したため、冷房需要が急上昇し、供給側が追いつかなくなったことと、神奈川県西部は東電管内でも発電所に一番遠い地域だったため周波数維持が困難だったことが原因だった。新秦野変電所などが送電を停止したために、その下流域の広域停電となった。

 供給側と需要側のバランスが回復したため、その他の地域では停電にはならなかったが、このような事態になることをあらかじめ想定していなかったため、夜間になり需要が減っても全域の復旧にはかなりの時間がかかった。

 あらかじめ停電を予測して、危険になる前に輪番停電制を行うなど対応を準備しておけば、このようなことにはならないのだ。

 東電はこれを教訓として緊急時の輪番停電制など需給バランスを整える対策を取ったかというと、残念ながらそれとは反対のことを行っている。発電所の増強と、首都圏を周回する大容量送電線を作った。しかしこうやって需要の増大に漫然と設備増強を行うことで、ますます系統を複雑にし、需給バランスの急激な変化をもたらし、事態を危機的にしてしまったのである。

 電力料金の異常さ

 諸外国に比べて日本の電力料金体系は「異常」と言っても良いだろう。夜間の電力は「安く」するものの、日中のピーク電力の価格をそのままにした。実際にはピーク時の発電コストは平常時に対し10倍以上のコストがかかっている。例えば揚水発電所。これは現在では日中のピーク電力にしか稼働していない。年間稼働率が1割を切るということはそういうことだ。しかし建設コストはとてつもないし、破壊する環境も恐ろしい規模になる。これを正当に電力料金に組み入れるならば、日中のピーク電力料金は10倍以上になってしかるべきなのである。

 こういった対応を日頃から行っていれば、ピーク電力対策はもっと本格的に行われていたことは容易に想像できる。

 また、日中のピーク時にこそ発電能力を発揮できる太陽光発電所などは、コストがかかっていても十分費用対効果が上がる方式なのだから、売電単価はそれこそ今の10倍でも良いはずである。

 原発は止まるものである

 東電が日中のピーク時に設備能力不足に陥る結果となった最大の原因は、原発の建てすぎである。柏崎刈羽と福島第一、第二原発あわせて1700万キロワット以上の能力をもっているのだが、最大需要時に原発がないと足りなくなるような設備能力であるという東電の説明自体が、供給義務を確保できない状況をあらかじめ作り出しているということだ。

 今回のような事態がなかったとしても、原発は全部が一気に止まる可能性は常にあった。BWR型原発に共通する欠陥が発見されたら、原発は全部止まってしまうし、福島県または新潟県で大きな地震が発生すれば原発は全停止してしまう。例えば新潟県沖で大きな地震が起きたとしたら、原発が壊れなかったとしても柏崎刈羽原発はすべて止まる。そのとき夏のピークに重なれば、たちまち広域停電を起こしてしまうのである。

 このような不安定電源に大規模に依存していること自体が欠陥であり、このようなことが起こりえることは以前から繰り返し指摘してきたことである。

 原発を動かすために地元を脅迫

 今行われているのは新潟、福島への脅迫である。

 両県が原発の運転再開を認めないから、広域停電が起こる危険性があると、脅迫をしている。

 「安全性は国のお墨付きがある」として、保安院が前面に出て地元に乗り込み、さらに電力危機を煽って、運転再開を認めろと迫る手法が今行われていることのすべてである。

 原発が無くても停電は起こさない。そういう気概が東電にあれば、問題解決は簡単にできる。しかし今行われていることは、「原発がなければ停電する」とう脅しである。

 こんな脅しに屈することはないと、私たち東京圏に住むものが答えを出さねばならない。


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