home >> パソコンで楽しむ >> 高機能画像処理フリーソフト“Gimp2”覚書 | 「Gimp2」の基本事項 >> 写真の加工
高機能のある画像処理ソフトに[PhotoShop]という有名なソフトがあるが、それに匹敵するような機能のあるオープンソースの[GIMP]というソフトがあることは以前から知っていた。しかし、ヘルプが英文で、使い方を知る手だてがなく半ばあきらめていた。
最近は私自身は画像を処理する機会が少なくなったが、Gimpの日本語のヘルプや解説サイトが多くなり、初心者でも使える環境が整ってきた。初心者が画像処理を学ぶには、グループで同じソフトを使い情報を交換し合って学ぶのが望ましいとかねがね思っていた。そんな時Gimpのような誰もが入手しやすい無料のそして高機能のソフトがあるのは有難い。
このページは、入門書ではない。私がヘルプや解説サイトで調べた覚書。詳しく手順を書いているところもあれば、手順を書いてないところもある。Gimpを使い始める人に役立つかどうか。
このページではGIMPの基本事項を扱い、次の「Gimp2」写真の加工(フォトレタッチ)で、具体的な使い方を扱う。描画機能についても出来たら調べたいと思う。
ギンプ。ジンプとも言われる。(GNU Image Manipulation Program)
最初は米国の Peter Mattis と Spencer Kimball 2人の大学生が開発し始めたが、現在は世界の数千名の人々が関わり、各国語に翻訳され、沢山の GIMPチームのメンバーによる共同作業で、開発・サポート・テスト・普及が支えられている。
元々はLinuxなどUINX系のソフトで、現在はWindows、Macにも対応している、フォトレタッチ、イメージの創作、画像の閲覧など高度機能の画像処理ソフトウェアで、Photoshopにある機能は殆どあるというオープンソースソフトウェアだがCMYKをサポートしていない。
GIMPのマスコットキャラクター は、「Wilber (ウィルバー)君]という。場面により色々変身する。
グヌーまたはグニュー、ヌーと読む。「GNU は UNIX ではない (GNU's Not UNIX)」という言葉の頭文字を取ったプロジェクト。GPL(General Public License)というフリーソフトのライセンスを提唱している。
入手先:「gimpを使おう」のページが判り易い。
http://www.geocities.jp/gimproject/gimp2.0.html
ページを開き、初めの方の[GIMP for Windows のダウンロード]をクリックすると、[GIMP2のダウンロード]のページ
http://www.geocities.jp/gimproject2/download/gimp-download.htmlに移る。
[gimp-2.6.6-i686-setup.zip ]のリンクをクリックすると、[ファイルのダウンロード]のウインドウが出て保存するフォルダを指定できる。
[GIMP_Portable_2.6.6.paf.exe ]のリンクをクリックすると、英文のページに移動する。[Download Now! GIMP_Portable_2.6.6.paf]とあるリンクをクリックすると、[ファイルのダウンロード]のウインドウが出て保存するフォルダを指定できる。
前項のダウンロードのページに通常版、ポータブル版ともインストール(導入)手順へのリンクがある。
ダウンロードした[gimp-2.6.6-i686-setup.zip ]を解凍ソフトで解凍すると[gimp-2.6.6-i686-setup.exe]というインストーラーのファイルが出来る。
GIMP-2.0フォルダの中に4つのフォルダ(bin、etc、lib、setup、share)がインストールされる。
「インストール」という言葉を使うが、解凍するだけ。デスクトップのショートカットやスタートメニューへの登録は手動ですることになる。
展開されるフォルダとファイル
「通常版と使い方は同じ」そうだが、展開されたフォルダ・ファイルは異なる。Portableは、USBメモリに入れてどのパソコンでも使える。
GIMPPortable.exeをダブルクリックで起動する。
GIMPを起動すると、中央のメニューバーに「ヘルプ」が見え、クリックするとサブメニューもある。[今日の技]は日本語だが、[ヘルプ][状況対応ヘルプ][ユーザーマニュアル]のリンク先は英文になる。
GIMPのアプリケーションに連動した日本語のヘルプが提供されている。
以上で、[ヘルプ]と[状況対応ヘルプ]は日本語表示にでき、インターネットに接続されていなくても表示できる。(一部翻訳されていない項目がある。)
