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柏工機械部が身障者のために自動画板

 交通事故の後遺障害から、絵筆を口にくわえて水彩画を描く身障者の創作にひと役かいたいと、柏工機械部の教師・生徒が、画板の位置、角度を調節できる「自動画板」と画架の製作に取り組んでいる。

 水彩画を描いているのは、西蒲巻町の岡村佐久一さん(43)。空手2段の選手だったが、平成6年、交通事故でけい椎を折る大けがを負い、手足の自由を失った。2年6カ月の入院生活中、筆をくわえて字を書くようになり、4年前から絵筆をくわえ水彩画を描き始めた。退院後も自宅でかき続け、今では40点近くに上る。

 岡村さんの小中学校の同級生で巻町の山下一興さん(43)が、藤田信雄・柏工校長の巻工時代の教え子だったことから、自在に動く画板の相談が昨年もちかけられた。ロボット製作などで活躍している田中秀和教諭(30)=電子機械科=を中心に、機械 部の1年生7人が取り組むことになり、活動の合間をぬってほぼ1年がかりで試作した。

 自動画板と画架は、ロボット製作で集めた部材や古い製図板などを活用。構造、安定性など試行錯誤を重ねた。30日には本人が車いすで来校し、スイッチ操作、スケッチブックの荷重などを試し、要望に応じ形状を含め改善点を洗い出した。画板は電 池で駆動。口にくわえた棒でスイッチを押し、上下、左右の位置、角度が調節できる。筆、パレット置き場も取り付け、できれば4月中の完成を目指す。

 駆動部分にかかわった梅沢翔君(16)は、「画板の角度をスムーズに動かすよう考えた」という。ロボット製作の取り組みが形を変えて役立ち、実用への工夫を学んだ。田中教諭は「道具の扱い方から覚えた生徒が、部材選びで知恵を絞るほどに成長した」と話す。

 岡村さんは「絶望から抜けた気持ちと、事故後も変わらず接してくれる仲間がいて、リハビリ以外何もしない自分にふがいなさを感じた」と創作のきっかけを振り返り、「(自動画板ができたら)大きな作品にも挑戦してみたい」と話した。巻町、新潟市などに続き、5月には上越市で作品展が開かれるという。

(2000/ 4/ 3)

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