Q45 アトピー性皮膚炎で食事にはどのような注意が必要ですか?

A: 卵・牛乳・乳製品をどれくらいあげるかは、まだ統一見解がありません。これを食べたら悪化するものは止めることになります。アトピー性皮膚炎ではさまざまな刺激に敏感になり痒みが増強します。痒みが強くなると掻き壊しにより湿疹が増悪します。食事も痒みを増悪させる重要な要因です。とくに幼児では食事に対する反応が強く生じ、検査でも高頻度に陽性反応を認めるようになります。小学生頃には胃腸の状態が安定してくるので、食事に対する陽性反応の頻度は減少します。基本的にアトピー性皮膚炎は食事が原因で発症する疾患ではなく、皮膚が弱いと同時に胃腸の粘膜も弱いために発症する病気です。以前にはアトピー性皮膚炎の食物アレルギーの部分が強調され、厳密な食事療法が推奨されました。しかし、最近は厳密な食事療法はあまり意味がないことが明らかになり、厳密な食事療法は行われていません。乳幼児の場合には検査にて種々の食物抗原に対して陽性反応を示しますが、それは原因というよりもその食物を食べた結果として反応が出ていることも多く、食物抗原に対する検査の意味合いは難しいのが本音です。しかし、風邪などに伴って胃腸の状態が不安定になっている時は食事により痒みが増強することがあるので、一般に痒みが強い時は3大アレルゲンの牛乳・卵・大豆などのほか、刺激物などの摂食は控えるほうが良いと思います。食品添加物も粘膜を刺激してアレルギーの発症を誘導することが知られています。合成保存料や着色料を使用した食品の摂取は避けて下さい。