6 ポリオ

「小児マヒ」と呼ばれ、わが国でも30年前までは流行を繰り返していましたが、予防接種の効果で現在は国内での自然感染は報告されていません。日本が属する西太平洋地域においても1997年カンボジアで発生して以来野生株のポリオの発生は途絶えております。しかし、現在でも中東やアフリカ、南東アジアではポリオの流行があり、インドでも1000人単位の流行があり、これらの地域で日本人がポリオに感染したり、日本にポリオウイルスが入ってくる可能性があります。予防のためにワクチンを飲んで免疫をつけておきましょう。
ポリオウイルスはヒトからヒトへ感染します。感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り咽頭または腸に感染します。感染したウイルスは平均7〜14日で腸の中で増えます。しかし、ほとんどの例は不顕性感染で終生免疫を獲得します。症状が出る場合、ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染し、麻痺をおこすことがあります。ポリオウイルスが感染すると 100人中5〜10人は、カゼ様の症状を呈し、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐(おうと)があらわれ麻痺が出現します。一部の人は永久に残ります。呼吸困難により死亡することもあります。
感染の合併症として麻痺の発生率は、440万人に1人と言われています。