10 そけいヘルニア・隠のう水腫・停留睾丸・でべそ

そけいヘルニア・隠のう水腫・停留睾丸は、いずれも、おむつを開いた時に見つかる病気です。そけいとは鼠径という字を書きますが足の付け根の場所を言います。男の子では陰のう(たまたまの場所)が膨らんで、その中身が腸の事があり、俗に脱腸と呼ばれております。手で押さえるとお腹の中に戻りますが、泣くとでっぱります。いずれは、小児外科での手術が必要になりまう。陰のう水腫は、睾丸を包んでいる、たまたま の中に水が溜まって陰のうが腫れます。大抵半年ほどで自然に水が吸収されて治ります。停留睾丸は、たまたまの中身の睾丸が、お腹の中に残り、たまたまの袋の中に入らない状況です。1歳越しても改善がない時は、小児外科医か泌尿器科の先生にお願いして直していただきます。

でべそはもちろん俗称で、出っ張っている、おへそですね。臍ヘルニアと正式名称がありますが、おへその周りの筋肉が弱いために生じて、
腸が皮膚の下に盛り上がります。1歳までに自然に治らなければ、あいにく将来小さな手術が必要になりえます。
最近では、以前行われていた絆傷膏を皮膚に貼ってでべそを押さえる治療もまた復活しました。
 1)直径7-10mm程度の綿球を臍ヘルニアの部位に当て、臍ヘルニアをへこませ、
  臍の両側の皮膚を中央に手繰り寄せて絆傷膏で固定します
 2)さらにその上をサージカルテープや被れが少ないテープで被います。
 3)4-8週間固定しておくと、臍ヘルニアが治ります。1週間に1度絆傷膏のはりかえを行う。
ポイント
 1)生後8週までに綿球圧迫法を開始した場合には、それ以降に開始した場合に比べて治癒率が高くなり、
   臍は早いうちに押さえるがポイントです
 2)綿球圧迫開始後8週間以内に60%が治癒します。
治療開始月齢が遅れた例では治癒までの期間が長くなりますが、ほとんど治癒になります。
 3)綿球圧迫法の効果が上がらない、うまくいかないのは、皮膚が絆傷膏でかぶれて
圧迫を継続できない時で皮膚の可動性が大きくて絆傷膏で固定しても臍を十分圧迫できない時です
 4)皮膚がかぶれた場合には絆傷膏の位置を変えて固定し、ステロイド軟膏を塗布すると治療を継続できます。
 5)圧迫を1日休むと1週間分の効果がふいになってしまうので、圧迫を休まず行う事がポイントです。自宅で絆傷膏がはがれてしまった場合には同じように絆傷膏を貼ってから受診して下さい。
 6)サージカルテープで被ってあれば、そのままお風呂に入って差し支えありません。