Q9 赤ちゃんのお風呂の入り方は?

A: お風呂はぬるめの燗にして!皮膚に痒い変化がある赤ちゃんや子供達のお風呂はどうするか。身体をきれいにして、それからぬり薬をぬったり、スキンケア製品を使うことは当然です。なぜなら、汚れたままで軟膏を塗れば汚れまで皮膚に塗り込まれるからです。とすれば、皮膚病が気になる場合には、お風呂やシャワーは、まず汚れを落とすのが目的、ということになります。その上、痒さ対策のために薬を使うのなら、痒さが増すようなことは避けなければなりません。痒みは皮膚の温度が高いほうが激しくなります。冷やせば止まります。日本の習慣は熱いお風呂を好む傾向があります。よーく暖まりなさい、を実行すると痒くなります。その意味ではシャワーの方が汚れ落としでも完全ですし、掻き壊しがあっても安全に皮膚をきれいにすることができます。アトピー性皮膚炎の赤ちゃんの相談にお見えになるお母さんの中に「お風呂に入れると、湿疹に赤みがますので気になります」という方がたくさんいらっしゃいます。そのときには「1時間くらい後で見ると、赤みが消えていませんか?」とお尋ねしてみます。ほとんどのお母さんが「ハイ」とお答えになります。人の皮膚は温度が上がると血液がたくさん流れるので赤く見えます。ですから、この現象は生きている証拠です。もちろん、温度が下がれば元に戻ります。つまりお湯の温度が高すぎると、知らず知らずにあかちゃんをゆでていることになるのです。もちろん痒さは激しくなりますし、汗でもでれば一層悩みはまします。あかちゃんはママの体内の37℃の環境で暮らしていましたから、それが大好きです。
湿疹があっても、入浴用の石鹸を使ってもかまいません。ただし、固いものでゴシゴシは止めましょう。いずれにしても、汚れが落ちるということは、皮脂も落ちれば、塗り薬も落ちてしまうわけです。さらに、最近の研究ではアトピー性皮膚炎の方には、セラミドという皮膚が造り出すしっとりさせる成分が少ないこともわかってきました。つまり、綺麗にした後は、スキンケア製品とぬり薬を用いることを忘れないでください。そして、なにもできていないように見える皮膚であっても、しっとりさせるためのスキンケア製品を使っておくことに意味があるのです。特にあかちゃんや幼児達は、汚れる回数や部分が大人とは違います。ケアは入浴後だけとは限りません。「清潔、そしてしっとり」のコツをいつも忘れないでください。