日本語翻訳チームの作業拠点のサイトに、最新のHTML化したページがある。こちらは公式ヘルプの翻訳がされてない部分も訳されているので助かる。
help/(フォルダ) ja/(フォルダ) *.html *.xml *.css images/(フォルダ)
公式ヘルプはWindows Vistaの場合、Gimp2を初期値でインストールしてあれば、次の場所にあるはず。
C:\Program Files\GIMP-2.0\share\gimp\2.0\help\ja\index.html
GIMP (GNU 画像編集プログラム)使用のてびき サイト内検索が出来るので、メニューで探せなかった時に役立つ。
メニューバーの[ヘルプ][状況適用ヘルプ]をクリックし、マウスポインタに疑問符マーク[?]が追加された状態で、GIMPの操作する箇所をクリックすると、ヘルプのその操作の部分が表示される。
具体的には、ツールボックスのあるツールを選択すると、下のツールオプションがそのツールに替わる。メニューバーの[ヘルプ][状況適応ヘルプ]をクリックしてから、ツールオプションをクリックすると、そのツールのヘルプが表示される。
インターネット上には、多数日本語の解説サイトがある。
GIMPのオフィシャルハンドブック、The Gimp Users's Manualの完訳で包括的な解説書だが、GIMP1.2のために書かれていて少し古く、新しい機能の情報がない場合がある。
http://www.geocities.jp/gimpfile/gum_jp/index.html
細目次 http://www.geocities.jp/gimpfile/gum_jp/content_detail.html こちらの目次から情報を探すとよい。
http://www.dougamanual.com/blog/136/
http://kumacrow.blog111.fc2.com/blog-entry-148.html
イメージウインドウ・ツールボックスとツールオプション・ダイアログとドッグはそれぞれタイトルバーをドラッグすれば移動できる。
中央のメニューバーのある横長のウインドウ。ここで画像を作ったり、画像ファイルを開いて表示して、画像を見て確認しながら作業する。開いた画像毎に新しいイメージウインドウができる。
画像ファイルを開くと画像の上と左にメモリが表示され、位置や長さを確認できる。
複数の画像を開いているときに最後のイメージウインドウを閉じるボタンで閉じると、GIMPが終了する。GIMPを終了する方法は、メニューバーの[ファイル][終了]か、ツールボックスの閉じるボタンで終了するのが本筋かもしれない。
イメージウインドウの左側の上ににツールボックス、その下ツールオプションがある。ツールボックスの33個のアイコンが一つずつのツールを表す。ツールを選択するとそれに対応するオプションが下に表示される。
起動した初期値が[ブラシで描画]になっているので、不用意にイメージウインドウに開いてある画像の上でクリックすると黒点を描いてしまう。
ツールボックスの上の部分(タイトルの下)に画像ファイルをドラッグ&ドロップすると新しいイメージウインドウが出来てそのファイルを開く。
ツールボックスを閉じるボタンで閉じると、GIMPが終了する。
起動した画面の右側にはダイアログ(ボックス)の[ドック](容器ウィンドウ)があり、初期値は上に[レイヤー][チャンネル][パス][操作履歴]のダイアログを纏めてありタブで切り替えられる。下には[ブラッシ][パターン][グラデーション]のダイアログを纏めたドックが表示されている。ドックに入れられるのは常設ダイアログのみ。
メニューバーの[ウインドウ][ドッキング可能なダイアログ]をポイントするとサブメニューで23個のダイアログを選べる。ダイアログを選ぶとそのダイアログが表示される。一つのダイアログのタイトルバーの下の[ダイアログ名]を他のダイアログへドラッグ&ドロップすれば、ドックができる。すでにあるドックの中へ追加することも出来る。
GIF, JPEG, PNG, XPM, TIFF, TGA, MPEG, PS, PDF, PCX, BMP その他多くのファイルの種類に対応している。デジタルカメラで撮影した圧縮しないRAW画像も読み込めるようだ。
RAW画像の処理は、プラグインの「FURaw」で行うことが出来る。RAW現像プラグイン「UFRaw」へ
次の方法がある。画像を読み込むと新しいイメージウインドウが開き表示する。複数の画像(イメージウインドウ)を開くことができる。
画像を開くと画像全体が表示され、マウスポインタを画像の上に載せてない時はイメージウインドウの下のステータスバーに表示倍率が%で表示されている。下向き三角ボタン[▼]をクリックすると倍率を変更できる。
