Q6 アトピー性皮膚炎の御心配・ところでアトピーとは何?

A:アトピーとは奇妙という意味です。生後6ヶ月ぐらいまでは熱を出す病気がありませんので、それまではアトピーがもっとも一番みなさんの心配になります。この病名は70年近く前にアメリカでつけられました。昔からあった病気ですが、近代的な暮らしが普及するにつれて問題になってきました。最近では、赤ちゃんを産む母体の年齢が高くなったことも原因に考えられてきています。なりやすい素質が遺伝する可能性が大きいとすれば、この病気は完全に治りきるものとは違うわけです。となれば、いかに上手にこの病気とつきあって暮らして行くか、そのコツを見つけることが大切です。病気の診断にはそれぞれ基準があって、多くの専門家が研究してきました。この病気の診断には、皮膚にどのような変化があるかを見極めることが、一番重要であります。決して、血液検査をして診断がつくというものではありませんが、小児科医は食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎という病気を割と考えていて、インタール細粒というお薬を使用したいので、ついつい検査してしまうのです。
アトピー性皮膚炎の特徴は、良くなったり悪くなるのを繰り返す、痒みのある湿疹が主な症状で、多くの方がアトピー素因を持っております。治療の基本は、悪化因子を見つける事・適切なスキンケア・薬物療法を適切に行う事です。原因・悪化因子の除去として患者ごとに何が原因か調べて対策を講じる事が重要です。赤ちゃんから2歳ぐらいまでは食物が関係している可能性が強く、思春期や成人ではダニや衣類などの接触抗原やストレスによるものが多いと考えられます。適切なスキンケアーは、赤ちゃんのうちから皮膚の機能異常があり、これが皮膚炎を悪化させる要因となります。皮膚を清潔にするために、毎日の適切な入浴も欠かせませんし、皮膚を乾燥させないため保湿剤も重要です。室内の温度や湿度にも注意を払わねばなりません。新しい肌着は使用前に水洗いし爪は短く切ること、なども重要です。薬物療法としてステロイドを用いる事も重要です。最重症でも最強の薬は使用せず、症状と年齢に応じて使い分ける事も必要です。塗る場合は、できるだけ弱いものを短期間に留める。必要に応じて抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の使用も考慮し、1週間ごとに重症度の評価を見直し、適切な治療に切り替えます。