home >> パソコンで楽しむ >> 高機能画像処理フリーソフト“Gimp2”覚書 | Gimp2の基本事項 | Gimp2で写真の加工
このページは、入門書ではない。私がヘルプや解説サイトで調べた覚書。詳しく手順を書いているところもあれば、手順を書いてないところもある。理解が進んでいないところは粗っぽくなる。Gimpを使い始める人に役立つかどうか。
Gimpについて基本事項は、別ページの Gimp2の基本事項 にまとめてある。ここでは写真の加工(フォトレタッチ)をまとめた。
足らないところに気が付いたら書き加える。
カメラで撮影したオリジナルファイルに対して直接作業するのは、誤って大事なデーターを失う危険があるので、必ず作業用のファイルを作る。
画像ファイルを開く前に他の作業用フォルダにコピーして、コピーした画像ファイルを開いて作業をする。ファイル名は変更し元のファイル(オリジナルファイル)名に文字を追加して区別できるようにした方が間違いが少ない。
メニューバーの[ファイル][コピーを保存]を使って保存することも出来るが、保存後も開かれているファイルは元のオリジナルファイルになっている。作業をするには間違わないように、オリジナルファイルを閉じてコピーファイルを開き直さなければならない。
また、オリジナルファイル(jpg)を開いてから、メニューバーの[ファイル][名前を付けて保存]で他のフォルダに保存するのは、さらに圧縮するので繰り返すと画質を低下させる。
文字を書き込むなどレイヤーを使った画像は、完成するまではGIMP独自のファイル形式(XCF)で保存する。そのため、[名前を付けて保存]の[ファイルタイプを選択]で[GIMP XCF画像]を選び、拡張子の[.xcf]を確認して保存する。
ここでの「サイズ」は、紙にプリントした写真の大きさやパソコンのディスプレイ上に表示する大きさではない。「ファイルサイズ」を指す。
デジタルカメラで撮影した画像のファイルサイズは大きいので、処理や転送に時間がかかり、場合によってはトラブルの原因になる。目的に応じたファイルサイズに変更するが、拡大することはなく殆どの場合縮小することになる。
水平解像度・垂直解像度については、今のところ判らない。
カメラのシヤッターを押したときの撮影範囲が狙い通りの構図であれば最良だが、不要な部分を排除し撮影した範囲のうちの一部分を切り取って強調表現したい時が多くある。撮影したときよりディスプレイで見た時の方が、ゆっくり構図を考える事ができる。また、カメラの望遠機能が足らない場合、高い解像度で撮影して、思い通りの構図に一部分を切り取ることで間に合わせることができる。トリミングは画像ファイルを作る重要な作業の一つ。
左上端をクリックすると、イメージウインドウの下のステータスバーに[矩形:0 X 0]と表示され、ドラッグすると[矩形:xxx X yyy (z.zzz : 1)]と変化する。これを利用してプリントする用紙の縦横比に合わせてトリミングすることができると思う。
シャッターを押す力が大きいのか、撮影場所が傾斜していたのか、写真の中の水平線(それに相当するもの)が傾斜してしまうことがある。水平のものが傾斜して見えるのは、意図的に行ったとき以外は不安定な感じになり修正したくなる。
逆光とか撮影条件の影響とカメラの設定の失敗や機能の限界などで、撮影した写真に明るさとコントラストについて手を加えたくなることが多い。
メニューバーの[色][明るさーコントラスト](または、[ツール][色ツール][明るさーコントラスト])で、明るさーコントラストダイアログが表示される。
[プレビュー]のチェックボックスにチェックが入っていると、調整の値が画面に反映される。
[明るさ][コントラスト]のスライドバーのスライドを左(マイナス)、右(プラス)にドラッグすると、画面全体の明るさとコントラストを調整できる。(画面上をマウスで縦にドラッグすると[明るさ]、横にドラッグすると[コントラスト]を調整できる。決定はダイアログの[OK]ボタン。)
光量不足の写真を明るくするとコントラストが落ちるので、コントラストを少し高くする。簡便な方法だが画面全体を調整するのできめ細かな調整はできない。
[この設定をレベルで調整]ボタンは、以下のヒストグラムを操作する。
GIMPの[レベル]は、ヒストグラムを操作する。
