10 風疹

3日ばしかと昔は言われていました。軽い発熱と共に顔や首から始まり全身に広がる赤い湿疹が出ます。耳の後ろのリンパ節が腫れます。まれに紫斑病という出血しやすい病気や脳炎の合併症があります。お母さんが妊娠3ヶ月ぐらいまでにかかると先天性風疹症候群といい先天性心疾患や白内障、聴力障害などの重大な病気になることがあり、お子さんの予防接種がお済でないなら、ぜひされて下さい。

風疹が大流行しています。麻疹・風疹ワクチンをされておられず必ずしなさいと伝えたのに無視する保護者が未だにいる事はとても哀しい事です。毎年、何度言っても必ず数名の方は接種をされず、どお考えても子供の虐待です。
2013年1月だけで平均的な年間の風疹患者数を超えたほか、大流行した2012年1月の13倍という流行ぶりです。妊娠された方が感染して心臓に障害を来たした赤ちゃんも2013年8月までに16人が報告されています。
1年間の報告が2人を超えるのは8年ぶり。2013年の1週間(1月21日〜27日)の風疹患者数は76名。1月の累計で254人が報告され2008年から4年間の平均年間患者数224人を上回っています。風疹は春から初夏に多い傾向があり、年間の患者数が2358人と大流行した2012年も1月は10人に留まっていました。

若い男性に多いのも特徴で女性の3〜4倍で20〜40代が8割〜9割を占めます。

風疹は咳やくしゃみから感染し発疹や熱がでます。治療法はありません。妊娠初期に感染すると新生児が難聴や白内障、心臓疾患などの障害を持って生まれる先天性風疹症候群になる危険があります。2012年は大阪、兵庫、埼玉、香川で5人、2013年に入り大阪で1人の新生児で報告されています。

当院で勧めたワクチンはきちんとされましょう。接種をさせないのは犯罪です。

日本における流行ウイルスの遺伝子型の推移
日本においては1960年代後半に遺伝子型1aウイルスが流行していた。この型のウイルスが弱毒化され、現在日本におけるワクチン株として使用されている。1990年代には遺伝子型1Dウイルスが流行していたが、前述した通り現在では消失している。2000年代前半においては遺伝子型1jウイルスが主要なウイルスであった。2011年に遺伝子型1jウイルスの報告があったが、輸入症例であると推定されている4) 。近年、日本では風疹の患者報告数が低く抑えられてきたが、2011年になって各地で流行が認められている。遺伝子型の判明している株のほとんどが遺伝子型1Eおよび2Bであり、これらのウイルスが流行の主体となっているものと思われる。2009年以前ではこれらの遺伝子型ウイルスでは南アジアからの輸入例での1例のみ(遺伝子型2B)しか報告されていなかったことから、近年の世界的な流行にともなって日本にも侵入し、急速に蔓延したものと考えられる。このように風疹ウイルスは数年〜十数年ごとに遺伝子型が入れ替わりながら流行を繰り返してきている。