第1回準備会での質疑及びその後寄せられた意見等に対する行政からの提案(議論のたたき台として)


 テキスト ボックス: 1 行政は「地域の会」に何を期待しているのか。(趣旨・目的)

 

   私たち立地自治体は多様な考えを持たれる住民の皆さんから、発電所に対する意見をいただく機関の設立ができないかと考えてまいりましたが、プルサーマル問題で揺れ動いている最中では提案することができないでおりました。

 今年度に入りましてからは、原子力防災の整備・充実という地域住民の共通の目的を達成するために、発電所に対する意見の異なる方々が同じテーマで議論する場を設けられないか検討してきました。

 今夏には、柏崎市長と刈羽村長がフランスで「発電所地域情報委員会」を見聞してまいりまして、当地で応用できないか事務方に指示を出しておりました。

 8月末に東京電力の不正が発覚し、東京電力は再発防止策として情報公開の一端として「地域情報会議」の設置を提案してきました。これは発電所に係る運営状況や発生したトラブル等について正確な情報を事業者と地域住民が共有し、互いに意思疎通を図ろうとするリスクコミュニケーションの提案です。

 しかし、私たちは東京電力が主体では従来のPA活動、理解活動と大差ないものになる恐れがあるため、行政が主体になり「発電所に批判的考えの人たちを含む住民参加型の会」設立を逆提案しました。

今回の東京電力の不正問題は、技術的に云々ということではなく、「技術的に問題とならないものであれば作業工程を優先してもよいのではないかといった誤った企業倫理観に起因して、報告すべき事を隠したり、検査で不正を働いたものであること」に衝撃を受けました。

 もとより放射能というリスクを有する原子力発電所に係るこのような不正を防止するには「継続的に発電所運営の透明性を高めることを求め、その中身を監視していく必要がある」との認識から、立地自治体として監視体制の強化を図ることとしました。その際、地域住民からも発電所に常にプレッシャーをかけ続けていただくことが再発防止策として最も効果のある方法の一つであり、また地域住民の不安感の軽減に繋がるものと考えられます。

 行政の考える「地域の会」は「地域住民」を代表して、疑念や不安をそのままにせずにこの場でぶつけて説明を受け、意見・提言を行うというかたちでの監視色を強くしたリスクコミュニケーションの形態です。

 

テキスト ボックス: 2 (基本的な考え方に関し)国や東電を最初から信頼していなかった者も多い。

 

 

ご指摘のように今回の問題が発生したということは、真の信頼関係というには不十分であったことが露呈したものと認識しており、その反省に立ち、必要な場合は立地自治体として国、事業者と対峙していく緊張感のある新たな関係を構築していく姿勢を示したものであり、国や事業者の信頼回復をサポートする趣旨ではありません。

 

テキスト ボックス: 3 (基本的な考え方に関し)国の一元管理に対する批判はあった。最初からそれでよしとする訳にはいかない。従前、国は原子力発電の安全性について国が一元的に責任を持つとされていたし、行政はそのように地域に説明してきた。

 

 

 

原子力発電所安全確保上の第一義的責任は当然のことながら施設を所有する事業者にあり、原子力発電の安全性については国が一元的に責任を持つとされてきましたし、そうあるべきであると考えます。

 今回の事件では、国の規制体制が機能しなかった訳で、「基本的な考え方」では、立地自治体として国の体制強化を求めていく姿勢を示しました。

 

テキスト ボックス: 4 安全運転の確保には抵抗がある。趣旨からして監視する地域の会でよいのではないか。補完的な「監視」は主体的に監視、積極的に「監視」、単に「監視」とすべきだ。

 

 

 この考え方に違和感はありません。名称は趣旨等がまとまれば、自ずと見えてくると思います。いい名称を付けていただきたい。

 

テキスト ボックス: 5 今回停止している発電所の運転再開に際しての地元の理解・お墨付きを目指しているのではないか。

 

 

立地自治体として、発電所の運転再開に当たっては、徹底した点検に基づき、厳正で客観的、合理的な安全評価を下すとともに、地域住民に対する明解な説明が必要であると経済産業大臣に要請しているところですが、「地域の会」に説明したから理解を得たということにはならないと考えています。

 そのような考えが見え隠れするようなら、まさに批判されるべきことと思います。

 また、本会は議決機関ではありませんから、例えば運転再開の是非を多数決で決めるようなことは起こらないと思います。

  運転再開に限らず、国、事業者、自治体が「地域の会」の理解を得ようと努力することは自然な姿でありますが、「地域の会」への説明を都合の良い解釈に利用することがないよう「地域の会」としては、機関紙やホームページ上で全ての議論、過程等を住民に公開することにより、地域住民の判断材料を提供することが重要になります。

