13 ワクチン推奨スケジュール

予防接種の予定表を手にし、種類の多さに驚きます。肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、BCGや四種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)、麻疹風疹ワクチン、水痘ワクチンなど、公費で行う定期接種のほか、任意接種のB型肝炎、ロタウイルスワクチン、おたふくかぜなどもあります。

 さらに、それぞれ接種する時期や回数が決まっています。例えばヒブ、小児用肺炎球菌は通常、生後2〜6か月で接種を始め、計4回接種します。四種混合は同3か月から3回、その後、12〜18か月の間に1回、追加接種するのが標準的です。

 ワクチンには、病原体の毒性を弱めた「生ワクチン」と、毒性をなくした「不活化ワクチン」があります。生ワクチンを接種すると、他のワクチンの接種までに27日以上、不活化ワクチンの場合は6日以上間隔を空ける決まりもあります。何回も接種が必要なワクチンがいくつもあり、スケジュールを立てるのが大変です。

どのワクチンも重要だが、あえて順番をつけるのであれば、重症化の恐れがあるものや、地域で流行している感染症のワクチンを優先して下さい。

 例えば細菌性髄膜炎は、子どもの場合、約5%が死亡し、20〜30%に発達障害などの後遺症が残ります。また、百日せきは全国的に成人の間で流行しています。これらの病気を予防するヒブや肺炎球菌、四種混合のワクチンは早めに接種が必要です。

 日本小児科学会は推奨する予防接種スケジュールを今春、同学会のホームページで公開しています。

 同学会は、定期、任意を区別せず、優先度が高いワクチンを示しています。生後2か月でヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス胃腸炎、同3か月から、これらの2回目と四種混合、BCG、――とワクチンを接種していくことを勧めています。

 いずれも複数のワクチンを一度に接種する同時接種が前提です。同時接種でワクチンの有効性が落ちたり副反応の頻度が高まったりはしません。何度も医療機関に通院する負担が軽減され、効率よく接種できます。

 感染症で命を落としたり、重大な後遺症が残ったりするのを防ぐのがワクチンです。子どもには早めに予防接種を受けさせたいものです。

 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール


http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf へのリンク