戻る

画像処理入門

NET・陽だまり 勉強会テキスト 
              

デジカメ(デジタルカメラ)で撮影した写真は、殆どの場合、そのままでは大きすぎてプリントが出来なかったり、撮影条件によっては意図したものと違い、手を加えなければならなかったりする。
画像処理ソフトで処理することになるが、画像特有の用語があり、それもソフトにより違うことがあり戸惑うことが多い。用語の解説を含め、画像処理の情報を集めてみた。

1 ディスプレイに表示される画像の大きさ
 ディスプレイでは640×480ドットというように1画面あたりの横方向と縦方向の表示ドット数で解像度を表す。 Windows では最低640× 480ドットで、800×600ドットや1024×768ドットなどの解像度が一般的である。
また、解像度をVGA、SVGA、XGA、SXGAと表示することがあるし、「ドット」を「ピクセル」というときもある。

VGA(video graphics array) 640× 480ドット
SVGA(super VGA) 800× 600ドット
XGA(extended graphics array) 1024× 768ドット
SXGA(super SXGA) 1280×1024ドット

 ディスプレイの大きさが同じであれば、ドット数が少ないと多いものより1ドット当たりの大きさが大きくなり(例えばアイコンが大きく見える)、1画面に同時に見える範囲が狭くなる。

実習1:ディスプレイの解像度を変更してみる。
 デスクトップの何もないところで右クリックする。ショートカットメニューの「プロパティ」をクリック。(または[スタート|設定|コントロールパネル|画面]でも同じ)「画面のプロパティ」の「設定」タグ(Windows95では「ディスプレイの詳細」タグ)をクリック。「画面の領域(Windows95では「デスクトップの領域」)」で現在の解像度を確かめる。スライドバーをデスクトップの何も無いところで右クリックする。ショーカットメニューの「プロパティ」動かして解像度を変更して「適用」ボタンをクリックする。説明の窓が出てくるので読んでから「OK」。解像度が変更されアイコンや文字の大きさが変わる。「この設定を保存しますか?」と聞いてくるので、変更しない場合は「いいえ」ボタンをクリックすると元の解像度に戻る。変更できる解像度はディスプレイによって異なる。

2 ディスプレイの色の情報

 画像データはドット毎に色の情報があり、色はRGBを組み合わせて表示する。
パソコンでは光の三原色である赤(R:red)、緑(G:green)、青(B:blue)の各色の明るさを変えて、色を表示させる。RGBの三原色をすべて最大の明るさにすると白色、すべてを最低にすると黒色となる。
各色に2ビットを割り当てると64色になる。
2ビットは二進数(例えば0か1)の2桁だから4(2X2=4)通りのデータがある。三原色それぞれに2ビットのデータだから、64   (4x4x4=64)通りになり64色を表示できる。
 各色4ビットだと1色あたり16(2X2X2X2=16)通りあるから、16X16X16=4096色。
 各色8ビットだと、256X256X256=1677万7216色を表現できる。各色8ビット(三色で24ビット)はパソコンではフルカラーといわれ、写真等に使われる。これ以上色数を多くしても人間の目には識別できない。8X3=24 で、「24ビットカラー」といわれる。二進法で0か1かを8桁表示するのは大変なので、実際には一つの色8ビットを16進法2桁(16X16=256)で表示する場合(例えば 白色はR:FF G:FF B:FF)と、10進法の0〜255で表示する場合(例えば白色はR:255 G:255 B:255)がある。16進法は0〜9とA〜Fで表示する。
 フルカラー(24ビットカラー)に対して、「16ビットカラー」は、緑(G)だけ6ビットで64通り、赤(R)と青(B)をそれぞれ5ビットで32通り、64X32X32=65,536 で、65,536色「ハイカラー」と呼ばれる。

実習2:RGBを試してみる。
 ペイントを起動する。([スタート|プログラム|アクセサリ|ペイント])
 メニューの[色|色の編集](Windows95では[オブション|色の設定])で、「色の作成」ボタンをクリックする。右下の赤、緑、青のテキストボックスに十進法の0〜255の数字を入力すると、中央の「色」が変わる。例えば 赤=255、緑=0、青=0 とすると赤色になり、全部255にすると白色になる。

3 ドットの大きさ
 ドットやピクルスはデータの単位であり、ドットの大きさはディスプレイの解像度によって異なる。解像度の単位はdpi(dots per inch)であらわされる。1インチの中にドットがいくつ並ぶかをあらわしている。
 例えば15インチのTFT液晶ディスプレイで、画面の横幅が30.5センチとし、1024× 768ドット(このディスプレイの最大画素数)の画面とすると、30.5センチはほぼ12インチ(30.5/2.54=12.00787)だから、85.33dpi(1024/12=85.333)と考えられる。ディスプレイに表示させるだけならこの程度の解像度でよいことになる。そしてこの画面の1ドットの大きさは横幅が約0.3mm(30.5/1024=0.029785)ということになる。これはこのディスプレイの仕様にある「画素ピッチ」(0.297mm)とほぼ一致する。

実習3:自分のパソコンのディスプレイの1ドットの大きさを計算してみる。

4 プリンタで画像の印刷
 アプリケーションで印刷を実行すると、パソコンから、プリンタへ画像のデータが送られ、、プリンタで処理されて印刷される。
 画像の色は用紙の上に、プリンタのインクの色で表示される。、プリンタの色はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラッグ)の4色を使う。CMY三色の場合は3色を合わせ黒色を作る。インクジェット、プリンタで写真印刷をする機種は、CMYK4色のほかに2〜3色の薄い色のインクへ使い、インク滴(ドット)が目立たないようにしている。ディスプレイの色がそのまま用紙にプリントされるのではない。どのように表現するかは、、プリンタの性能とドライバソフトの機能による。
 プリンタの解像度はdpi(dots per inch)であらわされる。プリントする時は、、プリンタの解像度で制限される。例えば「300dpi」は、1インチ(約2.54センチメートル)の長さに300ドットの色が並ぶ。同じドット数の画像なら、dpiが高いほど小さく(より繊細に)印刷される。

実習4:、プリンタの解像度を変更してみる
 ペイントなどのアプリケーションで、[ファイル|印刷]で印刷ダイヤログボックスを出し、「プリンタ」の「プロパティ」ボタンをクリックして、プリンタのプロパティで、使用する、プリンタのドライバにより異なるが、「印刷品位」タブで「解像度の設定」が出来る。また、ここで「印刷品位」や「用紙の種類」を設定できる。