ヒストグラム(度数分布図、Histogram)は、バラツキの分布状態を柱状グラフに表したものだが、デジタル画像では横軸に画像の中のシャドーからハイライトまで輝度(明るさ)で0(真黒)から255(純白)を表し、縦軸にその明るさ(輝度)の画素(ドット、ピクセル)数を柱状グラフに示したもの、どの位の明るさの点が、どの位有るかがわかる。画素の分布がシャドーまたはハイライトに偏っていないか?メリハリのない眠い画面になっていないか?などを点検できる。
GIMPでは、メニューバーの[色][レベル]で[レベル]ダイアログが開く。この中の[入力レベル]のグラフがヒストグラム。
[ウインドウ][ドッキング可能なダイアログ][ヒストグラム]のダイアログでは、レベルで調整した結果のヒストグラムを見ることができる。
ヒストグラムはデジタルデータを解析して表示し、慣れるとカメラで撮影したときにどんな写真か確認できるという。また明度だけでなく色のチャンネルでも調整できるそうだ。
参考サイト:プロカメラマンの写真講座25 ヒストグラムのすすめ
[レベル]ダイアログで入力レベルの分布図で、横軸の左端の輝度が0(黒)の近くに画素が多くあると、暗い黒がつぶれている画像になっている。図表では右側(ハイライト側)には画素が無い部分が広くある。
調整するには、図表の下の右端にある[ハイライトスライダ](白抜き三角ー半分だけ見える)を左へ画素の山が始まる位置近くまでドラッグする。
[レベル]ダイアログで入力レベルの分布図で、横軸の右端の輝度が255(黒)の近くに画素が多くあると、明るすぎて全体が白っぽい画像になっている。図表では左側(シャドー側)には画素が無い部分が広くある。
調整するには、図表の下の左端にある[シャドースライダ](黒三角ー半分だけ見える)を右へ画素の山が始まる位置近くまでドラッグする。
[レベル]ダイアログで入力レベルの分布図で、画素が両端に多くあり、中央の[中間色]が少ない(または無い)場合の画面は、極端に暗いところと明るいところに偏っている。逆光で撮影した写真によくある。
調整するには図表下の中央にある[中間色スライダ](三角)を左右にドラッグする。これは、ハイライト・シャドウの部分を変えないで、画面の明るさを変化させられる。[ガンマ補正]と言っているアプリケーションがある。
[レベル]ダイアログで入力レベルの分布図で、両端のハイライト・シャドウの部分に画素が無く、中央に画素の大きな山が出来ている場合は、メリハリのない眠い感じの画面になっている。
調整するには、シャドウスライダを右へ、ハイライトスライダを左へ画素の山の端まで移動させる。
[レベル]ダイアログの中に[この設定をトーンカーブで調整]というボタンがある。クリックすると[カーブ]ダイアログが開く。[カーブ]ダイアログを開く他の方法として、メニューバーの[色][トーンカーブ]、[ツール][色ツール][トーンカーブ]がある。
ヒストグラムと同様に明度だけでなくRGBの各チャンネル毎に補正できる。暗いところ(シャドウ)、明るいところ(ハイライト)などアンカーの数を多くしてきめ細かく補正できる。
図表の横軸に修正前の輝度(入力値)、縦軸に修正後の輝度(出力値)を0〜255で表して、画像ファイルを開いた修正前は、左下の0 0〜右上の255 255の間に直線が引かれている。[カーブの種類]が[滑らか]になっている時に、直線上をクリックして任意のところへドラッグすると、直線が曲線(色カーブ)になりクリックした個所の輝度を変える事が出来る。[プレビュー]にチェックが入っていると画面(キャンバス)に反映される。また、[ウィンドウ][ドッキング可能なダイアログ][ヒストグラム]で変更後のヒストグラムを見る事ができる。
明度(初期値)、赤、緑、青、アルファの5つのチャンネルを切り替え、それぞれのチャンネル毎に調整することができる。
[明度]チャンネルが画像全体の明るさを表す。
[赤、緑、青]の各色のチャンネルは、その色の量を表し、「暗い」は量が少ないこと、「明るい」は量が多いことを表す。
[アルファ]チャンネルは画素の透明度を表し、「暗い」は透明度が高いこと、「明るい」は不透明度が高いことを表し、その画像に透明度を表すアルファチャンネルが無ければ使えない。
露出が足らなく暗い写真や反対に明るすぎる写真は、色カーブ(最初は斜線)の中央を上(暗すぎるとき)・下(明るすぎるとき)にドラッグすると改善できる。(ヒストグラムの中間色の操作と同じか?)
