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パソコンの「困った!!」助け舟 Picture

曲線をきれいに書けない

ビットマップ画像(ラスターイメージ)でも、ドロー形式の画像(ベクタイメージ)でも、マウスをドラッグして曲線を描こうとしても、滑らかな曲線を描くことは難しいです。大きい(解像度の高い)画面で描き、縮小した(解像度の低い)画面で見ると一見滑らかに見えますが、細部は細かく揺れています。

画像処理ソフトにより名称や方法が違いますが、滑らかな曲線を描く方法があります。思い通りの滑らかな曲線を描くには、何回も試して使用する画像処理ソフトの機能に慣れることが必要です。

ビットマップとドロー

コンピュータで扱う画像にはビットマップ画像(ラスターイメージ)とドロー形式の画像(ベクタイメージ)の2種類あり、ファイル形式が異なり、作成するソフトも違います。

ビットマップ画像は、画像を多くの小さな点に分割されて、その点の色や濃さを数値で決めて画像を表現します。ドロー形式の画像は、座標と大きさや方向(ベクトル)で数値や数式を使って図形を表現します。

Windowsのペイントなどビットマップ画像を取り扱うソフトでも滑らかな曲線を描くときは、数式を使うドロー形式で処理をしてビットマップ(ラスタ形式)に変換しているようです。

ビットマップ画像のファイルは、BMP、JPG、GIF、PNG,TIFFなどがあり、デジタルカメラで撮影した写真もこの形式のファイルです。ドロー形式の画像のファイルは、アプリケーションによりそれぞれ独自のファイル形式になります。

ビットマップ画像を扱うアプリケーションは、Windowsのペイントの外多くのお絵かきソフト・画像処理ソフト・フォトレタッチソフトがあります。ドロー形式の画像を扱うソフトは、Microsoft Office の「図形編集」、OpenOffice.orgの画像描画ソフト「Draw」、製図を扱うCADソフト、地図作成ソフトなどがあります。

スプライン曲線

「スプライン」(spline)とは滑らかな曲線を描くための「たわみ棒定規」(曲げて曲線を引く定規)のことで、コンピュータ上でマウスでクリックした点を結ぶ滑らかな曲線を「スプライン曲線」と言います。

コンピュータの中では多項式を使って計算していますが、画像処理ソフトでは計算式を意識することはありません。

参考URL:ウィキペディア「スプライン曲線」

ベジェ曲線

「ベジェ」は、人名から来ています。仏国自動車会社ルノーの技師ピエール・ベジェ (Pierre Bezier) が考案しました。

「ベジェ曲線」は滑らかな曲線を描画するための方法の一つで、複数の点を制御点として難しい数式を用いて曲線を計算しています。画像処理ソフトでは、制御点の位置を調整することにより目的の曲線を得ることが出来ます。

参考URL:
ウィキペディア「ベジェ曲線」
武蔵システム(フォントについて解説しているページ) 「ベジェ曲線」
中学生でもわかるベジェ曲線

Windows の「ペイント」で

Windows7の「ペイント」([スタート][すべてのプログラム][アクセサリ][ペイント])では、[ホーム]タグのリボンで[鉛筆]か[ブラシ]を選択してドラッグするとフリーハンドの線を描くことが出来ますが、マウスの軌跡を線で表しているので、滑らかなきれいな曲線を描くことは難しいです。

[ホーム]タグの[図形]の[曲線]を選び、線の幅(太さ)・色を選択してから曲線の先端から終端までドラッグし、描いた直線の中途(曲線にする場所)をクリックしてドラッグすると直線が曲線になります。位置・方向・ドラッグする長さを調節して求める曲線に調整します。2回ドラッグすると曲線が点線の矩形で囲まれます。この状態のときに書式を変更することが出来ます。(ペイントはビットマップを扱うソフトですが、[曲線]を選択してからここまでは、ドロー形式の画像処理をしているようです。)

他の作業に移るか任意の場所をクリックすると、曲線を囲んだ矩形が消え曲線が確定します。

Windows XP では、[スタート][すべてのプログラム][アクセサリ][ペイント]のツールバーであらかじめ曲線の色・太さを決めてから[曲線]を選び曲線の先端から終端までドラッグし,終端でダブルクリックして終わります。描いた直線の中途(曲線にする場所)をクリックしてドラッグすると直線が曲線になります。

フリーソフトの「Pixia」で

フルカラーのビットマップ画像を扱う、フリーソフトの「Pixia」については、次を参照してください。
pixia ピクシアホームページ(公式Webページ)

現在のPixiaは、10年間続いてバージョンアップしてきた[Pixia ver.4]と、取り巻く環境の変化に合わせた新しいバージョン[Pixia ver.5](2012-7現在5.40p)の両建てになっています。ここでは[Pixia ver.5]で説明します。
Pixia 5 の使い方は、[http://uduki.wiki.fc2.com/]にあります。

Pixiaで線を描くときは、[領域]をつくって(色や太さを決めて)[線]を描方法と、色や太さをあらかじめ決めて[線]を選んで描く方法があります。曲線の場合の[領域](ツールバー2)は、[スプライン曲線][ベジュ曲線][フリーベジュ曲線]の3つから選びます。[線]の中の曲線は[スプライン曲線]だけのようです。

いずれの場合も描いた曲線を確定すると、ビットマップ画像になっているようで、修正できません。

[線][スプライン曲線]

  1. あらかじめ曲線の色や太さを設定する。
  2. ツールバー2(初期値では画面左に縦に並んでいる)の[線]をクリックし、横に並んだアイコンの[スプライン曲線]をクリック。
  3. 編集画面にマウスで描こうとする曲線に沿い適当な間隔でクリックする。
  4. 曲線の最後に右クリックして確定する。

