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パソコンの「困った!!」助け舟 その他

Windows起動の前に電源LEDが一時消える

パソコンの電源を入れてからWindowsのロゴが出る前に、パソコンの電源LEDが一時消えるようになり、Windows のロゴマークが出るまで時間がかかり Windows の起動が遅くなった。

パソコンのLED

パソコンの電源スイッチを押すとLED(発光ダイオード)が点灯します。パソコンには電源のオン/オフを表示するLEDの外に、ハードディスクやCD/DVDドライブの動作を表示するLEDがあります。LEDはマザーボード(基盤)からコードで結ばれていて、コネクターの接続が不十分などのトラブルでも電流が供給されず点灯されません。(LED自体の故障もあり得ますが滅多にないことでしょう。)

ここでは「一時消える」というのですから、パソコンが動作しているときは点灯しているのでしょうから、接続の問題ではなく BIOS に問題がありそうです。CMOSクリアをして BIOS を初期値に戻すことで解決できると思いますので、試みて見ます。初期値を変更してパソコンを使っていた場合は、初期値に戻してから設定を変更することになります。

BIOS

BIOS(Basic Input/Output System)は「バイオス」といい、コンピューターの周辺機器を制御するソフトウエアです。OS(Windowsなどの基本ソフト)やアプリケーションソフトがハードウエアを使えるようにする役割があります。

パソコンの BIOS は、マザーボード上に装着された書き換えが出来ない ROM(Read Only Memory)に書き込まれています。BIOS の設定項目は CMOS(シーモス Complementary Metal Oxide Semiconductor)という RAM(Random Access Memory)に記録されるので、ユーザーが変更設定することが出来ます。パソコンは電源が入ったときまず最初に、CMOS RAM の内容を参照しながら BIOS を読み込んでいるようです。

CMOS RAM の内容はバッテリー(ボタン電池)でバックアップされており、初期値は ROM から読み込まれています。ユーザーが設定する内容は CMOS の設定画面(BIOSセットアップ画面)で設定します。メーカーは CMOS の内容は特に問題がなければデフォルト(初期値)のままで使うことを薦めています。

BIOS 設定画面を表示する方法は、パソコンによって違います。電源スイッチをオンにしてから、ハードウエアの初期化が始まり、POST(Power On Self Test)のときに例えば[Delete(Del)]キーを押すと設定画面が出ます。タイミングが判り難いので、スイッチを押してから例えばDelete(Del)キーを押し続けても設定画面を出すことが出来ます。押すキーはパソコンにより違いますので、取扱説明書かメーカーのサイトで調べます。

CMOS 設定画面は英文 で BIOS により内容が違います。マザーボードや BIOS は台湾製が多いのですが、パソコンメーカーが独自に作っていることもあります。

CMOS クリア

CMOS RAM は、内臓電池によりシステム情報やBIOSの設定をパソコンの電源が切られても、内容を保っていることが出来ます。RAMに周辺機器の情報があるため、Windows を素早く起動させることが出来ます。

BIOS ROM の内容は変更されることはないのですが、CMOS RAM の内容は、間違った設定や電磁ノイズなどによりシステムにより不要な情報が記録され、トラブルの原因になることがあります。

システムが起動しないなどのトラブルや内臓電池が消耗して新しい電池をセットするときに、CMOS RAM の内容を消去することでパソコン出荷時の初期値に戻すことが出来ます。方法はパソコンの電源を切り、電源コードをコンセントから外し、マザーボードにあるボタン電池を取り外し電荷の残りがなくなるよう長時間経過してからボタン電池をセットします。電池ケースの+極と−極をショートさせたり、マザーボードによってはジャンパピンを切り替えて残りの電荷を無くすことが出来ます。(ジャンパピンはボタン電池を取り付ける前に必ず元に戻します。)

マザーボードのボタン電池を取り換えると、BIOSが初期化され、パソコンに電源を入れるとBIOSの段階で止まってしまいます。時計が2007年1月1日(パソコンにより違うと思う)になっていますので修正する必要があります。時計はBIOSセットアップ画面とWindows起動後のコントロールパネルの両方で修正できます。

パソコンの内部に触れるので作業は慎重にし、体に静電気がたまっていないように放電させてから作業にかかります。ノートパソコンのときは、バッテリーを取り外して置く必要があります。装置が狭いところに押し込まれているので、自信のないときは作業を取りやめるのが無難です。

BIOSによっては、BIOSセットアップ画面でパソコン出荷時のデフォルト(初期値)に戻すことが出来ます。

例えば、マザーボードが「MSI」製で P35Neo/G33Neoシリーズ、「AMI BIOS」の場合の手順(BIOS は常に改良・開発が行われているので、表示画面や操作手順は違う場合があります。)

  1. Main Menu で矢印キーで右側の「Load Optinized Defaults」に移動して、Enterキーを押す。(マウスは使用できません。)
  2. 「Load Optinized Defaults?」の画面で、矢印キーで[OK]に移動して、Enterキーを押す。
  3. F10キーを押して Save(保存)する。
  4. Escキーを押し、「Exit(退去)するか」と確かめるので、「Yes」のYキーを押す。

「Load Optinized Defaults」は、工場出荷のデフォルト(初期)値に戻す場合で、マザーボードの性能を最大限引き出します。

別の項目「Load Fail-Safe Defaults」は、システムの安定性を優先した設定値になります。

電源LEDが一時消える件

パソコンの電源スイッチを入れてから、Windowsのロゴが出るまでのBIOSの段階の途中で、電源LEDが2回消えることがあるパソコンを BIOS セットアップ画面の「Load Optinized Defaults」で、パソコン出荷時のデフォルト(初期値)に戻してみました。その結果デフォルト(初期値)に戻す以前より、電源LEDが消える頻度が少なくなりましたが、時々消えて起動に時間がかかるときがあり、現象を完全に改善できませんでした。

マザーボードのボタン電池(リチウム電池CR2032)を取り外して電圧を測ると「3.00V」で、規定の電圧は維持しています。新しく購入した電池は「3.22V」でした。

電池を交換して時計の設定をしてWindowsを起動したら、Windowsのロゴが出るまでの間に電源LEDが消えることはありません。改善できました。

デスクトップパソコンの場合、マザーボードのボタン電池の電圧が僅かでも下がってCMOS RAMのデーターを読み込めなくても、電源スイッチが入って電流が供給されて、読み込んでいたのかもしれません。ノートパソコンではバッテリーが元気なら電流が途切れることがないかもしれません。

マザーボードの取扱説明書(製品添付は英文。マザーボードのメーカーのサイトに日本語の説明書があった。)には「通例2年以上の電気供給が可能」とあります。2008年に購入してから4年経過しているので、すでに消耗しているのかもしれません。BIOSをバックアップしている電池が消耗したら、「システム時計が狂う」と聞いていましたが、まだ電池は3.00Vを保っていますしインターネット時刻と同期をとっているので正しい時刻を表示しているのかもしれません。

パソコンの使用頻度によると思いますが、3〜4年で取り換えが必要なら、メモリの増設並みにユーザーにもっと分かり易く説明をする必要があると感じます。取り換えるタイミングも判り難く、リチウム電池を取り換えると、時計の設定が必要になりユーザーの負担が高くなります。


first upload: 2012-9-26   御連絡はメールでお願いします。(質問に答えるページではありません。)