5 イメージ・スキャナからの入力
  1. イメージ・スキャナのパソコンとの接続は、従来はSCSIやパラレルが中心だったが、1998年ころからUSB接続で簡単に出来るようになってきた。画像をパソコンに取り込むには、スキャナをパソコンに接続するほかに、「TWAINドライバ」をパソコンにインストールしておく必要がある。TWAINドライバは統一された規格で殆どのスキャナに添付されている。画像処理ソフトはこのTWAINドライバに対応しているものが多い。TWAINドライバーは画像読み込みソフトの役割がある。スキャナの使い勝手はTWAINドライバによって決まる。
  2. 画像処理ソフトのメニューの[ファイル|TWAIN機器の選択]で、使用するスキャナを選択し、[ファイル|TWAINスキャン]で読み込みドライバを起動する。(ソフトによりメニューの表現が異なる。)
  3. 画像をパソコンに取り込む場合に、画像の全部を取り込むのか、一部をトリミングするのか、画像の種類(カラー、白黒、文字や線画)、取り込むときに明るさやコントラストの調整をするか、どのくらいの大きさにして取り込むのか、などの条件を決めておく。
  4. スキャナの原稿台を掃除しておく。埃やごみがあると画像として記録してしまう。
  5. 傾斜しないように原稿台に沿って原稿をセットする。
  6. プレビュー画面を読み込んで表示して、取り込む範囲や画像の種類、解像度などの条件を設定して、読み込みを実施する。
  7. 読み込んだ画像を調べ期待したものと違うときは、設定を変えて読み込みを繰り返す。
  8. ドライバによっては明るさ、コントラストなどを調整して取り込むことが出来るものがある。
  9. 期待した画像が取り込めたらファイル名をつけて保存する。

実習5: ともかく写真をスキャンして、ファイルに保存してみる。
 保存した画像ファイルを開いてみる。ダブルクリックすると関連つけされたソフトで開かれる。画像処理ソフトを開いてから画像ソフトを開くと、取り込んだ画像を加工や印刷できる。

6 スキャナ使用上の注意
1 解像度を使用目的により選択する。
 スキャナの解像度もdpi(dots per inch)であらわされる。解像度を高くすれば(dpiの値を大きくすれば)高品質の画像が取り込めるが、ファイルの大きさが大きくなる。必要以上の高い解像度は、保存する場所だけでなく取り扱い上も避けた方が良い。
 ホームページなどディスプレイに表示するだけなら、75dpi くらいでよい。、プリンタで印刷する場合は印刷サイズにもよるが原寸大なら150dpi 〜 300dpi くらいで十分といわれている。トリミングしたり原寸より大きくする場合は、もっと高い解像度の方が良い。
OCRに使う文書の画像は普通300dpiくらいで十分だが、小さい活字の場合高い解像度の方が認識率が高くなる。解像度より原稿の濃度などが認識率に影響する。OCRソフトで取り込んだほうが扱いやすい。 

実習6−1: ディスプレイ上て解像度を変えて比較してみる。
 おなじ大きさの写真を解像度を変えて(75,150,300,600dpi など)保存して、ディスプレイ上におなじ大きさに表示して比べてみる。

2 ファイル形式の選択
 画像を保存するときファイルとして保存するのだから、保存する場所とファイル名・ファイルの種類を選択する。ファイルの種類でファイル形式が決まる。画像処理ソフトによって選択できるファイル形式が異なるが、BMP、JPG、GIFはたいていのソフトで対応している。
 また、画像処理ソフトの独自のファイル形式を用意しているものもある。
 どのファイル形式を選ぶかファイルの利用方法により選択することになる。
 GIF は、色数が最高256色に制限される。写真の場合減色がうまく行なわれないと、色むらが出ることがある。圧縮されファイルサイズは小さくなる。色数の少ない画像に向いている。
 JPG の場合はフルカラーを使用できるが、不可逆性圧縮のため一度圧縮保存すると、BMP などに変換しても元の画質に戻すことが出来ない。保存するたびに圧縮すると次第に画質が悪くなる。利用できる状態にして最終的に保存するときに利用すると良い。
 BMP や画像処理ソフトの独自のファイル形式は、ファイルサイズが大きくなる。取り込んだ画像を加工するとき画質が損なわれない。独自のファイル形式はそのソフトの機能に対応している。

実習6−2: 実習6−1:で保存した画像をファイル形式を変えて保存してみる。
画像処理ソフトにより対応している形式が異なるものがある。
3 画像取り込みの処理時間
 情報量が多くなれば処理をする時間が長くなる。おなじ大きさの画像原稿でも、色数を多したり、解像度を高めたりすれば情報量は多くなり、ファイルが大きくなり処理に時間がかかる。ファイルが大きくなるとハードディスクやリムーバブル・メディアの容量を多く使う。画像処理ソフトで処理をする際もパソコンの性能にもよるが、作業が円滑に動かないことがある。実際の処理時間は、パソコンやスキャナの能力によって異なる。

実習6−3: 解像度がファイルの大きさにどの程度影響するか
実習6−2で保存したファイルの大きさを比較してみる。
1インチ X 1インチの写真の場合の一例
  画 素 数 BMP GIF JPG(30%圧縮)
75dpiの画像 5,625 17.2kB 5.3kB 2.0kB
150dpiの画像 22,500 67.9KB 15.2KB 4.4KB
300dpiの画像 90,000 270.1KB 50.9KB 11.6KB
600dpiの画像 360,000 1,080.1KB 163.0KB 36.2KB

4 きれいに取り込むために
 まず、自分のディスプレイの画面が、白いものが白く黒いものが黒く表示されているか、ディスプレイの明るさ・コントラスト・ブラックレベル・色温度などの設定をディスプレイのボタンで確かめてみる。(ディスプレイの取扱説明書を参照。)
 次に、ディスプレイの色数が「24ビット・フルカラー」になっているか確かめる。色数を多くするとCPUに負担を掛けることになりますが、写真等を処理するときは、フルカラーにしないと本当の色を見ていないで画像を処理することになるから、そのときだけでも変更した方が良いと思います。やり方は「実習1」の解像度の変更と同じところ「領域」の隣の「色」で行なう。
 ディスプレイの色をスキャナに正しく読み込むために、スキャナのTWAINドライバにある調整機能(EPSONはキャブレーション、Cannonはコンフィギュレーション)を使って設定する。
 スキャナでも原稿の明るさ・コントラスト・色彩を補正できるが、殆どの場合ドライバが自動でスキャンしたものが最良の場合が多い。特に原稿に変更を加えたいときに手動で補正する。補正はスキャンした後で画像処理ソフトでも出来る。
 スキャナの水平方向の1インチ当たりの情報量がそのスキャナの解像度として言われている。例えばCanoScan 600 の解像度は600dpi。この600で割り切れる解像度でスキャンすると最高品質の画像を得ることが出来る。このスキャナは75dpi、150dpi、300dpi、600dpiが割り切れる。割り切れない解像度の場合に、ギザギザを滑らかにする「スムージング」という機能を使ってなめらかにすることができる。