暗い部分だけを明るく(暗く)したい時は、色カーブの暗い部分(中央と左(下)端の間の中央あたり)を上下に動かす。明るい部分だけを暗く(明るく)したい時も同じように出来る。
色カーブを垂直に近くするほどコントラストを強く出来る。反対に水平に近づけるほどコントラストが下がりフラットな画像になる。
具体的には、色カーブ(最初は斜線)の中央は固定して、上(右)部の中ほどを上へ、下(左)部の中央を下へ動かして、色カーブはS字状になりコントラストが高くなる。逆に上(右)部の中ほどを下へ、下(左)部の中央を上へ動かすと色カーブの中ほどが最初の斜線より傾斜が緩くなり、コントラストが低くなる。
参考サイト:プロカメラマンの写真講座26 トーンカーブのすすめ
写真は被写体に反射した光を記録するので光源の影響を受ける。フイルム写真ではフイルムの種類を選びレンズの前にフィルターを付けて調整する。デジタルカメラでは、ホワイトバランスで調整する。
光源の影響を受ける被写体の色温度を、白い色を白く表現することで補正する。
撮影環境に合わないホワイトバランスを使うと、特定の色に偏った色調になる。これを「色かぶり」という。
晴天の日中の太陽光の下でも、ビルの日陰などが青味を帯びるなど色かぶりが起きる。逆に紅葉の赤みを強調するために電球等の色温度に下げて撮影する事も出来る。
デジタルカメラの場合は、撮影が終わってからフォトレタッチソフトで補正することができる。
GIMPで色補正する方法はいろいろあるが、純粋に白い点、逆に純粋に黒い点がある画像はホワイトバランスで補正できる。
「色合い」とは何とも曖昧な表現。カメラで撮影して、パソコンのディスプレイで見て、プリントして……、「どうも色が変だ」というときがある。ディスプレイやプリンターが、画像ファイルの色を忠実に表現しているかどうかという問題があり、それを調整する方法もある。それ以外にも画像ファイルの「色」にはいろいろな問題がある。少し調べた事をまとめたのがある。よかったら私のブログ「パソコンの「色」について覚書」を参照。
撮影後画像ファイルに手を加えて、色合いを調整するには、今まで出てきた[ヒストグラム][トーンカーブ][ホワイトバランス]のダイアログにある[チャンネル]で R,G,B 各色を選択して調整する方法がある。
最も簡単な方法。メニューバーの[色][自動調整]をクリック、以下のサブメニューを選択する。色々試して画像と自分の意図に合ったものを選ぶ。
メニューバーの[ツール][色ツール]のサブメニューに次の項目があり、それぞれのダイアログで画像の色合いを調整することが出来る。
手ブレかピンボケか、撮影した写真の主体がハッキリしないことがある。反対にコンパクトデジカメは背景をボカして主体を強調するのが難しい。撮影時の条件が大きく影響して大きな修正は難しいが、ある程度はGIMPで修正できる。
直訳は「非明晰化マスク」(略称 USM)で名称からは逆の「ボカすマスク」のように受け取られるが、シャープにするマスク。
メニューバーの[フィルター][強調][アンシャープマスク]でダイアログが開く。[半径][量][しきい値]のスライダーで調整出来るが、数値を高くすると失敗する。殆どの場合初期値のままでよい結果が得られる。
シャープ化の際に色の歪みが起こるのを防ぐため、画像をHSVにチャンネル分解して、明度Vチャンネル上にだけフィルタをかけ、そのあとまたHSV画像に合成するとよい結果が得られる。
その画像を使用する解像度で補正する。
メニューバーの[フィルター][強調][シャープ]でダイアログが開く。調整はスライダーを動かすだけ。プレビューのスクロールバーで(或い縦横のスクロールバーの交点の十字の矢印をドラッグして)チェック箇所を表示してスライダーを動かす。
イメージウインドウへは[OK]ボタンをクリックしないと反映されない。シャープ度を高くすると画像が荒くなりノイズが目立つ。前項のアンシャープマスクの方がよい結果を得られる。
