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プルサ−マル 市会討論は平行線
 市議会の総務企画常任委員会は10日、東京電力柏崎刈羽原発のプルサーマル(軽水炉のプルトニウム利用)計画をめぐる委員協議会を市役所で開いた。この問題で初めて議員同士が討論したが、容認・反対の意見がぶつかり、平行線をたどった。会は一般にも公開され、傍聴議員のほか、市、県の担当者、東京電力、市民ら約20人が傍聴した。

 この協議会は、プルサーマルに対する議会内の議論が見えないという批判から、9月の委員会で開催に合意していた。冒頭、各会派の委員が考え方を述べ、今回の意見交換を提案した桜井雅浩氏(整風会)は「会派内の大半は基本的には国を信じ、容認すべきだろうとの意見だった」とした。2000年の導入については、独立した国の安全審査機関の新設など「国の責務が担保されることが前提」と付け加えた。

 矢部忠夫氏(社会クラブ)は、MOX(ウラン・プルトニウムの混合酸化物)燃料の安全性、核燃料サイクルの検証など7項目を議論の柱とし、「今、2000年導入とする時期ではない。延期してもいい」と反対を主張した。真貝維義氏(公明)は「国がバックエンド(最終処分)対策などを具体的に示さないなら導入すべきでない」、村山史彦氏(共産党)は「市長の判断で3月に回答を出すのは、市民感情に配慮のない姿勢だ」と批判した。

 一方、小池寛氏(朋友会)は「小資源国としてウランの再処理をやっていかねばならないのではと話し合っている」、委員長の高橋照男氏(市民クラブ)は「会派の統一見解は出してないが、容認の形で議論が行われている。個人的には原子力行政について100%の信頼には欠けるという気持ちだ」と述べた。

 その後の議論では、核燃料サイクル、3県知事提言、バックエンド対策なども含めてやりとりが行われた。ここでは、桜井氏が国産エネルギーであるプルトニウムを使うことの意義を強調し、「核燃料サイクルは六ケ所村への使用済み燃料搬入で大きく前進した」と主張したのに対し、矢部氏が放射能の危険性を指摘しながら「バックエンド対策が解決されておらず、サイクルを信じる担保がない」と反論。また村山氏も「プルサーマルはむだが多く、危険性が大きい」とするなど、姿勢の違いがより具体的・明確になった。

 最後に今回の議論についての感想を述べ、「話し合ったことは意義があったが、問題はこれからだ」という意見がある一方、「議論は出つくした」との見方も出た。また「国が見えてこないことは不満だ」という声も聞かれた。

 高橋委員長は「次回は住民投票について議論の要望がある」として、今後も話し合いの場を設ける考えを示した。

(1998/11/11)

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