7 デジタルカメらからパソコンへの取り込み
 写真で撮影してイメージ・スキャナから画像を取り込むには、現像・引き伸ばし(焼付け)・スキャナでスキャン、という手続きが必要だが、デジタルカメラからは撮影したら直接パソコンへ取り込むことが出来る。カメラにより次の方法がある。
ケーブルで接続するもの 記憶媒体(メディア)を介するもの
シリアルケーブル(RS232C) スマートメディア(SM)
パラレルケーブル コンパクトフラッシュ(CF)
USB メモリースティック
IEEE1394  
 いずれもカメラとパソコン両方にインターフェイス(Interface)が必要になる。記憶媒体を使うときはFDかPCカードのアダプタを使ったり、カードリーダー/ライターを使う。
 実際に取り込むには、 Windows のエクスプローラーでドライブが確認できる場合は、一般のファイルの取り扱いと同じくカメラの中(メディアの中)の画像ファイルをパソコンのHDのフォルダに移動すればよい。メディアのアダプタを使うときは、アダプタのドライバがインストールされていないとメディアを読み込むことができない。
 ケーブルによる接続の場合でも添付されたソフトをインストールして使用しないとカメラの中のファイルを読み込むことが出来ない場合がある。
 カメラの取扱説明書と添付されたソフトの説明により取り扱うことになる。カメラ側の電源は処理途中での中断を避けるため、AC電源アダプタを使用する方が良い。

実習7:
使用するデジタルカメラのメディアと、どの方法で撮影したファイルをパソコンに取り込むのかカメラの取扱説明書で確かめる。

8 デジタルカメラ使用上の注意
1 解像度
 カメラの解像度の初期値が高くなっていることがあるから、撮影時の画質を目的により選択する。解像度が高いときれいな画像になるが、メモリを多く使うことはイメージ・スキャナと同じ。目的別に使い分けると良い。ディスプレイ上ではあまり目立たないが、低い解像度で撮影したものを大きく表示すると画像が荒れる。 実習8-1: 画像処理ソフトで640 X 480ドットで撮影した画像を読み込んで、1024X768ドットのディスプレイで表示してみる。画面に占める大きさと画質を確かめておく。更に同じ画像を1024X768ドットの大きさに変更して、元の画像と比較してみる。更に拡大表示で大きく表示してみる。1024X768ドットの画像はディスプレイ一杯の大きさのため、アプリケーションのメニューバーやタイトルバーのため全部表示できず、スクロールバーが表示される。スクロールバーを使って画面を移動するときに動きが鈍くなるのを体感できる。

フリーソフトPixia の場合、メニューで[画像|大きさを変えて複製]で、「縦横比維持」にチェックが入った状態で、「変更後の幅」のテキストボックスに「1024」と入力すると、「変更後の高さ」が自動的に「768」に変わる。タイトルバーをドラッグして位置をずらすと元の640 X 480ドットの画像と比較できる。メニューの[表示|拡大率プラス]かツールバーの「拡大率プラス」ボタンで拡大表示できる。

2 撮影の方法
 カメラの機能にもよるが、普通の写真の場合と同じ撮影技術を利用できる。例えば「背景をぼかして主体を明確する。」や、「焦点深度を深くして広い範囲に焦点を合わせる。」などは、ズームや絞り優先撮影の機能が必要になり、逆光で陰になった部分を明るく撮影するには、フラッシュなど補助光が必要になる。デジカメの場合カメラによっては自動的に撮影されて細かい調整が出来ないものがある。
 デジカメの場合、「ホワイトバランス」という、普通のカメラではフイルムの選択やフィルターを使う高度な撮影技術を比較的簡単に行なえる機能がある。晴天、曇天、電球、蛍光灯など光源の色合いの違いを調整するものだが、普通は「オート」にしておけば、自動的にカメラが調整してくれる。例えば夕焼けを撮るときにホワイトバランスを「曇天」にして、赤みを強調するといった撮影意図により使い分けることが出来る。
 撮影後直ちに撮影結果を確認することが出来るので、失敗したときは撮り直すことが出来る。失敗したものをその場で削除すれば、撮影可能枚数を減じなくてすむ。
 撮影した画像は明るさ、コントラスト、などをフォトレタッチソフトで修正できるが、撮影時に出来るだけ良い条件で撮影しておいた方が処理しやすい。大事な写真は色々な条件で撮影しておくと良い。
 ズーム機能が無いデジカメの場合、多くはレンズの焦点距離が短いので、撮影対象に出来るだけ近づいて撮影すると良い。近づけないときは解像度を高くして撮影後トリミングする。

実習8-2:
デジカメで色々な被写体の設定を変えて撮影し、モニタで撮影結果を確認する。

9 画像の修正
 絵でも写真でも画像データとしてパソコンに読み込んだものは、画像処理ソフトで処理できる。処理の方法はソフトにより異なるが、共通しているものが多い。同じ内容でも機能の名称、や方法がソフトにより異なることがある。自分に合ったソフトを使い込んで慣れることが必要。
 画像を修正するときに元になる画像のバックアップを必ず取っておく。色々加工しているうちに失敗して元に戻したくなるが、元のファイルで作業をしているときにトラブルがあると元のファイルを失うことになりかねない。修正をしているときも段階を踏むたびに、別のファイル名をつけて保存しておくと良い。

1 自動補正 殆どの画像処理ソフトに名前は色々だが、「自動補正」機能がある。明るさ、コントラストなどを最適の状態にクリック1回でするもので、ソフトによって基準が違うが試してみる価値はある。これで思うものにならなかったときは、それぞれの修正を試みると良い。