部分的にシャープにしたい時ツールボックスの[ぼかし/シャープツール]を使う方法がある。ツールボックスの水滴のようなアイコンをクリックするか、メニューバーの[ツール][描画ツール][ぼかし/シャープ]をクリックすると、ツールオプションが[ぼかし/シャープ]になる。
[色混ぜの種類]を[シャープ]にして、[割合]を適当なレベルにし、マウスでシャープにする部分をドラッグする。(必要に応じブラシの太さなどの設定をする)
重ねて使うとノイズが増えるなど不都合があり控えめに使う。レイヤで範囲を限定して、アンシャープマスクを使う方がよい結果が得られる。
光の量が足らない時、露光時間が短すぎた時、データー不足でざらついた写真になることがある。ざらつきを取り除く2つの方法。
カメラの方を見ている人物にレンズを向けフラッシュを使うと、目の虹彩が光を受け赤くなる(赤目)ことがある。拡大して赤い箇所を塗りつぶせばよいのだが、GIMPにはフィルタが用意されてある。
写真を極端に変えてしまうことは、写真と言えないのかもしれないが、必要により利用できる機能がある。
上下・左右に反転させる機能。
または[画像][変換][垂直反転・水平反転]でも同じ事が出来る。
剪(せん)断変形とは、たとえば四角形の場合上の辺を左へずらし。下の辺を逆の右へずらす(平行四辺形が出来る)変形をいう。当然画像はゆがんだものになる。写真では特殊な場合使われるのだろう。
用途にもよるが、ゆがんだ画像を全部使う場合は、はみ出す分キャンバスの大きさを大きくしておかないと、ずらした部分の画像が失われる。逆にずれた部分はキャンバスが現れるので、四角形で画像を使う場合トリミングする必要がある。
人の目やカメラのレンズは遠くのものが近くのものより小さく見える。絵画も遠近感を出すには位置により大きさや色を工夫する。GIMPの遠近法ツールは、例えば画面の下辺をもとのままにして、上辺を短くくして画面を歪ませて遠近感を出す。高さを小さくした方が効果があるかもしれない。逆に、高い建物を下から仰ぎ見て撮影すると、建物の上の方が極端に小さく映るのを広げて補正することができる。四隅を引っ張って歪ませるツール。
レンズの焦点距離が短いカメラで四角いものを撮影すると、極端な場合樽型に写る。GIMPにはレンズの歪みを補正する機能がある。
撮影した写真に実際には無かったゴミのようなものが映っていることがあったり、実際にあったものだが写真として見えなくした方がよいものが映っていることがある。画面を拡大して周囲の色でドットの一つずつを塗りつぶしていく気の遠くなることをやってみたことがあるが、GIMPにはこれらを取り除く方法がある。
ゴミやレンズの汚れを取り除くフィルタ。
中央値に[適応的]をチェックすると[半径]のスライダの値は無効になる。半径はノイズ除去を作業する窓の大きさ。
このツールは写真の修整だけでなく色々な用途があるようが、ここでは撮影した写真の中の一部分を見えなくするのに用いる。
6.でクリックの時は、5.で登録したところが動かないので、何回クリックしても同じ色で塗りつぶされる。
6.でドラッグすると、5.で登録したところが関連して移動するので、ドラッグしたところは最初の色とは違う。(ブラシの幅で5.で登録したところを始点とする画像がコピー貼り付けされる。大きくドラッグすると思わない結果になる。)
作業は少しずつ行い、時々原寸画面で確かめながら進めるとよい。
使い方は前項の[スタンプで描画]ツールに似ているが、単なるコピー&貼り付けではなく、塗りつぶす部分の周辺の画素との関係を考慮した色で塗りつぶす。「肌のシミを取り除く」などの時に効果がある。
前項の[スタンプで描画]ツールと結果が違う。極端に違う色で修復することはできない。
ブラシの大きさは小さくし、ドラッグするときは短くした方がよい結果が得られる。
修復した箇所が周辺と違和感があるときは、範囲を[自由選択]ツールなどで選択して、メニューバーの[フィルタ][ぼかし][選択的ガウシアンぼかし]でぼかして目立たなくする方法がある。
写真の中に文字を入れる事が出来る。写真の雰囲気を壊さないようにするのは感性の問題。出来ることなら写真はそのまま見ていただき、コメントなど必要な時は画像外で用意したいもの。