表示倍率の左の[PIX]は、「ピクセル」の意味。マウスポインタを画面に載せた時に画像の左上を起点とする座標(x,y)がピクセル単位で表示される。傍らの下向き三角ボタン[▼]でミリメートルやインチ等に変更できる。
写真を開くとステータスバーには、表示倍率の他に[背景(xx.xMB)]とその画像のファイルサイズが表示されている。[背景]というのは、読み込んだ写真は「背景として扱われている」という意味で、以後書き込まれるデーターはレイヤーとして積み重ねられるのだと思う。マウスポインタを画面の上に置くと、ステータスバーに「クリックして描画します…」と作業内容が案内される。
初期値ではツールウインドウなどと共に描画を前提にした画面になっている。
GIMPで画像を編集するには、編集対象の範囲を選択する必要がある。
ツールボックスには[矩形選択][楕円選択][自由選択][ファジー選択][色域を選択][電脳はさみ][前景抽出選択]と多数の選択に関した選択系ツールが用意されている。それぞれツールオプションがあり、細かく調整して機能にあった画像の部分を選択できる。厳密に言うと選択の境界の点線は中間の位置を示していることになっている。選択に限らないが目的の結果を得るまでいろいろ試してみる必要がある。
鉛筆・ブラシなどのツールを使い、選択したい画像の部分を直接塗りつぶす方法で選択範囲を作ることができる。
レイヤー(Layer 階層)は、GIMPで作ったり加工したりして保存したファイル(*.xcf)に含まれている。(次項で触れるが、*.xcf以外のファイルではレイヤーは機能しない。)GIMPでの画像操作はレイヤーを操作することになる。
何枚もの透明なシートにある画像を構成する画像オブジェクト(物、対象)を、重ねて透視すると画像全体が見える。GIMPで操作(加工)するのは、その中のアクティブ(活性)レイヤーに対して行われる。
レイヤーを管理するのが[レイヤーダイアログ]で、GIMPではツールボックスと同様重要な役割がある。
GIMPでxxxx.JPGなどの画像ファイルを開くと、タイトルバーに[XXXX.JPG-1.0(RGB,1枚のレイヤー)1600x1200-GIMP]などと表示される。1枚の活性(アクティブ)レイヤーになっていて、レイヤーダイアログには、[背景]としてサムネール(縮小画面)が表示されている。すべての画像は背景レイヤーを持っていて、不透明度が100%になっている。
新しいレイヤーを追加して文字を挿入したり、別の画像からコピーして貼り付けたり、特定のレイヤーを活性化して処理したり、いろいろな加工が出来る。背景以外のレイヤーはアルファチャンネルを持っていて、画素ごとの透過程度を灰色の濃淡を 0 から 255 の値(アルファ 値)で表す事が出来る。
活性(アクティブ)レイヤーに加えた加工は、他のレイヤーに影響を及ぼさない。
GIMPを起動した画面の右側にダイアログが表示されている。初期値でレイヤーダイアログタブがあり、クリックするとレイヤーダイアログが開くが、画像を開いていないときは内容がは灰色に表示されなにも操作できない。
GIMPに画像ファイルを開くとこのレイヤーダイアログに[縮小画像][モード 標準][不透明度 100%][透明保護]などが表示される。縮小画像の左にある小さい「目」のボタン?をクリックすると、イメージウインドウに表示された画像が縞模様に変わる。もう一度クリックすると画像が現れる。これを「可視性の切り替え」という。
レイヤーダイアログに中でマウスを右クリックすると、レイヤーを操作するコマンドメニューが(状況によりアクティブでない項目があるが)22項目現れる。
レイヤーダイアログの操作を習得すると、高度の操作が出来る。
GIMPを終了するときや画像ファイルを閉じるときに、GIMPで手を加えた場合でまだ保存してないときは、保存を促す確認するウインドウが出る。
GIMPで手を加えたすべての情報が入ったファイルの種類は、GIMP由来の [XCF 形式]のみ。これにはレイヤー・透明度・などのGIMP固有の情報があるので、画像の編集途中でこの形式で保存しておけば、後日継続して編集を続ける事が出来る。しかし、他のアプリケーションでは開くことができないので、利用するアプリケーションに適した形式で保存する必要がある。
例えば写真(jpgファイル)をサイズ変更した場合など、レイヤーや透明度などの機能を使わなかったときは、そのまま元の形式(jpg)で保存できる。jpg形式の場合保存するたびに圧縮され画質が落ちる。(初期値では94%の圧縮)
レイヤーや透明度などで編集した場合は、その機能のない元の形式で保存しようとすると、GIMPのXCF形式から元のファイル形式へ変換するためのファイルのエクスポートダイアログがでる。
GIMPではそれぞれのファイル形式をそれぞれのプラグインで処理される。
GIMPの使い方は「Gimp2」写真の加工(フォトレタッチ)へ