2 明るさ(明度)
 色の明暗の度合いのことで、数値が高いほど明るい色になる。
3 コントラスト
 画像の明るい部分と暗い部分の明るさの比を表す。コンストラストを高めると色彩がくっきりし、見やすい画像になる。コントラストの値が低すぎると、明るい部分と暗い部分の差がはっきり現れない 。
コントラストを高くすると画像の輪郭がはっきりするが、逆にコントラストを低くすると画像の輪郭がはっきりせず、見やすい画像にならない。
4 彩度
 色の鮮やかさとくすみの度合いこと。数値が高いほど鮮やかな色として表現される。
5 カラーバランス
 特定の色を強調する場合、または色調(色彩の濃淡、強弱、対照などのぐあい。色あい。トーン。)を下げる場合に使う。強調したい色を強めたり、色調を落としたい色を弱めたりすることができる。
6 トーンバランス
 画像が暗すぎたり明るすぎたりする場合は、トーンバランスで、画像の色調範囲のバランスを変え、コントラストや中間色を調整できる。 7 トリミング
 普通の写真のトリミングと同じ。画像の中の必要な部分を切り取る。ソフトにより元の画像を変更する方法と、新しい画像を作る方法がある。元の画像を変更する場合は、元のファイルに上書き保存しないように注意が必要。
8 サイズの変更
 画像は必要な大きさにして使用すると良い。例えば大きいファイルを文書に小さく貼り付けるのは、必要以上に文書ファイルサイズを大きくしてしまう。画像処理ソフトの「表示」メニューの「拡大・縮小」は、画面上の拡大・縮小表示で、画像の大きさやファイルのサイズは変化しない。トリミングと同様元のサイズの画像が残っているかどうか注意が必要。
9 効果(エフェクト)
 ソフトにより写真をを油絵調にしたり、水彩画のように変えたり、モノクロの木炭画風にしたり、色々な効果を付ける事が出来る。また特殊なフイルタをかけて違った感じの画像に変えてしまうことも出来る。ピントのずれた写真をある程度修整が出来るソフトもある。顔のしみを削除したり、ごみのような点を除いたりしてしまうことも出来る。いずれの場合も期待した効果でない時は「元へ戻す」で戻ることが出来るが、作業中に元の画像ファイルを失わないように注意が必要。
10 左右反転、上下反転、回転
 画像を左右を逆にした鏡の像のようにしたり、上下を逆にしたり、縦にカメラを構えて撮影した写真を90度回転して正しい向きに変えることが出来る。
11 合成
フォトレタッチソフトの場合、画像を合成する機能があるものが多い。ドラッグやコピー・貼り付けで出来るものや、レイヤを使って合成するものもある。

10 画像処理ソフト
 画像処理ソフトは大きく分けてペイント(Paint)系とドロー系の2種類ある。
 お絵かきソフトやフォトレタッチソフトは大体ペイント系で、画像を点(ドット)の集まりとして表示し細かい表現が可能だが、拡大縮小、変形を行うと輪郭のぎざぎざが目立ったり、ぼやけたりする。 Windows98 付属の「ペイント」やフリーソフトの「Pixia」、「D-Pixed」など。
 ドロー(drawing)系ソフトは、画像をドット(点)の集まりでなく、直線や曲線を表す数値データ(ベクターデータ)として扱う。描いた画像は自由に移動、反転、拡大・縮小などの処理ができる。、製図などで使われる。四角形や円やだ円などが簡単に描け、これらを組み合わせて複雑なグラフィックスもできるのが特徴。MicrosoftのPhotoDrawは、ペイント系とドロー系両方の処理が出来る。
 デジカメやイメージスキャナに画像処理ソフトがバンドルされていることがあるが、殆どがペイント系のソフトである。
 米国のAdobe System社のフォトショップ(Photoshop)は、出版や印刷、デザインなどプロ用ソフトで、ペイント系グラフィックスソフトの標準になっている。Photoshop LE はその普及版。
 写真処理を目的にしたものを「フォトレタッチソフト」と言い、描画を主としたものを「お絵かきソフト」ということがある。 Windows98 のアクセサリにある「ペイント」は簡単なペイント系のソフトで、Windows95 までのBMPファイルのほかに、JPGやGIFファイルを使う事が出来るので、フォトレタッチとしても利用できるが機能が限られている。
 画像処理ソフトは、BMP、GIF、JPGなどの共通したファイル形式のほかに、それぞれのソフトの独自のファイル形式を使う事が多い。独自のファイル形式はレイヤやフィルタなどの独自の機能が利用できる。また、ソフトにより(ファイル形式により)取り扱える色数が制限されているものもある。OSが違えば取り扱うファイル形式も違ってくる。
 いろいろなソフトをあれこれと使うのではなく、自分の目的に合ったソフトを使い込んで慣れるのが良い。
 このテキストでは、誰もが入手できるフリーソフトの中から、フルカラーが使え写真の処理も出来る「Pixia」を取り上げてみる。他のソフトでも機能には大きな違いはない。

11 フリーソフト「Pixia」の使い方
 フリーソフトだが、フルカラーが使える多機能のグラフィックスソフト。CGを作るマニア達が使って育てているユーザー主導型のソフトだから、今後もいろいろな機能が追加される可能性がある。
フォトレタッチというより、絵を書く描画のための機能が多くある。ハイカラー以上のディスプレイに対応していて、GIFファイルが扱えない。GIFファイルを扱うものには、同じフリーソフトの「D−Pixed」がある。
 Webからダウンロードしたものには、ヘルプがついていない。公式ホームページのオンラインヘルプを見るか、リンクされているユーザーのホームページから使い方を調べることが出来る。
Pixia公式ホームページ http://www.pixia.jp/
ミニチュートリアル http://www.pixia.jp/minituto.html

