15 B型肝炎

 B型肝炎は、母子間感染が防げるようになり、現在は、性行為で罹患する病気の一つと認識しています。

B型肝炎ワクチン(ビームゲン)

 B型肝炎ワクチンは、諸外国ではヒブや肺炎球菌よりも前に接種され、赤ちゃんが初めて受けるワクチンです。B型肝炎ウィルスに感染すると、将来、肝炎や肝硬変・肝がんになる可能性があります。B型肝炎ウィルスは、血液以外にも唾液や涙などの体液で感染します。わが国は母子感染対策では成果をあげたものの、現在も年間約500名の乳児がB型肝炎に感染しているといわれています。この中には、家族がB型肝炎キャリアで、子どもへ口移したことなどにより感染したものも含まれますが、多くは感染経路が不明です。また、近年、わが国では性交渉による感染者も増加しています。
 WHO(世界保健機関)は、B型肝炎ワクチンに関する以下の報告書(英語)を2009年に出しています。この中で、「All infant should receive their first dose of hepatitis B vaccine as soon as possible after birth, preferably within 24 hours.(全ての乳児は、出生後できるだけ早く、できれば24時間以内に、B型肝炎ワクチンの1回目を受けるべき)としています。WHO1992年からこの勧告を行っており、2009年には世界177ヶ国で国の予防接種のスケジュールにB型肝炎ワクチンが組み込まれています。
http://www.who.int/wer/2009/wer8440.pdf
 わが国はB型肝炎ウィルス蔓延国にも関わらず、対策が遅れています。「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろう。」の会作成、「知らないままでいいですか。赤ちゃんのB型肝炎ワクチン」をリンクしましたので、是非ご覧ください。
http://www.know-vpd.jp/hbv/index.htm
 当院小児科では、インフルエンザなど他のワクチンを接種しに来院されたお子さんにも、B型肝炎ワクチンの接種の重要性を説明し、接種を勧めています。
 当院のB型肝炎ワクチンの料金は、16000円(10歳未満)、7000円(10歳以上)です。月齢・年齢に関わらず3回接種する必要があり、2回の初回と追加です。