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女性監禁事件の佐藤被告 23日初公判

 三条市の女性(19)が柏崎市内に9年2カ月間監禁されていた事件で、略取・逮捕監禁致傷の罪で起訴されている柏崎市四谷一、無職・佐藤宣行被告(37)の初公判が23日午後2時半から新潟地方裁判所で開かれる。被告は逮捕後の取り調べで、女性を長期にわたって拘束し続けたことは認めているものの、謝罪の言葉は聞かれないとされる。どのような心理で監禁を続けていたかなど、犯罪史上例がないとされる未成年者の長期監禁事件はいよいよ法廷の場で全容が明らかにされ、裁かれることになる。また被告が逮捕前、精神的に混乱し入院していたことから、弁護側が精神鑑定を求めるかどうかも注目される。

 起訴状によると、佐藤被告は平成2年11月13日午後5時ごろ、三条市内の路上で、下校途中の女性(当時九歳・小学4年生)を見つけ、ナイフを胸に突きつけて脅し、車のトランクに押し込め、そのまま柏崎市内の自宅2階洋間に閉じ込めた。

 被告は女性に対し「この部屋から出られないぞ」「おれのいうことを絶対に守れ」などと繰り返し脅し、女性の腹部にナイフを突きつけたり、スタンガン(高電圧銃)を押し当てて放電したり、握りこぶしで顔を殴るなどの暴行を加えた。女性は両足の筋力が著しく低下するほどの大きな傷害を負った。今年1月28日、精神的に混乱した被告を入院させるため、市内の病院や柏崎保健所などの係員が被告の自宅を訪れ、女性を発見。被告は2月11日、三条署の捜査本部に逮捕された。

 事件発覚後、佐藤被告が62歳の父親と35歳の母親との間に生まれて育った家庭環境や、人付き合いがなかったこと、極度に神経質な性格などが次々と明らかになった。取り調べに対し、女性への謝罪や反省の言葉はなく、「あのころは良かった、楽しかった」など、精神的に大人になりきれていないと思わせる一面や、自分自身の世界に浸っている様子も見られるという。

 最近、未成年者を取り巻く複雑・多様な問題が社会の大きな課題としてクローズアップされ、さらに未成年者による凶悪で理由のはっきりしない事件が多発している現状から、37歳の被告の生い立ちや環境、社会とのかかわりが事件にどう影響しているかも解明が待たれる。

 一方、新潟地方検察庁では被害女性への配慮から、女性の負った心の傷についての立件を見送った経緯があり、裁判所が公判上必要な女性の証言などをどのようにして求めるのか、また女性の受けた精神的な苦痛を斟酌(しんしゃく)して判断の材料とするかどうかも焦点として挙げられそうだ。

 この事件は柏崎が監禁の舞台となったことで、市民に大きな衝撃を与え、個人のプライバシーと社会との関係、警察や行政機関、医療機関との連携など多くの課題を投げかけた。また警察の初動捜査ミス、対応のまずさが明らかになり、女性救出時の県警幹部の不祥事も発覚し、国会で議論が交わされるなど、大きな社会問題となった。

(2000/ 5/20)

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