1 インストール
 次のホームページ(Pixia書庫室)からPixia ver4.0u(自己解凍セットアップ)-8/21/2006 Pix40uj.exe(4,701KB)をダウンロードできる。
 http://homepage2.nifty.com/soldier_blue/
 ダウンロードしたpix40uj.exeをダブルクリックするとインストーラーが起動して、インストールするフォルダを指定すれば、インストールできる。
 Pixiaはディスプレイをハイカラー(16ビットカラー)以上に設定していないと使う事が出来ない。
2 ヘルプ
 Pixia本体にはヘルプは含まれていないので、別にダウンロードしなければならない。Pixia公式ホームページからダウンロードしたヘルプは、圧縮されている。Pixiaのフォルダの中に「help」フォルダをつくり、help.lzhを解凍すると、Pixiaを起動して、メニューの[ヘルプ|ヘルプ]か「F1」キーでHTMLファイルを開くことが出来る。
ヘルプはあまり詳しくない。描画を中心とした具体的な使い方はユーザーのサイトで見ることが出来る。Pixia Web Ring に沢山のリンクがある。また、Pixia倶楽部にはCG講座のリンクがある。
3 画像読み込み
 ファイルから読み込む場合は、[ファイル|開く]でファイルを指定して読み込む。
 TWAI32対応機器から取り込む場合は、[ファイル|TWAI32対応機器の選択]で機器を選択してから、[ファイル|TWAI32対応機器から入力]で取り込む。
 クリップボードにコピーしてある画像を新しいキャンバスに貼り付けることも出来る。この場合キャンバスサイズを指定しなくても、画像の大きさのキャンバスが用意される。([ファイル|新規作成]で新しいキャンバスを指定するときは、キャンバスのサイズを指定しなければならない。貼り付ける画像より小さいキャンバスに貼り付けると、画像の一部だけしか貼り付けられない。)
4 印刷
 画像を読み込んでメニューの[ファイル|印刷]を選ぶと、印刷ダイヤログボックスが出る。ここで用紙のサイズ、縦置き・横置き、プリンタの設定は「印刷設定」ボタンを押して設定できる。左上に印刷紙上に印刷される画像の大きさ・位置が表示されている。
 右側の「幅(W)」は画像の幅で、幅を変更すると高さが自動的に変わる。画像のサイズを変えると、解像度が変わる。いくら小さくしてもファイルの解像度より高くならない。ファイルの解像度を低くすると画像のサイズが大きくなる。長さの単位はmmとインチに切り替えることが出来る。
 「サイズ調整」ボタンで印刷紙の横幅いっぱいにサイズを調整する。「中心に調整」ボタンで画像の位置を印刷紙の中央に調節して、余白の設定が簡略にできる。
 以上の操作によりデジカメで撮影した画像を目的の大きさに印刷することが出来る。プリンタの写真モードの解像度より高い解像度でプリントすることは出来ない。またプリントするサイズに応じた解像度で撮影しておくことが必要である。

実習11−3: 
 実習6−1で作った同じ大きさの画像で、解像度のわかる(75,150,300,600dpi など)ファイルを読み込んで、いろいろな大きさにプリントして、画像を比較してみる。

5 写真修正
 写真を読み込んでから、メニューの「画像(I)」でいろいろな修正が出来る。修正する前に写真を縦に撮影したため横向きになっているものは、メニューの[描画|回転]で正しい向きに変えおくとあとの作業がやりやすい。期待した結果が出ないときは、キャンセルボタンをクリックして取り消す。また、一度確定したものは、メニューの[編集|元に戻す]か、ツールバーの「元に戻す」ボタンをクリックして「OK」ボタンを押す。元に戻す回数は、初期値は5回で、メニューの[ファイル|環境設定]の「アンドゥ」タブで設定できる。
 画像メニューでは、「色調」「明るさとコントラスト」「カラーバランス」「トーンバランス」などいろいろな修正ツールがあるが、コントラストを調整する「自動補正」を先ず試みて、その結果に満足できないときは、元に戻して個々の修正すると良い。
 個々の修正は結果を見ながらスライドバーなどを動かして少しずつ修正していく。領域を設定しなければ画面全体を変更するが、領域を設定すればその領域だけ変更する。
6 写真の加工
レイヤ機能(別項で説明)があるので、工夫次第でいろいろな写真の加工が出来る。こういう使い方が正しいのかどうかは判らない。もっと良い使い方があるのかもしれない。一つの例として試して見る。

実習11−5:
○ 写真に文字を入れる。


 写真に文字を入れるときは、メニューの[描画|文字]で「入力文字」テキストボックスに文字を入力し、フォント、サイズ、書体、影などを選択して「描画」ボタンをクリックすると画面に直接描画する。(「新規レイヤ」ボタンは文字の新しいレイヤを作る。)画面上の貼り付ける位置に移動して、右クリックメニューの「貼り付け」を選ぶと、選択されている色でその場所に貼り付ける。
○ 写真を合成する。
 2枚の写真を合成するには、レイヤの機能を使う。写真A(例えば湖の風景)に写真Bの一部(例えば遊覧船)を合成する場合、写真Bの一部を領域で選択して、メニューの[編集|コピー]。写真Aのタイトルバーをクリックして、メニューの[編集|新規レイヤとして貼り付け]。貼り付けた部分にマウスポインタを置き、Ctrlキーを押しながらドラッグするとレイヤを移動できるから、目的の場所に移動する。Lパネル(レイヤLAYER)の追加したレイヤ(LAYER1)をクリックして、赤枠で囲まれた状態にする。ツールバーの「フリーハンド」(鉛筆のアイコン)をクリックし、Oパネル(PEN)でペン・ブラッシの形と大きさを選択して、Pパネル(PALETTE)で「消しゴム」(上段右から2番目)を選び、貼り付けたレイヤの不要の部分をドラッグして消す。(消したあとに写真Aの風景が現れる。)Pパネルの「ぼかす」「こする」「かきまぜる」のツールを使い、貼り付けた境を目立たないようにする。
○ 写真の縁をぼかす。
 写真の全体が画面に現れるように拡大率を調整する。ツールバーの「拡大率+」「拡大率−」をクリックするか、メニューの[表示|拡大率]で%を選択する。
 Lパネルの「編集」ボタンをクリック、ブルダウンメニューの「追加」を選択する。「レイヤの追加」ダイヤログボックスで「フルサイズ」が選択されている状態で、「OK」。Lパネルで新しい白いレイヤが追加され赤枠で囲まれている。「透明色」(編集ボタンの下にある色)が白の場合はクリックして、白い外の色にする。
 ツールバーの「領域-長方形」を選択して、写真の縁に沿って少し小さく内側に長方形の領域を作る。(上下左右のバランスを取る。)
 メニューの[領域|領域の反転]を選び、Cパネルで「白色」を選び、ツールバーの「塗りつぶし」をクリックする。白い縁が出来る。
 ツールバーの「フリーハンド」をクリックし、Oパネルでブラッシの形と大きさを選択して、Pパレットの「ぼかす2」をクリックして、白の縁の内側をドラッグしてぼかす。「かきまぜる」「こする」を使ってぼかしを滑らかにする。
 レイヤ機能をそのままにしてPixiaの標準ファイル形式「.PXA」で保存するか、レイヤなどの特殊機能を失うが、「.JPG」で保存する。
 例えば、640×480ピクセルの写真で縁をぼかした場合、Lパネルで白い縁のレイヤが選択され赤い枠で囲まれているときに、メニューの[編集|ファイルへコピー]で「.PXA」形式で保存しておくと、同じ大きさ(640×480ピクセル)の写真へ、メニューの[編集|ファイルから新規レイヤとして貼り付け]で、縁をぼかすことが出来る。

