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監禁事件初公判 佐藤被告が起訴事実認める

 三条市の女性(19)が柏崎市内で9年2カ月にわたって監禁されていた事件で、略取・逮捕監禁致傷の罪に問われている柏崎市四谷一、無職・佐藤宣行被告(37)の初公判が23日午後、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれた。佐藤被告は起訴事実についてほぼ認めた。弁護側も事実関係は争わない方針を示したが、被告が極度の潔癖症などであることから精神鑑定を申請。被告の責任能力が公判の焦点となることが強まった。また略取については時効が成立していると主張した。

 検察側は、女性の負った心の傷については被害者を保護して公判を進めることを目的に傷害の立件を見送ったが、冒頭陳述などでは、女性が現在もカウンセリングを受けるなど心理的に大きな打撃を受けていることを明らかにした。公判は二時間半に及び、検察側が監禁時の様子などを詳細に述べ、改めて女性が苦痛に耐えた9年2カ月の重みが法廷内を包み込んだ。

 佐藤被告は罪状認否で、起訴状にあった「(連れ去るため車に乗せる際)『抱きかかえて』とありますが、それは『手を引いて』の間違いです」と、ややかん高い声で訂正したが、「それ以外は間違いありません」と起訴事実をほぼ認めた。

 冒頭陳述などによると、被告は女性を自宅2階に連れ込んでから両足を粘着テープで縛り、「誘拐され殺された女の子のようになりたいか」など脅迫と暴行を繰り返し、女性が逃げようとする意思を喪失させた。さらに女性の行動範囲を限定し、食事も1 日にコンビニエンスストアの弁当一つなどしか与えないなどして脱出を妨げ、両足の筋力低下や鉄欠乏性貧血など回復期間不明の傷害を与えた。

 検察側はさらに被告の供述調書や女性やその両親、発見時の関係者らの調書を朗読して監禁の実態を明らかにし、証拠として、女性に突きつけたナイフや食事を運んだ際の半透明の小さなガラス容器、女性がくるまっていた毛布などを提出。検察官は、実際に脅迫に使われていたスタンガン(高電圧銃)のスイッチを法廷内で入れ、青い稲妻と同時にパチンパチンという音が響いた。被告は「買ったのは母です」と述べた。

 佐藤被告は公判中、ほとんど表情を変えずに調書などを朗読する検察官を見つめたまま。供述調書の中では「(逮捕されたことで)監禁のつらさが分かった。大変申し訳ない。ひどい人間だった」「悪いことをしても警察に見つからなければいいと思っていた。被害者のことを考えず、自分中心だった」としているが、公判の場では被害者への謝罪などの言葉はなかった。

 検察側は被告の簡易鑑定の結果から「特別なことは認められない」としたが、弁護側は、被告の生い立ちについて、父親が高齢でかなりの潔癖症だったことなどに触れ、被告自身がトイレを使用できないこと、壁に触れた衣類は虫がついているとして捨てていたこと、その半面、悪臭の中で違和感なく生活していたことなどを列挙して「病的一面がある。正常なものではない」と精神鑑定を申請。さらに監禁や暴行の程度が九年間均一ではなく、かぎをかけていなかったなど緩やかな面もあったことを主張。母親の証人出廷も求めた。

 次回の公判は6月27日午後1時15分から被告人質問を中心に行われる。

(2000/ 5/24)

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