5 突発性発疹

突発性発疹が赤ちゃんの始めてのお熱のことが多いですね。昔、知恵熱と言われた発熱は、初めて歯の生える時に出ると今では考えられております。これは微熱で済みますが、突発性発疹は、とんでもない高熱を3〜4日出される赤ちゃんがおります。40℃以上の発熱も稀ではなく、親はびっくりしてしまいますね。突発性発疹は、ヘルペスウイルス6型・7型のウイルスが原因と判りましたが、実際には色々なウイルスで生じ、例えば下痢が主体のロタウイルスでも生じることもあります。またエコー18型ウイルス・コクサッキーB5型ウイルスが原因の時もありますので、突発性発疹を2回する方もおられます。突発性発疹が、赤ちゃんにとって始めての熱の時は、お医者さんも診断しやすいのですが、それまでに何度も他の風邪をひかれた方は、なかなか診断がつかず、発疹が出て初めて、ああ、お母さん、発疹が出て良かったですね、なんていうこともあります。高熱と少し便がゆるめになり、熱が下がると体に発疹が出ます。発疹は痒みもなく3日ぐらいで消えてきます。熱の割に元気な赤ちゃんが多いです。高熱の時は、氷枕でしっかり頭を冷やして下さい。医師が、突発性発疹の疑いの診断でも3日以上高熱が出るときは、思わず点滴してしまうこともあります。
以下は自分自身のメモです。突発性発疹では永山斑という発疹が咽頭に出現します。
次期によって変化します。永山斑については人により色々な出現率の差がある。しかし観察の一番重要なことはこれが病日とともに変化し、もっとも分かり易いのは第2発熱病日ではないかと思われることである。第1日は口腔、咽頭粘膜に充血は認められない。口蓋垂の根元の両側に常色の微小顆粒がみられるにすぎない。第2病日にはこれがやや大きく約1〜3mm大の数個の小結節性隆起となり周辺が限局性に充血し、顆粒が紅暈を 伴っているようにみえる。この時期に咽頭粘膜の他の部位はほぼ常色で部分的にわずかに毛細管の充血を認める程度である。この永山斑の限局性の所見と他の変化のない粘膜とのコントラストはかなり明瞭である。この時期をすぎると小顆粒は融合し周辺の充血が強まり浮腫状となるためか隆起性はむしろ不明瞭となり、発赤は広がり限局性は乏しくなり、注意してみないと咽頭が一様に発赤してみえるように思われることもある。この時期に毛細管の拡張や小出血斑が認められることがあり、かぜ粘膜疹と呼ばれる状態を呈する。発疹が出る頃はコントラストの明瞭な永山斑は必ずしも明らかでないことがあり、単なる咽頭発赤として片づけられることもある。しかしこの時期にしても口腔粘膜は小出血斑あるいは小白斑の部以外は平滑で扁桃に偽膜を生じることや、咽頭粘膜に潰瘍を生じることはない。