7 パネル
 このソフトは描画の機能が多くあるが、ヘルプの説明だけでは具体的な使い方が判りにくい。試行錯誤を繰り返し、描画のコツを飲み込む必要がある。
 先ず、[ファイル|新規作成]で白いキャンバスを作り、マウスをドラッグして何かを描き、4つのパネルの使い方を理解する。

 カラーパネル(Cパネル)の円で適当な色を選択(クリック)して、線を描いてみる。横の赤・緑・青(RGB)の棒の中の縦線をドラッグして移動しても色を選択できる。選択された色は下の正方形に表示される。左下には数値で表示される。次に中央にある縦長の白〜黒のグラデーションラインで、ドラッグして明度を設定できる。
 オプションパネル(Oパネル)は左にある色々な形のペン先を選び、 右側にあるペン先の形のの四隅をドラッグする事でペン先のサイズを変更できる。(この時Shiftを押しながらドラッグすると真円または正方形が作られる)ペン先によって、クレヨンや刷毛のような効果が出る。またこのペン先はbmpで作られているので、自分で色々なペン先を作る事ができる。
 パレットパネル(Pパネル)は上の一列で描画方法を選択できる。左から「ペン」「ぼかし」「こする」「かきまぜ」「ぼかし2」「フィルタ」「消しゴム」で、選択してドラッグしてみて効果を確かめると良い。
 水彩画のパレットのように現在使用している色をパレットパネルの任意の場所で右クリックすると、よく使う色を登録できる。画像の色を右クリックするとスポイト機能が働くから、そこから色を登録する事もできる。
 中段にある「t」と「d」と書かれたバーをドラッグすると、描画効果の濃度と密度を変更できる。T値(濃度)を下げる(数字を小さくする)と水彩のような効果が、D値(密度)を下げるとエアブラシのような効果が出る。このT値とD値は画像処理全体に影響があるから、処理が終わったら元へ(255へ)戻しておく。(フィルタ、部品庫、消しゴムは別の項目で説明)
 レイヤパネル(Lパネル)は、このソフトの大きな特徴の一つ。1枚の絵を何層かに分けて作ることが出来る。それぞれの層は独立していて、他のレイヤ(層)の影響を受けない。

実習11−7:

○ 色の選択
 Cパネルの円(HSV形式を表す)の色部分をクリックすると色を選択できる。その時のRGBとHSV(多分色相=hue、彩度= saturation、値=Value)の数字が変化する事に注意する。また赤・緑・青の3本の横棒のスライドバーを移動しても求める色を選択できる。いろいろな色でキャンバスに描いてみる。ツールバーの「フリーハンド」アイコン(鉛筆型)を押した状態で、色を選択してキャンバス上でドラッグする。

○ ブラシを選ぶ  ツールバーのフリーハンドが選択されている状態で、Oパネルでブラシの形と大きさを選択できる。右下の緑色のボタンで2つのパネルを切り替えられる。一つのパネルでは、四隅のハンドルをドラッグすることで、ブラシの大きさを決められる。Shiftキーを押しながらドラッグすると正円または正方形になる。また、下の数字の書いてあるボタンをクリックすると、メニューが出て大まかなサイズを選ぶことも出来るる。ブラシの形は左の図形から選ぶ。もう一つのパネルでは、更に左の「1,2,3,4,5」のボタンで切り替えて60種類のブラシを選択できる。選択した形を左下の「編集」ボタンをクリックして変更することも出来る。
○ 色を登録し、効果を試す。
 Pパネルでは良く使う色を登録する。登録する色をCパネルで選択しておき、Pパネルの登録する場所で右クリックすると登録できる。左の「1,2,3,G」でパレットを切り替えられる。「G」はグラデーション設定で、長方形グラデーションと波形グラデーションがある。それぞれ4種類パレットにおける。いろいろな色で変化させグラデーションの色を試してみる。
ツールバーのフリーハンドが選択されている状態で、一つの色を選択して「t」(濃度)の値(初めは255となっている)を「200,150,100,50」と変えて線を引いてみる。255にt値を戻してから同様に「d」(密度)の値を変えて線を引く。効果の違いを確かめる。
さらに、上の段の「ぼかし」「こする」「かきまぜ」「ぼかし2」を使って効果を確かめる。(ツールバーの「拡大率プラス」を使ってキャンバスを拡大すると効果がわかりやすい。)
○ レイヤの確認
 キャンバスに赤色を選び縦線を何本か描き、Lパネルの[編集|追加]で「フルサイズ」を選択している状態で「OK」ボタンを押すと、新しいレイヤが追加される。新しいレイヤに緑色で横線を描き、消しゴムで一部を消してみる。赤色で描かれた縦線は消えないことを確かめる。

8 フィルタ
 面白そうな機能だが、使い方が判りにくい。メニューの[表示|フィルタ]でフィルタを制御するサブウインドウが出る。上のブルダウンメニューで種類を選択して、下のフィルタを選ぶ。フィルタによって条件を設定できるもの、ヘルプが用意されているものがある。部分的ににフィルタを使うときは、Pパネルの上段のフィルターのアイコンをクリックして「フィルタ」ボタンをクリックすると「フィルタ選択」ウインドウが出る。フィルタを選んで「追加」「終了」ボタンをクリックして、マウスポインタをドラッグする。
実際に使うには、いろいろ試してみてから使い方を会得する。

9 部品庫
 Cパネルの右下のフォルダを開いたアイコンをクリックすると、「任意の画像ファイル」「部品庫」「テクスチャ」のメニューが出る。選んだ画像を「色」?として使う事が出来る。部品は自分が描いた画像を登録できる。

実習11−9:部品庫の画像を使ってみる。
 部品庫の画像の中から、「grass.pxa」を選択して、「OK」ボタンをクリックし、「画像を直接描画しますか?」に「OK」ボタンをクリックする。Cパネルに画像が表示される。キャンバスにマウスポインタを置きクリックすると、部品の画像が表示される。何回か場所を変えてクリックした後、花菖蒲の花を適当に配置すると、花菖蒲園が出来る。
実習11−9-2:部品庫に登録する。
 画像の領域を選択して、メニューの[編集|コピー]でクリップボードにコピーしてから、メニューの[ファイル|クリップボードから開く]で選択した新しい画像のウインドウが出る。このウインドウがアクティブになっている状態(タイトルバーが濃い色になっている状態)で[編集|部品庫へコピー]をクリックすると、名前を入力するウインドウが出る。名前を入力して「OK」で部品庫に登録される。部品庫に登録されてい部品を削除するには、Windows のエクスプローラーなどでPixia のあるフォルダの中の「Partsbox」を開き、削除する部品名がファイル名になっているPixiaファイルを削除する。何回もコピー貼り付けをするときは、部品庫に入れてから使うと良い。