 

テキスト ボックス: 6 会の目的の2本目の柱に「最適手段での住民への情報提供」とあるが

 

 

 「地域の会」では広く地域住民と一体となった活動、幅広い市民の目線での議論が必要であり、そのために活動状況が広く地域住民に公開されるべきであります。住民の支援を得ることで、より会の効果が上がるものと考えられるからです。

 また、「地域の会」は、多様な考え方を持った方々の集まりになることで会の存在感が高まるものと考えますが、その多様な意見をそのまま地域住民に知ってもらうことにより、メンバーの方々のやりがいも高まってくるものと思います。

 また、前5のAで申しましたことも情報提供の重要な役割です。

 

テキスト ボックス: 7 例えば、シュラウドのひびが発見されたら、「地域の会」で発電を停止せよというようなことをいう権限があるのか。
  会にどういう権限を持たせるのかはっきりさせないとだめだ。

 

 

 

発電所の安全確保の責任は一義的には(施設の所有者である)事業者が持つものであり、国は指導・監督・規制の責任を持つものです。

 「地域の会」は発電所の安全・透明性を監視する活動を行いますが、会自体が発電所の安全確保に責任を負うということではありません。

 したがって「発電所の運転を停めるというような権利」もまた無いといえます。

 しかし、地域の会の活動は全て公開の場で行われますし、その模様は地域住民に情報提供されますので、そこでの意見は尊重されなくてはいけません。意見を反映できない場合の説明責任は相手方(事業者、国、自治体)にあります。そのこともまた、地域住民に情報公開されます。

 会の当初は技術的な問題を処理するのは難しいかも知れません。会独自で専門家を招聘して意見を聞くなどする必要があると思われます。新潟県が設置する予定の「専門家による技術委員会」も利用していただきながら、自らも研鑚していただければと思います。(自治体から押し付けするするつもりはありません。)

 

テキスト ボックス: 8 諸外国の事例などを紹介してそれをベースに議論してはどうか。

 

 

 欧米の事例としては、フランスの「地域情報委員会」、米国の「地域諮問委員会」があります。

 「地域情報委員会」は国の法律により設置が義務付けられた会で、委員の2分の1は議会議員が占めます。(私たちは議員の皆さんは議会の場で活動されることが本旨であると考え、議員の参加は想定しませんでした。)

「地域諮問委員会」は事業者が提唱し地域の団体や住民に呼びかけ設置されます。東京電力が再発防止策として提案した地域情報会議はこの例によります。

 上記の2例の経験において、会を有意義なものとするための重要な要素の一つとして「多様なメンバーの参加」があげられており、したがって、柏崎刈羽における本試みは、その要件を満たすような委員構成を実現しようとするもので、極めて稀有な取り組みであると考えております。

 時間がかかっても、準備会で、あるいは会が設立した後も、この柏崎刈羽方式で多様な立場からの議論を重ね、実績を一つずつ積み重ねていくことが真の目的達成のために必要なことであります。

 

テキスト ボックス: 9 東電がいくら専門的情報を出しても素人がジャッジするのは事実上不可能であり、この会は勉強会に留まるのではないか。自分たちの果たせる役割には限界があるのではないか。

 

 

 

 まず、本会の目的である「安全の確保(監視)」は、国の委員会のような技術的評価を行うというよりも、今回の問題を踏まえて「報告すべきものをしっかり報告しているか」「ごまかしはしていないか」といった仕事のやり方を確認・監視することが主要な機能であると考えています。また、情報や説明を受け身で捉えるのではなく、日頃感じている不安・疑念などを能動的にこの場でぶつけ、それに対して事業者や国・事業者から説明を受けて議論し、必要な意見・提言をしていくことも地域の目線からの確認・監視に繋がるものであります。

 その中で、発電所のトラブルなどに関しては一定の技術的理解が必要な場面もありますので、国や事業者には、単に情報を出すということではなく、一般の住民にも分かるような説明をするよう要請しています。分からないのは一般住民に非があるのでなく、説明者側にあると言え、理解されてはじめて説明責任を果たしたことになります。

 「地域の会」では住民の目線での「素朴な疑問」に期待するもので、学者のような議論を望んでいるわけではありません。品質保証システムなど、今回の不正の原因となった組織の仕組みからチェックしていくことが有効と思います。

