09 ヒブ・肺炎球菌ワクチン「安全」かどうか


ワクチンとは.感染症の原因となる病原体の毒性を弱めるなどして作った薬液の事ですから、.注射などで接種して病気に対する抵抗力をつけるのが予防接種です。「ヒブ(インフルエンザ菌b型)」と「小児用肺炎球菌」のワクチンを、公費で行う定期接種には平成23年12月現在はなっていません。
二つのワクチンは、脳を覆う髄膜に細菌が感染して発症する細菌性髄膜炎を防ぐ働きがあります。国内では2008年にヒブ、10年に小児用肺炎球菌のワクチンが相次ぎ発売され、いずれも自費で受ける任意接種になっていました。

 細菌性髄膜炎はのどや鼻に感染したヒブや肺炎球菌が原因で起こります。年間約600人を超える子どもが発症し、約5%が死亡、20〜30%に発達障害や脳の障害などの後遺症が残ります。

 髄膜炎の症状は小さいお子さんでは症状がでづらく、生後8か月のお子さんですと、39〜40度の高熱が約1週間続き、けいれんも起き、約1か月の入院を余儀なくされ、抗生物質の点滴などを続ける事になります。

 細菌性髄膜炎は生後6か月ごろから増える。その前に必ず予防接種を受けてほしいと思います。

 厚生労働省は今年3月、ヒブと小児用肺炎球菌の予防接種を一時見合わせました。両ワクチンを同時接種した後、死亡したという報告が相次いだためです。

 報告を受けた厚労省は検討会で議論を重ね、結局、「接種と死亡に明確な因果関係は認められず、ワクチン接種の安全性に特段の問題があるとは考えにくい」との結論が出ました。

 4月に両ワクチンの予防接種は再開されましたが、同時接種を控える保護者が多く、生憎の未曾有の大地震もあり控える方も多い状況でしたが、やっと安全なことも認識していただきました。同時接種が原因で死亡したという報告は海外でもありません。ヒブ、肺炎球菌以外でも乳幼児期に接種が必要なワクチンは多くあり、漏れなく接種するため、同時接種を積極的に行う必要があります。