Q46 蕁麻疹やアトピー性皮膚炎の症状が強い場合には食事はどのようにしたら良いでしょうか?

A: 積極的に卵を食べてよいわけではありません。蕁麻疹やアトピー性皮膚炎においては食事は重要な増悪因子の一つです。最近の考えは、あまり厳密な食事療法は必要ないと考えられていますが、症状の強い場合には食事制限を行います。特に食後30分〜2時間の間に痒みが増強する場合には摂食した食事の内容を検討する必要があります。一般に牛乳、卵、大豆などは蕁麻疹を誘発しやすいと考えられています。意外な思い掛けないものが原因であることもありますので、食後に痒みが出たときには、その前に食べた食物をメモしておくことも重要です。基本的には胃腸粘膜の乱れにより発症したものですので、胃腸に刺激のある食物は控えたほうが良いでしょう。
ほうれんそう、なす、そば、たけのこ、松茸、里芋、魚介類には仮性アレルゲンと呼ばれる成分が含まれていることがあり、非特異的に痒みを増強することがあります。魚介類・肉類による蕁麻疹の場合には食物そのものよりも中に存在していたアニサキスという寄生虫のために発症する事もあります。防腐剤、合成着色料などの食品添加物によっても痒みや蕁麻疹が誘導されることがありますので注意してください。症状の強い場合にはお菓子などの加工食品の摂食はなるべく控えるようにして下さい。ときに食品中のサリチル酸誘導体が慢性じんま疹の原因になることがあります。トマト、ブドウなどで痒みが増強する場合には注意が必要です。魚やエビ・カニなどで蕁麻疹が発生する場合には、調理中に手指に刺激が加わって蕁麻疹様の痒い紅斑が出現することがあります。