10 消しゴム
 消しゴムを選択してドラッグすると「透明色で描く」ことになる。新しくレイヤを作った場合(lAYER0以外のレイヤ)は消しゴムで部分を抹消できる。
 新規作成でキャンバスを作り画像を描いた時や、スキャナなどで取り込んだ画像を修正するときに、不要な色を抹消するには白色のペンで修正する。消しゴムを使うと透明色で描かれる。これは最初のキャンバスの背景が白色で塗りつぶされているため、消しゴムでこの背景の白色の情報をなくしてしまうと、透明色が現れる。透明色を白色に変更すれば、消しゴムでドラッグした部分は背景の白色になり前の色を消したように見える。しかし、実際はこの部分は透明色で描かれている。


実習11−10:消しゴムを試す。  新しいキャンバスに適当な色を選び、縦線を何本か引く。Lパネルの左にある透明色をクリックすると「透明色の色」ウインドウが出るので白色を選択する。Pパネルの消しゴムを選んで、横にドラッグしてみる。縦線が横線に消されたように見える。Lパネルで透明色を白色以外の色にする。透明色の横線が現れる。

11 レイヤ
 透明のフィルムに絵を描き何枚も重ねて見ると、1枚の絵のように見える。この1枚1枚のフィルムがレイヤ(Later 積み重ね、層)といわれている。
 Pixia では、画像を読み込んだり、新規作成でキャンバスを作ったりすると、「lAYER0」が作られる。このベースレイヤは削除できない。Lパネルの編集ボタンをクリックしてメニューの「追加」をクリックすると、大きさを指定して新しいレイヤを追加できる。「lAYER1」「lAYER2」…と追加できる。レイヤの名前はLパネルの[編集|設定]のテキストボックスで判り易い適当な名前(半角8字まで)に変更できる。各レイヤはそれぞれ独立していて、表示・非表示、削除、サイズ変更などが出来る。Lパネルに表示される一番下のレイヤが、優先順位が一番高く画面では一番上に表示される。優先順位が一番低いLパネルの一番上に表示されているレイヤがベースレイヤで削除できない。それぞれ順位は移動できる。
 レイヤの機能をつけたまま画像を保存するときは、Pixia の標準ファイル形式「.PXA」で保存する。
参考 http://www.sdls.gr.jp\pixia\tutorial\turorial.html

実習11−11:
○ レイヤを試す。
 メニューの[ファイル|新規作成]で新しいキャンバスを作る。Pパネルで太目のサイズの丸く濃いペン(右下の緑の四角をクリックする)を選び、Cパネルで「赤色」をクリックする。キャンバスの中央に「1」と書く。Lパネルの[編集|追加]でフルサイズのレイヤを追加する。「lAYER1」が出来てLパネルに赤枠で囲まれた白い画面が見える。キャンバスの赤色の「1」の上に、「青色」で「2」と書く。同様にして「lAYER2」を作り、「緑色」で「3」と書く。
 Lパネルに白地に1,2,3とそれぞれ赤、青、緑で表示されているのは、「lAYER0」「lAYER1」「lAYER2」の画像を表示している。赤枠で囲われたレイヤが、現在描画処理できるレイヤで、別のレイヤの表示をクリックするとそのレイヤが赤枠で囲われる。
 「lAYER0」「lAYER1」「lAYER2」と白抜きで表示されているところをクリックすると、そのレイヤの設定ウインドウが開く([編集|設定]と同じ)。「lAYER2」のレイヤ設定で「合成方法」を「重ねる」から「乗算」に変更してみる。元にもどして、「lAYER1」で同じように試してみる。また、レイヤ設定の「レイヤの濃度」のスライドバーを動かして%を変えてみる。合成方法は下の層(「lAYER2」の場合「lAYER0」と「lAYER1」)に対しての合成方法を設定する。
 優先順位や合成方法の設定で、レイヤの順を変更することが出来る。「lAYER1」など白抜きボタンの上部灰色の部分にマウスポインタを置き他のレイヤのところへドラッグすると順序が入れ替わる。
 「lAYER1」など白抜きボタンの上の三角が左右に向いたボタンをクリックすると、そのレイヤは非表示になる。もう一度クリックすると表示する。
○ 縁をぼかす枠のファイルを再び作る。
 新規作成で640×480ピクセルのキャンバスをつくり、黒色で塗りつぶす。
 Lパネルの編集ボタンをクリックしてメニューの「追加」をクリックして「lAYER1」を作る。
 上記の「実習:11−6○ 写真の縁をぼかす。」と同様にツールバーの「領域-長方形」を選択して、縁に沿って少し小さく内側に長方形の領域を作る。(上下左右のバランスを取る。)
 Oパネルで左上のブラシを、Cパネルで「白色」を選び、ツールバーの「線」をクリックすると、領域に沿って白くぼかした長方形が出来る。(色が薄いときは「線」をもう一度クリックする。)
 メニューの[領域|領域の反転]を選び、ツールバーの「塗りつぶし」をクリックする。白い枠が出来る。
 ツールバーの「フリーハンド」をクリックし、Oパネルでブラッシの形と大きさを選択して、Pパレットの「こする」を使って白い枠とぼかし線の境を滑らかにする。(背景が写真のときより白のむらが良く判る。)
 Lパネルの「lAYER1」とある白抜きボタンの上部灰色の部分にマウスポインタを置き、「lAYER0」のところへドラッグする。「lAYER0」と「lAYER1」の位置が入れ替わる。「lAYER0」を削除する。(「lAYER0」の画面表示をクリックして赤枠を表示させてから、編集ボタンをクリックして、メニューの削除をクリック。)
 Lパネルの透明色を黒にし、ファイルの種類を「標準[*.PXA]」にして名前を付けて保存する。
 640×480ピクセルの写真の縁をぼかすときに、メニューの[編集|ファイルから新規レイヤとして貼り付け]で、このファイルを呼び出してぼかすことが出来る。

