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使用済み核燃料輸送容器 検査データ改ざん
 日本原子力発電(本社東京)と子会社の原電工事(同)から東京電力に7日までに入った連絡によると、同社柏崎刈羽原発で使用済み核燃料を構内輸送した時に使ったキャスクと呼ばれる容器の製造過程で、放射線遮へい材の検査データに一部改ざんがあったことが分かった。東電は輸送時の放射線量に問題はなかったとしているが、原子力業界では昨年、配管溶接データ改ざんが発覚しているだけに、それに続く今回の不祥事は原子力に対する信頼低下に拍車をかけることになりそうだ。

 データ改ざんは、製品を造る前の試作模型の検査で行われていた。東電が調べたところでは、水素とホウ素(ボロン)を混ぜた中性子遮へい材の樹脂を充てんして検査した際、ホウ素濃度が基準値0.909%に対し最も低い個所で0.841%だったにもかかわらず、施工を担当した原電工事が検査会社の日本油脂(本社東京)に指示して、基準値以上に書類を書き換えていた。

 原電工事が施工・検査にかかわったキャスクは、東電では柏崎刈羽原発に2基、福島第一原発に6基あり、柏崎刈羽は今年6月から7月にかけて1号機(沸騰水型、出力百10万キロワット)の使用済み燃料152体を4回にわたって6号機に号機間移送した時に使っている。

 また今月初め、福島第二原発から青森県六ケ所村に使用済み燃料を初搬入した時のキャスクも該当するという。

 柏崎で使ったキャスクは、東電が英国の核燃料会社からリースを受けている。炭素鋼製で、長さ約6メートル、直径2.5メートル、重さ100トン。38体の燃料を収納できる。昨年から今年春にかけて神戸製鋼が製造。中性子遮へい材の施工を原電工事が行い、平成8年前半に兵庫県高砂市にある神戸製鋼工場で検査を実施した。

 7日夜に記者会見した柏崎刈羽原発では、「ホウ素の分量が正しくても濃度にばらつきがあったことも考えられる」「多少の濃度の差は遮へい能力に影響しない」としながらも、「このようなことは誠に残念」と述べた。

 号機間移送時の放射線測定では、キャスク表面は制限値の約250分の1、周辺1メートルで40分の1だったという。キャスクの遮へい材のホウ素分量も基準値を満たしていることを確認したとしているが、製品のキャスクは壊さないと濃度を調べられないため、確認はあくまでも製造データによるものだ。このことについては東電も「データを信じるしかない」と述べるにとどまった。

(1998/10/ 8)

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