 発電所に批判的な活動をされてきた方々は、発電所の知識も深く、監視のポイントを押さえる技術もお持ちと思いますので、その面で会をリードしていただけるものと期待していますし、専門家の話を聞くことも理解を助けることになります。

 委員となられた方には基礎的技術の勉強をしていただく機会を設けたいと思います。

 前述の説明に関して、以下事例をいくつか示します。

《事例1》

○ シュラウド検査漏れ

<経緯>

 14年9月、2号機中間停止中にシュラウドを点検したところH6aという外側溶接線の下側にひびの兆候が確認された。(後日ひびと確認)

 この個所は平成13年1月に検査したとき(第8回定期検査)には、異状が見られなかったとの説明を受けていたので、「1年半位の期間でもシュラウドにひび割れが起こるものか」疑問に思い確認させたところ、受託業者であるGE社の点検漏れが分かった。

 発電所技術者にはGE社(受託者)が点検項目を見落とすはずがないとの思い込みがあり、当時何ら疑問を持たなかったことが要因としてあげられる。このような実態に対しては、むしろ素人の素朴な疑問が監視効果を上げる。

《事例2》

○ 消防車の誘導

<経過>

 14年12月夜間、5号機管理区域内で火災報知器が作動。119番通報を受けた消防車(第2隊)が5号機前に到着したが、案内がいなかったためしばらく建物内に入ることができなかった。

 建屋内での消火に消防車は必ずしも必要としないものであるが、発電所の夜間体制について、東電・消防署間で協議中である。

 このような体制・システムの点検はもとより、様々な事象に関して品質保証システムの点検を行うことは安全確保に必要な事柄であり、この辺は技術的に素人である住民にも十分可能であり、素人故の発想が貴重であると考えられる。

《事例3》

 その他各種データや業務実態の確認

 放射線モニター実績の確認(リアルデータは公開されており、対象とすべき期間の実績をまとめて報告を受ける)

→異常なデータの変動はないか、データが正しく採取されそのデータが改竄される余地がないかなどを確認する

 運転員、点検員の作業内容の確認(実際に現場で確認)

→どのような機器をどのように確認しているか、その結果報告は確実になされているか、それによって重大なトラブル防止が担保されているかなどを確認する

 運転中または点検中に確認された「是正・補修を要する事象」発生と対策実施の報告(例えば当該月の総件数や内容など、軽微なものも含めて報告を受ける。必要により実際の帳票を確認する。)

→日々発電所でどのような事象が確認されているか、それがきちんと報告され、是正措置が講じられているかなどを確認する

C「隠す」「ごまかす」を防止するためのチェック体制の確認

→再発防止策として掲げられた対策が取られているか、目的どおりに機能しているかなどを確認

 

テキスト ボックス: 10 いろんな考え方、特に発電所の存在そのものに対して全く異なる意見を持つ者が寄って好きなことを言い合ったのでは会が成り立たないのではないか。
多数決で決めていくとしたら、数の多い勢力が有利になる。(会のルール)

 

 

 

 多様な考え方の方々の集まりになりますので、メンバー同士の信頼が大切になります。お互いを尊重するという気持ちで意見を交わす過程で相互理解を深めることが必要ですが、必ずしも意見を一つにまとめる必要はないものと思われます。幅広い意見を有する地域住民を代表する形で素直に議論していただくことが重要と考えます。

 また、それらの過程をそのまま市民に情報提供することが透明性を増すことにつながると考えられます。

 意見をまとめる必要がある場合とは、例えば「研修の講師に誰を呼ぶか」というようなことが想定されますが、相互理解のルールの中で解決できるものと思います。

 メンバーの原子力発電所に対する知識の度合いも千差万別と思われますが、そうした中での「素朴な疑問」こそが意味あるものと考えます。

 意見交換の過程で、自分自身の主体的な判断で自分の態度を決定できるよう、原子力発電の知識を身に付けていただく必要もあるかと思いますので、研修の場も設けていくとよいと思います。

 「地域の会」は発電所の安全・管理の状況監視を目的とするものでありますから、原子力発電所を推進する活動、否定する活動は、会の外でしていただくというルールが不可欠です。

 発電所そのものに対する意見の異なる方々も、今回の東京電力の不正を受け、「発電所の安全・透明性監視」が必要ということでは、同じ思いをお持ちなのではないでしょうか。あるいは、お持ちいただけるのではないでしょうか。

 

テキスト ボックス: 11 防災のことも対象になりますか。

 