ここではスライドショーなどで使う「どうしても写真の中にテキストを」という場合のため、画像の中にテキストを書き込む。作業途中でファイルに保存する時は、必ずレイヤー情報を保存できるGIMP特有のファイル形式[*.xcf]で保存する。
テキストエディタで入力した文章が一つのテキストレイヤーになる。違う書式を使うには、別のテキストレイヤーを作る。
フォントの選択については次項を参照
文字の配置を変化させるには、ツールオプションの下の[パスに沿ってテキストを配置][テキストからパスを生成]ボタンを使う。
GIMP本体では縦書きには今のところ対応していない。プラグインやスクリプトで対応したものがあるそうだ。
ツールボックスの下のオプションで、テキスト入力についてのいろいろな設定が出来る。
コンパクトデジタルカメラは、被写界深度が深いので背景にもピントが合ってしまい、ボケ味を出すことが難しい。主体を強調するために背景をぼかすことが必要な時がある。
また、商品見本のような時は、背景を出来るだけ目立たない、主体を浮き出させる色にしたい時がある。
作業途中でファイルに保存する時は、必ずレイヤー情報を保存できるGIMP特有のファイル形式[*.xcf]で保存する。
主体を選択しコピー&貼り付けで前景の新しいレイヤーを作り、背景全体をぼかす。
アクティブのレイヤーを確認して作業を進める。
ぼかしの半径を大きくすると不自然な画像になるので控え目にしておく。
選択方法はどの選択ツールでもよいので、選択しやすいツールを使う。
背景をぼかすだけではなく、適当な色で単純化してしまえば、主体だけの画像になる。少し乱暴な手法だが、背景色を選んだりグラデーションを工夫したりすれば良い結果が得られるかもしれない。
塗りつぶしツールではなく、[ブレンド]ツールを使うと、グラデーションで塗りつぶすこともできる。
画像の一部を選択してコピーし、別のところか画像へ貼り付ければ、合成写真が出来る。選択ツール・レイヤー、フィルタをを使えば現実にあり得ない情景を作り出すこともできる。また、GIMPにプラグインを追加すればいろいろな機能を追加して作業を簡便に出来るそうだ。
ここではすでにインストール済みでGIMPに用意してあるプラグイン(だと思う)[合成フィルタ][深度統合]について調べてみる。
[深度統合]ダイアログで調整する要素の意味は次の通り。
この深度合成を使うポイントは、合成する画像元のファイルの選定と、深度マップの作成にある。
心霊写真のようなものも作ることが出来るが、いずれにしても合成写真は事実を表したものではないので用途を誤らないようにしたい。
今までもフィルタを使った手法が取り上げられていたが、GIMPには最初から多くのフィルタが用意されている。メニューバーの[フィルタ]には、ぼかし、強調、変形、照明と投影、ノイズ、輪郭抽出、汎用、芸術的効果…と15個のメニューがあり、それぞれにサブメニューがある。このフィルタはGIMPの機能を拡張するプラグインで作られている。さらにインターネット上には世界中のユーザーが提供している「プラグイン」がたくさんある。そして腕と時間があれば、必要なプラグインを自作する道もある。
ここでは、いくつかの例を取り上げる。
写真の四隅を丸めて必要により影を付けるフィルタ。
写真の縁(四辺)を曖昧な不揃いの幅で縁を取りぼかすフィルタ。
写真の輪郭を残し白黒のコピーをしたような画像にするフィルタ。
マスク半径で定めた大きさで周囲の平均よりも暗いと測定された部分を黒く残し、それ以外の画素を白くしている。
着色する下絵にしたり、追加レイヤーで画像の輪郭を強調したりすることが出来そうだ?。
GIMPには機能を拡張するプラグインが数十個も最初にインストールしたときから提供されている。その中の殆どが[フィルタ]メニューにある。GIMPに同梱されているプラグインにはヘルプがあり使用方法が理解しやすいし、検証されているので動作が安定している。
