17 とびひ(伝染性膿痂疹)/水疣(水疣)(伝染性軟属腫)

とびひ(伝染性膿痂疹)
黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった名前の細菌が原因で生じる皮膚の感染症です。虫刺されや擦り傷をきっかけにして痒みを伴う水ぶくれができ、それが破れて他の場所に、飛び火して広がってゆきます。レンサ球菌が原因の時は熱が出ることもあります。とびひは内服の痒み止めと抗生物質と軟膏の抗生物質の治療が基本です。また鼻の穴の中には原因となる黄色ブドウ球菌が多いので鼻をいじるのを避けていただきます。とびひの患部は、ごしごしこすらず石鹸を十分泡立て手で優しく洗いシャーワーで十分流して下さい。爪を短く切り、よく手を洗って下さい。

水疣(いぼ)

みずいぼの正式名称は伝染性軟属腫という大げさな名前です。ポックスウイルスが原因で丸くて表面に光沢のある大きいものでは中央に窪みができて、中には白いカス状のウイルスの塊が入っております。痒みが生じることが多いのですが、何にも訴えない人もいます。スイミングスクールのプールで使用するビート板でうつることがありますが、赤ちゃんでうつったルートがはっきりしない事もあります。1年ぐらいで自然治癒しますが、痒みがひどい時にはピンセットで摘んでとったり、硝酸銀という赤ちゃんのお臍のじくじくを治療する薬でほくろ様にして直す治療もあります。アトピー性皮膚炎があると水いぼが出っ張らず取りにくいことがあり、アトピーの悪化に繋がることがあります。この際には大人の胃潰瘍のお薬が抗ウイルス作用があり使用することがあります。
・ 当院では、硝酸銀直接塗布法を用いております。硝酸銀溶液直接塗布は失敗すればペースト法より、皮膚に対する損傷はひどくなると予想されますが、
溶液が流れないようにするには必ず寝かせて塗る、
1個ずつ、ドライヤーで乾燥を確かめてから、次の水いぼの処置にかかる。
20個の水いぼ取りにかかる時間は20分ぐらいでしょうか。
・ 硝酸銀ペースト法の問題点は
・綺麗に水いぼの頂上にペーストが乗ってくれないこと。
・乾くまで時間がかかり、じっとしていず、健康皮膚面に硝酸銀が付いてしまう事。
・脇の下や関節屈曲面では、一度乾いても汗で他の部位まで焼けてしまう事。
・焼いた部分が真っ黒くなり、見た目も可愛そうな事。1週間以上も続く。    
・ 元来は「うおのめ」の貼り薬の治療のスピール膏を用いた痛みの少ない治療もあります。
1)水いぼの上をイソジンで消毒します。
2)水いぼの大きさに切ったスピール膏を貼り付けて、小さく切った判傷膏でとめます。
3)スピール膏には固定用のリング状判傷膏が付いているので、これを利用すると剥がれにくくなります。
4)2-3日そのまま貼りっぱなしにします。入浴時も剥がしません。
5)2-3日経つと少し痒みがでます。
6)スピール膏と判傷膏を剥がし、その際、水いぼが一緒にとれます。
7)改善ないとき何度か繰り返しします。
8)大きい時はピンセットで取ります。
9)取れた後は消毒しバンドエイドをはります。