12 領域
 Pixia のツールバーの中央の10個が「領域」のボタン。ボタンを選んでキャンバス上をドラッグすると領域を設定できる。長方形、円、はShiftキーを押しながらドラッグすると、正方形・正円の領域を設定できる。小さい四角のポイントをドラッグすると形・長さ・位置を変更できる。「ワイヤー」は画像の外周に沿って領域を設定できる。
 設定した閉じている領域の内部を塗りつぶすことが出来る。設定した領域に沿って、選択しているペンと色で描くことが出来る。「閉領域」ボタンをクリックしてから画像の一点ををクリックすると、その場所に連続するクリックした色と同じ範囲を領域とする。

実習11−12:いろいろな領域を試す。
Oパネルで細く濃いペンとPパネルで適当な色を選び、ツールバーで[領域]長方形、[領域]直線、[領域]円、[領域]多角形などを描き、ツールバーの「塗りつぶし」「直線」をクリックしてみる。
 ツールバーの[領域]閉領域をクリックしてから、描いてある円の縁の色をクリックして、違う色を選んでからツールバーの「塗りつぶし」をクリックする。同じように円の中心をクリックして塗りつぶす。

13 色マスク
 色を塗るところを限定する機能。メニューの[表示|色マスク]でサブウインドウが開く。「なし」はマスクがない状態。「描画開始点」は描画を開始する(ドラッグをはじめる)所の色と同じ色にのみ描画する。「左上の色」はキャンバスの左上に描画するところの色と同じ色を描いておくと、その色にのみ描ける。「白」「黒」はそれぞれの色にのみ描画できる。「あまさ」は値の大きさにより近い色にも描画できるようになる。

実習11−13:色マスクを試す。
 太めの横線を色を変えて(内1本は黒色)5本描く。横線と違う色で縦線を上の白い部分から1本描く。
 [表示|色マスク]で色マスクサブウインドウの「描画開始点」をクリックして、縦線を上の横線から描く。
 キャンバスの左上に横線の色の内の1つを置いてから、色マスクサブウインドウの「左上の色」を選んで、縦線を引く。
 同じように「白」「黒」を試す。

**************************************
以上で一先ず「画像処理入門」を終わります。

付 録 1
ネガフイルムから画像ファイルを
 撮りためてある写真のネがからパソコンで使えるデジタルデータにするには、印画紙にプリントしてスキャナでパソコンに取り込むのが普通の手順です。ネガでもポジでもフイルムを直接スキャンする「フイルムスキャン」という専門の機器がありますが、量が多くなければデジカメで撮影して、フリーソフトPixiaで処理できます。
1 準備
 ネガフイルムをビュアー(ライトボックス)に置き、光を下からあてる。蛍光灯スタンドと磨りガラス板で工夫すると出来ると思う。カメラは出来るだけ固定したほうが良い。出来たら接写が出来るレンズがあると良い。画像処理ソフトはPixiaの機能が使える。
2 撮影
 出来るだけフイルムに近づいて目的の駒を大きく撮影する。ホワイトバランスの設定は「蛍光灯」にあわせる。解像度は最高の解像度にする。ネガフイルム以外の部分は出来るだけ黒紙などで遮光したほうが良いと思う。フラッシュは不用。自動露出で大丈夫。
3 画像処理
 フイルムの部分を「領域 長方形」で囲んで[編集|コピー]して、[ファイル|クリップボードから開く]でトリミングする。[画像|ネガ反転]でポジ(普通の画像)になる。
 色を確認してもし青っぽかったら、[画像|カラーバランス]で青色を下げて赤色を少し上げる。明るさやコントラストは[画像|自動補正]で大体旨く行く。もし、不満なら元にもどして([編集|元に戻す])、[画像|明るさとコントラスト]で調整する。
 出来るだけネガを大きく撮影することが、解像度を高くしてきれいな写真にすることが出来ます。

画像処理は実際にやってみてコツをつかむ「職人芸」のような部分がたくさんあります。お互いに情報を交換し合って奥の深い画像処理を楽しみましょう。

付 録 2 カレンダーの作成
 A4縦の用紙に選んだ月の七曜表とその季節の風景写真を表示して、オリジナル・カレンダーを作ります。
1 新規作成
 Pixiaのメニューで[ファイル|新規作成]かアイコンの「新規作成」ボタンで、新規作成のウインドウを出して、「ミリメートル/インチ」の「リスト」ボタンをクリックして、「A4縦」を選んで「OK」ボタンを押す。モニタにA4の用紙全体が見えないので、メニューの[表示|拡大率マイナス]かアイコンの「拡大率マイナス」またはショートカットキー「Ctrl + D」で縮小する。
2 フィルタ
 フィルタのサブウインドウが出ていないときは、[表示|フィルタ]か「F6」でフィルタ・サブウインドウを表示させる。フィルタ・サブウインドウの上のブルダウンメニューからフィルタのカテゴリで「便利」を選び、下のフィルタの種類から「カレンダー」を選ぶ。
3 カレンダーの設定
 フィルタのサブウインドウの「設定」ボタンをクリックして、表示されたカレンダーのウインドウで作成する年・月、フォント(種類・サイズ・斜体・太字)、七曜表を用紙の下半分に表示する/用紙全面に表示する、文字の影の設定、罫線の色、日本語・英語の別などの設定をする。
4 七曜表と風景写真の表示
 カレンダーのウインドウの「実行」ボタンをクリックすると設定した七曜表が表示される。風景写真(A4縦の場合は横600ピクセル位が適当)はファイルから新規レイヤとして読み込む。画像の大きさを調整するときは、[編集|ファイルから貼り付け]して、大きさを調整する。(この場合画像の中にマウスポインタを置き、右クリックメニューの中から「貼りつけ」を選んで確定する。)
 用紙全面に七曜表を表示させるときは、レイヤウインドウで写真のレイヤを選択して、[編集|設定]をクリック、「レイヤの濃度」を調整して七曜表と写真の濃度のバランスを調整する。
5 祝日などの表示
 祝日などの日を強調表示するには、特定日のフォントの色を変更するのは難しいから、日付の数字を円形領域で囲み適当な色で塗りつぶす。Pパネル(パレット)の「t値」(濃度)を255から30くらいに下げてから塗りつぶすと、色が薄くなり下の日付の文字が見える。また別のレイヤに色を塗りつぶして「合成方法」を「暗い方」にして「レイヤの濃度」を調整すると日付の文字が現れる。

 手順を追ってカレンダーを作るだけでなく、その経過の中でこのソフトのいろいろな機能を体験していただきたいと思います。
 なお、Pixiaは「1.9a」にバージョンアップしています。


戻る
連絡 メールでどうぞ