また、GIMPには、Script-Fu という MS Office のマクロのようなインタープリタ言語(コンパイルしないプログラム)があり、多数使われている。スクリプトはGIMPの中でプラグインとは別の場所に置かれている。Windows Vastaの例
プラグイン C:\Program Files\GIMP-2.0\lib\gimp\2.0\plug-ins\*.exe(C:\Users\(User name)\.gimp-2.6\plug-ins\*.exe)
スクリプト C:\Program Files\GIMP-2.0\share\gimp\2.0\scripts\*.scm(C:\Users\(User name)\.gimp-2.6\scripts\*.scm)
GIMPの同梱されたものは、ヘルプで説明されているが、Webで提供されているプラグインなどは英文のものが多く、ダイアログが日本語化されていなかったり、日本語の説明がなく使い方がわかりにくいものがある。また、新しいバージョンのGIMPにはすでに取り入れられているものや、検証が十分されていないものがWebに提供されていることがあるので、導入には注意が必要。
最近の高度なコンパクト・デジタルカメラでは、撮影した写真のデーターをJPGなどの圧縮ファイルにしないで、生のデータのままファイルにして、後の処理をコンピュータに任せる事が出来る。RAW 「ロウ」と読み、[生、料理していない]という意味。
RAW形式の画像ファイルは、CCDやCMOSセンサーなどの撮像素子からの信号をそのままデジタル化したもので、文字通り「生」のデータ。RAWファイルはそのままでは一部を除きビュワーや画像処理フォフトで写真を見ることができない。
カメラに付属するソフトなどで「現像」という作業をする必要がある。RAW現像とは、RAWファイルのパラメーターを調整して、JPGやTIFFなどのファイル形式に変換することをいう。現像の段階では画質が劣化することはない。カメラの中で現像処理されJPGなど圧縮されたファイルより、自由度の大きい自分好みの現像が出来る。
[FURaw]は独立したフリーのアプリケーションだが、GIMPのプラグインとしてインストールしておくと、GIMPからRawファイルを開くとFuRawを起動してRawファイルを開くことが出来る。またUFRawからGIMPへ現像したファイルを渡すことが出来る。
参考サイト:プロカメラマンの写真講座17 RAW画像現像のすすめ デジタル現像
「gimpを使おう」のページの「Tips」にあるリンクからRAW現像プラグイン「UFRaw」に移り説明を読み、ダウンロードのリンクで日本語対応のufraw-0.15-setup.exe (1.55MB)をダウンロードする。
インストールは、ダウンロードしたufraw-0.15-setup.exeをダブルクリックすると、GIMPがインストールされているフォルダを探して、インストールする。
途中スタート(プログラム)メニューのGIMPフォルダとデスクトップにショートカットを置くことと、クイック起動バー(タスクバーのスタートボタンの右)にアイコンを置く設定があり、確認画面が出る。
次の方法で起動出来る。
Raw形式の画像ファイルといってもRawに標準仕様が無く、拡張子が[*.raw]というファイルがあるのではない。今のところカメラメーカーごとに拡張子が違う。キヤノン「CRW,CR2」、ニコン「NEF」、ソニー「ARW,SR2」、ペンタックス「PEF」、富士「RAF」そしてコダック「DCR」。だからカメラに付いてくるRaw現像ソフトが他のメーカーのカメラのファイルを現像できるかどうかは判らない。 しかし、Adobe社が長い間提唱していた画像フォーマットDigital Negative(DNG)の標準化が受け入れられ、殆どのカメラメーカーのRawファイルが対応されているので、DNGに対応しているUFRawでは大丈夫ということらしい。参考:UFRaw本家のサポートページ(英文)
現像した写真を保存する形式は、[PPM][TIFF][JPEG][PNG]の4種類。だが、UFRawの画面の右下の[Send image to Gimp]ボタンをクリック(またはAlt+Gキー)すると、GIMPを起動してその画像を読み込むので、GIMPが保存できる画像ファイル形式で保存が可能ということになる。
