11咽頭結膜熱(プール熱)(アデノウイルス感染症)

夏かぜ疾患のひとつで、プールを介して流行する感染経路もありプール熱とも呼ばれます。主に、アデノウイルスの3型で引き起こされますが、アデノウイルス7型が原因になることもあり重症化することもあります。空気感染や目の結膜炎からうつり、夏季(主に4月〜10月頃に)に、幼児〜学童を中心に流行します。 症状は発熱、咽頭炎、結膜炎が主ですが、全部揃わないこともあります。乳幼児では、嘔吐や下痢を伴うことがあります。(1)高熱38-40度程度の高熱が4-5日前後続きます(2)咽頭炎でのどが赤くなり、痛みを伴います。扁桃腺にべっとり膿がつきます。そのため食欲不振や不機嫌、よだれが出ます。5〜7日で症状は軽減します。(3)結膜炎で目が赤く充血します。眼が痛い、目やに、光がまぶしいなどの症状もあります。その他、一般的なかぜの症状(頭痛、寒気、食欲不振、せき、鼻水、リンパ腺の腫れ)があります。 咽頭結膜熱(プール熱)の治療 は特別な治療はありません。(1)口の中が痛くなることが多いので、食欲不振による脱水症に注意し出来るだけ、刺激の少ない、固くない物(ヨーグルト・プリン・ゼリー・アイスなど)や水分を十分に与えてください。(2)結膜炎に対しては、抗生剤の目薬が処方されます。(3)熱が高い時、熱さましを使ってもかまいません。 咽頭結膜熱(プール熱)の合併症 アデノウイルス7型の時に、重症肺炎などの合併症を起こす場合があります。咽頭結膜熱(プール熱)の予防 手をよく洗い、タオルの貸し借りはやめましょう。水泳後の洗眼、うがい、シャワー、プールの塩素消毒もした方がよいでしょう。流行期には、プールを一時中止して下さい。 いつから学校や幼稚園に行っていいのか 熱やのどの痛み、結膜炎の症状が消え、2日経過するまで出席停止です。実際は、元気になるまで5〜7日くらい休んだ方がよいでしょう。


・ アデノウイルス感染症の臨床症状の特徴は、その年の流行で微妙に違います。
1、突然の高熱(39度以上)
2、頭痛
3、吐き気
4、軽い咳
5、軽度の咽頭痛(前額部のリンパ節腫脹なし)
6、全身倦怠感が少ないか無いが大人はきつそうでした。咽頭、扁桃所見は初期から白苔が見られる方は少ない印象です。WBCは10000以上最高28000でGra80%以上もみられましたが、CRPが5以下でした。
アデノウイルス感染症 の咽頭所見べっとりした膿が特徴です