6 吐き下し(急性胃腸炎)

赤ちゃんの病気の吐き下し・ロタウイルス感染症も参考にされて下さい。お兄ちゃん・お姉ちゃんの年齢でもロタウイルス感染症がありますが、細菌性食中毒もありえます。O-157の病原大腸菌は少ないにせよ、他のO-26病原大腸菌などよく便の検査をすると検出されます。サルモネラ・腸炎ビブリオ・キャンピロバクターの細菌もありえます。吐いて下痢して腹痛が強い時は便培養が必要です。小型球形ウイルスという牡蠣の中にいるウイルスも血便が生じることがあります。
口から入る補液剤は、ソリタT顆粒3号という医薬品がありますが、不味いし、イメージも悪いので、市販品のアクアライト、アクアサーナ、ピジョンのイオン飲料なら大丈夫です。これらはいずれもカリウムが20mEq/Lの濃度で、下痢や嘔吐の際の脱水予防には適当かと思います。
NA,CLの濃度は少し低いのが難点ですが、ポカリスエットなどのスポーツ飲料はいずれもカリウムの濃度が5mEq/Lと低く、下痢嘔吐による脱水予防には適当ではないと思います。説明として思わず、ポカリスエットにしましょうなんて言ってしまう事があります。

またノロウイルスに関しては残念ながら防ぎようがないところがあります。以下。
(2006年12月14日3時6分 読売新聞
東京池袋のホテルメトロポリタンで今月上旬、利用客と従業員計347人が下痢や嘔吐(おうと)などを訴える被害があり、池袋保健所で原因を調べたところ、ホテル内のじゅうたんに付着した客の微量の吐物から、人が歩くたびにノロウイルスが空気中に拡散、感染胃腸炎を集団発症した疑いの強いことがわかった。同保健所や同ホテルによると、2日昼、ホテルでの結婚式に出席した女性客1人が、3階ロビーと宴会場のある25階通路で2度にわたり嘔吐。ホテル側が中性洗剤を使ってふき取った。しかし5日昼になって、不調を訴える利用客が出始め、ホテル側は保健所に報告。患者が3階と25階の利用客に集中しているため、感染源は、じゅうたんに残った微量の吐物だった可能性が高いと判断。