12 ロタウイルス対応のワクチン

生後6 週から初回接種を開始し,少なくとも4 週間の間隔をおいて2 回目の接種を完了する.遅くとも生後24週までには接種を完了させること.また,早期産児においても同様に接種することができる.というワクチンですから,少なくとも生後20週,4ヶ月20日までに1回目の経口が必要になります.
「お子さんを横抱きにしてくださいね」赤ちゃんの口の中に少しずつ薬液を落としていきます.

激しい下痢や吐き気を伴うロタウイルス胃腸炎の予防ワクチン.国内では最近発売された新しいワクチンです.生後6週間から6か月までに2回接種し,2回目の接種は,4週間以上の間隔を空けます.

接種できるのは赤ちゃんの今しかなく,かかって重症化すると大変なので,受けることをお勧めします.

ロタウイルス胃腸炎は,主に冬から春に流行し,5歳までにほぼ100%の子どもが感染します.

ロタウイルス胃腸炎の下痢は,便が白やクリーム色で,酸っぱい臭いがするのが特徴で,こうした水っぽい便が1週間続き,1日平均10回程度する事もあります.最初は悲惨で30分おき,1時間おきと頻回です.

ミルクを飲んでくれないため,市販の経口補水液例えばOS-1をこまめに与えるよう気をつけます.

ロタウイルス胃腸炎は,下痢や嘔吐を繰り返すため,脱水症状を起こしやすくなります.また,痙攣や意識障害を併発することも少なくなく,重症化すると脳症や脳炎を起こす恐れや命にかかわる場合もあります.

この病気に対する有効な治療法はなく,自然にウイルスが体外に排出されるのを待つしかありません.しかしワクチンを接種する事で,ロタウイルス胃腸炎に感染し小児救急にやってくる患者さんを減らす事ができると期待が寄せられています.

これらの予防ワクチンを接種しても100%感染を防げるわけではありませんが,感染した場合も重症化せずに軽くて済みます.