25 赤ちゃんの虫歯や歯の異常

赤ちゃんの虫歯も、お母さんには心配な事だと思います。虫歯になる原因は、ミュータンス菌に感染する事、そして菌の栄養になるプラークすなわち歯こうがある事、の2つの条件がそろったときです。昔の人は多分何年もの長期母乳をしていたでしょうが、虫歯はほとんどなかったと思います。砂糖をほとんど摂らなかったからです。また、たまに歯磨きなんかしたことがないのに一本も虫歯のない人がいます。そういう人は口腔内にミュータンス菌がいないんそうです。ミュータンス菌はお母さんの口から赤ちゃんの口へ感染します。離乳食が始まってお母さんの口の中でかみつぶしたものを食べさせたりすると感染するわけです。虫歯のあるお母さんは口移しを止めたほうがいいでしょう。虫歯になるのは歯が生えてきてからで、その時には母乳以外のものもたくさん食べていますね。だから、母乳が虫歯の原因になるのではなく、だらだらいつでも食べている習慣や食後の歯磨きをしないことの方が大きい原因になっています。虫歯にならないようにするにはできればミュータンス菌に感染しないようにすること。それから菌の養分になるプラークを除去する事、この2点につきます。

鵞口瘡(がこうそう):赤ちゃんの口の中にカンジダというカビが増えて、頬の内側や上顎、舌の表面に白い乳カスが点状につく病気です。ガーゼで擦っても取れません。白いカスが拡がれば、カビの薬を塗ります。
上震小帯の異常:上唇うわくちびると歯茎の間のひだ(上震小帯)が繋がっていますが、成長と共に小さくなります。上震小帯が大きいままに
成長してしまうと前歯に隙間ができたり汚れがたまり炎症が起きる事があります。普段から上唇を指で持ち上げるようにして歯磨きをすることが大切。永久歯が生えてきた時に前歯に隙間ができる場合には手術を行う。
舌小帯短縮症:舌の内側のひだが舌の先の方まで付着し舌の動きを制限します。症状が重い場合には、おっぱいやミルクが飲みにくい哺乳障害や発音に問題が出る事がありますが、一般的には成長と共に舌小帯が後退していきます。3-5歳で言葉に影響が出れば、舌小帯短縮を行います。
萌出嚢胞(ほうしゅつのうほう):乳歯が生える前に歯茎に半透明の膨らみができます。これは歯を包んでいる袋と歯の間に液が溜まったもの。中に血液が溜まると血豆のように見えたり大きく膨らみます。特に治療しなくて直ります。
上皮真珠(じょうひしんじゅ):生まれて直ぐうあ顎に直径1〜2mmの白くて丸いぶつができます。自然に消えます。