PHOTOニュース

新緑の園内で、白い花をつけた「なんじゃもんじゃ」の木=17日、市内新道の飯塚邸 (2022/05/19)


市内18店舗・22講座が開設される「まちゼミ」のリーフレット (2022/05/18)


探鳥会で双眼鏡をのぞき、野鳥の姿を確認する鯖石小児童たち=13日 (2022/05/17)

>>過去記事一覧
監禁事件の捜査大詰め

 三条市で平成2年に行方不明となった女性(19)=当時小学校4年生=が、今年1月28日、柏崎市内で9年2カ月ぶりに保護された誘拐監禁事件は、発見から10日が経過した。警察の捜査は、女性を監禁していた市内四谷一の男性(37)宅の状況や押収物の調べなどから、略取誘拐・監禁両容疑での立件に向けて大詰めを迎えたと見られる。女性が発見された経過、男性をめぐる家庭内の事情などはしだいに明らかになりつつあるが、この異常な事件はなぜ起き、どうして10年近くもの間発覚しなかっ たのかなぞは依然として多い。今後、事件の核心はどこまで解明されていくのだろうか。

○車中で事情語った女性

 女性は、柏崎市街地の、しかも市民が多く利用する公園近くに住む男性の家で、突然発見された。ここに至るまでには、男性の暴力などに苦慮した母親(73)が関係機関を訪れていたという経緯があった。

 母親は平成8年1月19日、男性の家庭内暴力や精神的な混乱について柏崎保健所に相談を持ちかけ、男性はその後、病院へも通院していた。外来診察で男性は治療に激しく抵抗し、看護婦がはね飛ばされることもあった。その後、母親から保健所への連絡はなかったが、今年1月12日に母親は2回目の相談に訪れた。保健所では、男性の状況を知る必要があるとして、19日に保健所と市の職員が男性宅を訪問したが、男性には会えなかった。

 28日午後、医師を含む病院関係者、保健所、市の職員の7人が再度、男性宅を訪門。母親とともに二階に上がって見知らぬ女性がいるのを発見し、警察に通報した。関係者は女性を1人にしておくわけにもいかず、母親、男性とは別の車で病院に向かった。この車中で、女性は自分の名前や男性宅にいた事情を話し始めたため、病院で再び警察に連絡。三条市で行方不明となっていた女性であることが確認された。

○50キロつなぐ事件のカギ

 女性が姿を消した平成2年11月13日当時の男性の行動は不明だ。ただ、この日は新潟競馬場でレースが開催され、三条競馬場でも馬券が発売されていた。競馬に熱中していた男性と三条とのつながりは浮かび上がっている。

 男性は前年の6月に柏崎市内で、学校帰りの少女を空き地に連れ込み、逮捕されている。三条で男性はどうして現場付近にいたのか、偶然に1人で歩いている少女を見つけたのだろうか。三条と自宅とは50kmも離れており、最初から誘拐を目的にしていたのか、なぜ自宅に連れてきて監禁したのかも分かっていない。

 女性が監禁されていた9年2カ月間、男性と同居していた母親が2階にいた女性の存在に気づかなかったのかという疑問も当初から指摘されている。女性、母親ともに1月28日に「初めて会った」と話している。しかし一軒の家の中で、誰かが2階にいるらしいと感じたことがなかったのは不自然だ。母親の認識、関与の有無は捜査のポイントの1つと思われる。

○男性と母親、強い印象も

 男性は母親の陰で目立たない存在だったが、母子を知る人には2人は強い印象を残した。

 昭和57年、母子は2人で市内の車展示場を訪れ、カタログからセダン車を男性名義で購入した。アルミホイールが写真と違っていたため、店はホイールを取り替えたが、母親は全額を支払っているのに「息子がいやだというので、置かせてもらえないか」と引き取らず、最終的に中古車業者に売却した。担当した元社員は「代金は支払い、新車は引き取らない。あんな客はいない」と振り返る。

 また、平成2年11月、三条市で女性が行方不明になった当時、男性が乗っていた紺のクーペは人気車種。走行距離が1万kmにも達しないまま、翌年車検が切れて、自宅近くの駐車場に止めたままだった。平成4年ごろまでに母親が市内の中古車業者に売却した。

 5、6年前、自宅で馬券が購入できるシステムを導入するまで、母親は男性のために毎週、馬券を買いに車で新潟、三条に行った。市内のコンビニエンスストアでは、競馬雑誌のページの角が折れているだけで、母親が息子が怖いと交換を頼みに来た。また、書店には、車、芸能、若者向け写真雑誌などを買いに来た。母親が、袋詰めした複数の雑誌をていねいに扱う様子などから、店は「息子さんへの差し入れ」のような印象をもったと言う。

○監禁の証拠、十分整う

 三条署の捜査本部は1月29日以来、男性住宅の徹底した捜索を進め、女性が行方不明になった際に持っていたランドセルなどをすでに押収しており、監禁の証拠は十分に整えたと見られる。

 男性は現在も精神的に不安定で、入院して医師の治療を受けている。警察は男性の事情聴取をしていないとする。しかし県警では、証拠や現場の状況、女性の証言などから「略取誘拐・逮捕監禁」は立件できるものと見ている。男性が犯行当時や近年、車を運転していたことなどで、「刑事責任を問える精神状態」との判断を強めている模様だ。医師の判断・許可が得られれば、事情聴取や逮捕に踏み切り、全容の解明を進めていくことが予想される。

(2000/ 2/ 7)

※柏崎日報社掲載の記事・写真は一切の無断転載を禁じます。


すべての著作権は柏崎日報社および情報提供者に帰属します。新聞記事・写真など、柏崎日報社の著作物を転載、利用するには、原則として当社の許諾を事前に得ていただくことが必要です。掲載についてのお問い合わせは、お電話 0257-22-3121 までご連絡ください。