home  >>  パソコンで楽しむ  >>  パソコンの「困った!!」助け舟INDEX | 氏名のふり仮名を別の列に入力したい

パソコンの「困った!!」助け舟 Excel

氏名の読みを別の列に入力したい

名簿や住所録の記載順序を氏名で並べ替えるとき、Excel 2003 でも漢字のままで並べ替えても、「読み」と同じに並べ替えてくれます。以前のバージョンでは漢字コードで並び替えたので、氏名の読みの列を作り、この列を最優先キーに指定して並び変えていたと思います。Excelでの並び替えには必要無くなりましたが、他に読みが必要となることがあるかもしれません。

1件ずつ入力するのは大変ですから、Excel の関数でふり仮名を表示します。

PHONETIC関数

関数とは

数学では以前は「函数」と書いていましたが、当用漢字に「函」が入っていなかったので、「関数」と書かれるようになりました。難しい定義は判りませんが、変数 x,y がある時に、x にある値が与えられると、y の値が決まる関係を、「y を x の関数」と言います。数式では「y = ƒ (x)」と書きます。Excelの画面の[数式バー]に関数のボタンがあります。

Excelでは非常にに多くの関数が用意されています。関数を使うことで複雑な計算を行うことができます。

セルに関数を書き入れるには、次のように書きます。

=関数(数値1,数値2,…) 例えば =PHONETIC(B3)

最初の“=”(イコール)、“(” “)”の記号と関数、数値1,数値2,などすべて半角英数文字で書きます。

“=”(イコール)は数式には必ず最初に書きます。

関数名はアルファベットです。小文字で入力しても大文字で表示されます。

カッコ内は引数(ひきすう)で、最初の説明の x に相当します。数値・数値の入っているセル参照・数値を表す関数などが書かれます。参照するセル範囲の[名前]に全角文字を使う場合があります。

PHONETIC 関数

英語で「Phonetic」はフォネティック 「音声を表す」といった意味です。Excel のヘルプでは、「文字列からふりがなを抽出します」とあります。

引数に指定する範囲にある文字列の「読み」を表示するというのですが、実際はキー入力した“かな”を表示します。漢字にふり仮名を付ける場合と同様に、読みで変換できなっかった文字は、打鍵した文字になります。また、読みが判らないで IME パッドで手書き入力した文字は、辞書にある読みが表示されるようです。

書式

ヘルプでは次のように書いてあります。

PHONETIC(範囲)
範囲 ふりがなの文字列を含む 1 つまたは複数のセル参照を指定します。

引数に文字列を直接入れる使い方はありません。出力される文字はカタカナが初期値ですが、[ふりがなの設定]でひらがなに変更出来ます。出力された文字列を直接修正するとこの関数は無くなり文字列と入れ替わります。修正は[ふりがなの編集]で行います。

関数の入力の仕方

[セルB3]から[セルB15]までに元の漢字の氏名が入力されているものとし、A列に読みを出力させる例で説明します。

Excel 2007/2010 の場合
  1. 読みを入力(関数から出力)する最初のセルA3(関数を入力するセル)をクリックしてアクティブにする。
  2. [数式]タブの[関数ライブラリ]グループの[その他の関数]をクリック。
  3. ブルダウンメニューの[情報]をポイントして、[PHONETIC]を選択(クリック)する。
  4. [関数の引数]ダイアログボックスの[参照]テキストボックスにカーソルが入っているのを確認して、B3(漢字の氏名が入力されているセル)をクリック。
  5. テキストボックスに[B3]と表示されているのを確認して、[OK]ボタンをクリック。
    セルA3に読みが表示され、[数式バー]には、入力されている数式が[=PHONETIC(B3)]と表示されている。
  6. セルA3がアクティブになっているから、マウスポインタをセルの右下角に合わせ、マウスポインタが[+]に変わったらセルA15までドラッグする。数式がコピーされ、すべての氏名の読みが表示される。
Excel 2003 の場合

Excel 2007でもこの方法が出来ます。

  1. 読みを入力(関数から出力)する最初のセルA3(関数を入力するセル)をクリックしてアクティブにする。
  2. 数式バーの[ƒ (x)]関数の挿入ボタン(またはメニューバーの[挿入][関数])をクリック。
  3. [関数の挿入]ダイアログボックスで、[関数の分類]のリストボックスを開き、[情報]をクリック。
  4. [関数名]の中から[PHONETIC]を選択。[OK]ボタンをクリック。
  5. [関数の引数]ダイアログボックスの[範囲]テキストボックスにカーソルが入っているのを確認して、B3(漢字の氏名が入力されているセル)をクリック。

以下は前項の5.6.と同じ。

ふりがなの編集と設定

読みの修正

氏名の読みは、Excel のふりがなの機能で漢字を入力したときの[かな]を表示していますので、正しい読みでないことがあります。修正するには上記の例で直接A列を修正すると、関数の入った数式が失われます。

  1. 修正する氏名(例えばB3)を選択してアクティブセルにする。
  2. [ホーム]タブの[フォント]グループの[ふりがなの表示・非表示]ボタンの右下の三角ボタン(▼)をクリック。
    Excel 2003 の場合:メニューバーの[編集][ふりがな]ををポイントし[編集]をクリックして4.へ。
  3. メニューから[ふりがなの編集]をクリック。
  4. ふりがなが表示され(文字)カーソルが入り編集できる状態になるので、正しい読みに編集する。

姓と名の間にスペースが入っていると、ふりがなが分けられているが、マウスでクリックすれば編集でます。Enterキーで確定すれば、PHONETIC関数で出力したA列も修正表示されます。

カタカナをひらがなに

Excel の初期値では、カタカナで表示されますが、ひらがなに設定できます。これも漢字のふりがなの設定を変更します。

  1. 氏名の最初のセル(この例ではB3)をクリックしてアクティブセルにする。
  2. [ホーム]タブの[フォント]グループの[ふりがなの表示・非表示]ボタンの右下の三角ボタン(▼)をクリック。
    Excel 2003 の場合:メニューバーの[編集][ふりがな]ををポイントし[設定]をクリックして4.へ。
  3. メニューから[ふりがなの設定]をクリック。
  4. [ふりがなの設定]ダイアログボックスの[ふりがな]タブの[種類]で、[ひらがな][全角カタカナ][半角カタカナ]から選択できる。
    他に[フォント]タブでフォントの種類・サイズなどを設定できるが、これは同一セルのふりがなに適用される。
他の氏名にも設定を適用させる

セルB3の読みをひらがなにすることができたら、この設定をB15までの氏名に一度に適用させることができます。

  1. セルB3をクリックしてアクティブセルにする。
  2. マウスポインタをセルB3の右下角に合わせ、マウスポインタが[+]に変わったらセルB15までドラッグする。
  3. マウスから指を離すと、セルB3の氏名がコピーされてしまうが、セルB15の近く(右下)に[オートフィル オプション]が表示されている。
  4. [オートフィル オプション]をポイントすると右に矢印(▼)が出る。クリックして、メニューの[書式のみコピー]を選択する。

first upload:2011-1-23   御連絡はメールでお願いします。(質問に答えるページではありません。)