起動したときのUFRawの画面はRawファイルを読み込む画面で、左側にフォルダツリーがあり、フォルダの内容が右の広い所に表示される。右下のリストボックスのスピンボタン(▼)をクリックし[すべてのファイル]を選択すると、*.JPGなどの画像ファイルを表示できるが、選択して[開く]ボタンをクリックしても、[nosuppoted fijeformat]と表示され開くことが出来ない。このリストボックスは初期値の[Raw画像]としておく。(RawIDファイルなどについては判らない。)
Rawファイルが手元にない時は、提供されているサンプルファイルファイルをダウンロードできる。KODAKのサイト解像度が3000X45000位でファイルサイズが10MBを超えダウンロードに時間がかかる。
Rawファイルを読み込むと、2つのグラフと読み込んだ画像が表示され、調整のためのボタンやスライドバーが並んでいる。日本語表記と英文のままと入り混じっている。それぞれのところでマウスポインタを載せると説明が出るところがある。UFRawはもともとLinuxのソフトなのでWindows風のレイアウトになっていない。ヘルプがなくUFRawの本家WebページのUser Guide(英文)に概略の説明があるが機械翻訳してみても専門用語がたくさん出て要領を得ない。判り易く説明された日本語のWebページをさがしたら「春夏秋冬」(ブログ)を見つけた。いろいろ説明があるが、結局のところ自分で手探りで動かしてみて確かめるしかない。
上のヒストグラムは[Raw histogram]で、すぐ下の露出の調整で露出の値を変えると、左下から伸びているRGBのグラフが大きく変わる。右の矢印のボタン[露出をデフォルトに戻す]をクリックするとEV補償が0.00に戻る。その左の[自動露出補正]をクリックすると右の画面上をクリックするとそのスポットの値をグラフの下に表示する。EV:露光値(露出値)exposure value 撮影するときの露光量をあらわす。値が大きくなるほど露光量は隙なくなる。Ev=Av+Tv
参考サイト:一眼レフカメラ入門 Ev値(=Av+Tv)って何?
露出の下には[タブ]で切り替えられる。[ホワイトバランス(WB)][グレースケール(黒白)][ベースカーブ(基本曲線、トーンカーブ)][カラーマネジメント(色の管理)][輝度・彩度][トリミング・回転][保存(Save)][EXIF]のタブがありそれぞれ設定事項がある。Exif:イグジフもしくはエグジフ(Exchangeable Image File Format)カメラの機種や撮影時の条件情報を画像に埋め込んでいる。JPEG、TIFFなどが対応
画面左下の動的ヒストグラムは、英文では[live histogram]で、画面右のプレビュー画像のヒストグラムで、設定を変えると動的に更新される。ヒストグラム上では調整できない。
右側プレビュー画面の下にズーム各種、[オプション][削除][キャンセル][保存][GIMPへ送るボタン]が並んでいる。
UFRawにヘルプは無い。従って本当の使い方はわからない。Web上にある情報は断片的で全体を通した使い方を解説しているものは見つからない。「それほど奥の深いものなんだ」と納得するしかない。
前項の「UFRawの画面」にある、露光量の調整、ホワイトバランス、トーンカーブ、色の管理などはいろいろ試してみるとGIMPでフォトレタッチしたものと大体似たものなので、自分の納得できる画像に辿りつけるようだ。
ファイルの保存の設定がWindowsのアプリケーションと勝手が違う。
[Save]タグをクリックして、[Path][Failename]とファイルの種類を[PPM][TIFF][JPEG][PNG]の4種類の中から選択して(JPEGの場合圧縮率を設定、初期値は85%)、右側プレビュー画面の下の[保存]をクリックする。「保存しています」と緑色の帯が伸びて、定められた場所に保存される。