 

 行政が行う原子力防災計画や訓練についてもご意見をいただきたいと思います。

 

テキスト ボックス: 12 地域の会の中に住民が自由に意見を言える、受け付けてくれる、声を聞いてくれる部署を作って欲しい。
 

 

 

 地域の会のメンバーは、当面〔行政(担当:柏崎市)がお手伝いできる規模からすると〕20人から25人位でお願いできればと思っています。

 会が成熟する過程で、委員の数も検討していっていただきたいと思います。

 地域住民の方の参加があれば、地域の会の存在意義が増すことになります。

 インターネット上にチャットルームを設けることも一つの方法かと思います。

地域の会と地域住民が双方向に情報交換できる場を考えていきましょう。

 

テキスト ボックス: 13 「地域の会」と「情報共有会議」の関係は

 

 

 「情報共有会議」は「地域の会」のメンバーが事業者、国、自治体に意見や提言を行い説明を受ける公式の場として設定します。事業者は所長・副所長クラス、国は柏崎刈羽地区の事務所長、自治体は部課長クラスが通常出席しますが、必要に応じ本社、本庁、首長等が出席します。

 「地域の会」はいつでも事業者等から説明を受け意見を述べることが出来ますが、それらとは別に年2回程度、公式の「情報共有会議」を持つという考え方です。「地域の会」のメンバーに達成感が生まれると考えられます。

 

テキスト ボックス: 14 東京電力、国、自治体はどこまで情報公開するのですか。

 

 

 今回、行政が呼びかけました主目的は「発電所の透明性の確保」です。

 したがって、会の成否の鍵は「情報の公開がどこまで担保されるか」にかかっているといえます。

 東京電力は、個人情報や核物質防護、核不拡散に関する情報、企業秘密に属する情報以外は全て公開する姿勢を示していますし、「地域の会」メンバーには発電所内のフリーアクセスと企業秘密に属する部分についても、極力閲覧に応じる姿勢を示しています。

 (私たちは情報開示は全ての住民、団体に等しく開示されるべきと考えていますが、発電所内のフリーアクセスや企業秘密に属する部分の閲覧は、「地域の会」を窓口とする等の一定の条件が付くのは発電所の防護や企業競争を考慮すると、やむを得ないと考えます。)

 しかし、何が企業秘密なのかはこの会において厳しくチェックしていくべきと考えています。

 私たちは、今回の一連の不正事件で最も問われるべきは国の規制体制であると考えています。当然、国の規制活動も透明性が求められるものであります。

 先般(12月17日)、柏崎市長、刈羽村村長が平沼経済産業大臣に今回の事件に関し要望を行った際に、「地域の会」、「地域情報共有会議」に積極的に協力するよう申してきたところです。(今後、保安検査官と発電所とのミーティングを「地域の会」に公開するよう求めてまいります。)

 また、私ども自治体についても、今回批判の声が上がっていることは承知しております。自治体の監視活動や防災活動について、忌憚のないご意見をいただきたいと思っています

 

テキスト ボックス: 15 東京電力は今までのような団体からの抗議を受け付けなくなるのではないか。

 

 

「地域の会」からはあくまで「発電所の透明性の確保」にポイントを絞った活動をお願いするものであり、そこで得られた情報は地域住民に全て提供するものであり、その情報をもとに、この場とは別のところで原子力発電所の推進活動や反対運動をするのは自由です。

 いわゆる反対派の方々が発電所での抗議活動の中で、発電所の新しい情報を引き出してきたということは周知の事実でありますので、発電所も真摯に対応するものと思います。

 

テキスト ボックス: 16 会の運営費はどこからでるのか。

 

 

原子力発電所の安全については、国と事業者が責任を持つべきものであるから、国と事業者から応分の負担をしていただきたいと考えています。

 東京電力に負担させることに対しては、違和感を覚える向きもあろうかと思いますが、国も自治体も意見をいただく立場であり理屈としては同じことと考えられますが、(東京電力の負担に)固執するつもりはありません。

 

テキスト ボックス: 17 事務局はどこがするのか。

 

 

 柏崎刈羽原子力広報センターに、自治体から事務を委託したいと考えています。広報センターの今の陣容でこなせるかどうか、もう少し検討したいと思っていますが、事務量しだいでは増員も必要かと思っています。

 また、必要により事務局に行政、事業者のスタッフが参画することも考えていますが、むしろ将来的には会のメンバーが事務局を運営するようになることも、望ましいあり方ではないでしょうか。


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