以上で曲線が引かれますが、クリックする点が滑らかな曲線上にないと、滑らかにならないようです。

[領域][スプライン曲線]

  1. ツールバー2の[領域]をクリックし、横に並んだアイコンの[スプライン曲線]をクリック。
  2. 編集画面にマウスで描こうとする曲線に沿い適当な間隔でクリックし、最後に右クリックする。
  3. クリックしたところの四角のポイントをドラッグして領域を修正できる。曲線の色。太さなどをここで設定できる。
  4. ツールバー2の[線描画]をクリックすると、領域に沿って曲線が引かれる。
  5. ツールバー2の[領域の解除]をクリックすると領域がなくなる。

[領域][ベジェ曲線]

  1. ツールバー2の[領域]をクリックし、横に並んだアイコンの[ベジェ曲線]をクリック。
  2. 編集画面にマウスで描こうとする曲線に沿い適当な間隔でクリックし、最後に右クリックする。クリックしたところに四角のポイントが出来る。
    ポイントを右クリックするとそのポイントを削除できる。ポイント間の線を右クリックするとポイントを追加できる。
  3. 四角のポイントを(左)クリックすると制御ハンドルが出てドラッグして領域を修正できる。ポイントとポイントの間の線をドラッグしても曲線を変更できる。曲線の色。太さなどをここで設定できる。
  4. ツールバー2の[線描画]をクリックすると、領域に沿って曲線が引かれる。
  5. ツールバー2の[領域の解除]をクリックすると領域がなくなる。

[領域][フリーベジェ曲線]

  1. ツールバー2の[領域]をクリックし、横に並んだアイコンの[フリーベジェ曲線]をクリック。
  2. 編集画面にマウスでドラッグして曲線を描く。マウスのボタンから指を離すと、描かれた曲線上にポインタが表示される。
    ポイントを右クリックするとそのポイントを削除できる。ポイント間の線を右クリックするとポイントを追加できる。
  3. 四角のポイントを(左)クリックすると制御ハンドルが出てドラッグして領域を修正できる。ポイントとポイントの間の線をドラッグしても曲線を変更できる。曲線の色。太さなどをここで設定できる。
  4. ツールバー2の[線描画]をクリックすると、領域に沿って曲線が引かれる。
  5. ツールバー2の[領域の解除]をクリックすると領域がなくなる。

MS Office の「図形」編集で

マイクロソフトのOfficeのWordやExcelの、[挿入]タブの[図]グループの[図形]は、ドロー形式の画像描画機能です。
Office 2003 の場合は、WordやExcelの、メニューバーの[挿入][図][オートシェイプ]をクリックすると、[図形描画]ツールバーと[オートシェイプ]ツールバーが現れます。

  1. [図形]をクリックする。
    挿入する図形を選択するウインドウが開く。Office 2003 では、[図形描画]ツールバーの[オートシェイプ]をクリックするとメニューが出る。
  2. [線]の[曲線]を選択して、マウスポインタが十字に変わったら、描こうとする曲線に沿い適当な間隔でクリックし、描き終わったら終点でダブルクリックする。
    曲線が引かれ、図形を囲む矩形の周囲8か所に四角のハンドルが付き図形全体が選択された状態になる。
  3. 図形が選択された状態で、[書式]タブのリボンで[図形の挿入]グループの[図形の編集]アイコンの右のボタン(小さい▼)をクリックし、メニューの[頂点の編集]をクリックする。
    選択のハンドルが消え、曲線上のクリックした個所に小さい黒いハンドルが表示される。
  4. 小さい黒いハンドルをドラッグすると移動でき曲線を変化することが出来る。
  5. 小さい黒いハンドルの間の線上をクリックしドラッグすると、新しいハンドルが出来て曲線を変化することが出来る。

確定した後でも図形を選択すれば編集することが出来ます。線の太さや色の編集も出来ます。スプライン曲線とベジュ曲線の機能があるようです。

完成した図形を他のアプリケーションで利用するには、図形を選択してコピー(Ctrl + C)し、ペイントなどの画像処理ソフトを開いて貼り付け(Ctrl + V)して汎用ソフト形式で保存します。

OpenOffice.orgの画像描画ソフト「Draw」で

オープンソースでマイクロソフトのOfficeとデーターの互換がある OpenOffice.org については、日本語のサイト http://www.openoffice.org/ja/ を参照してください。ここでダウンロードもできます。

Word や Excel などの「図形」とは違って、OpenOffice.orgの画像描画ソフト「Draw」は、独立したドロー形式の画像処理ソフトですから、柔軟な処理が出来ます。

メニューバーの[ヘルプ]をクリックして現れるブルダウンメニューの[OpenOffice.orgヘルプ]は、OpenOffice.org 全体のヘルプになっています。
ブルダウンメニューの[ヘルプ]をクリックすると、マウスポインタが[?]に変わり、マウスポインタを乗せた個所の機能の説明が表示されます。

[OpenOffice.orgヘルプ]画面左の目次タブで、[プレゼンテーションと図形描画]をダブルクリック、更に[オブジェクト、画像、ビットマップ]をダブルクリック、[曲線を描画する]をダブルクリックすると、右側に[任意で曲線を描く]などのヘルプが表示されます。

ヘルプ[任意で曲線を描く]に説明されていますが、このDrawの曲線は、「ベジェ曲線」です。

[描画ツールバー]の[曲線]アイコンの右にあるボタン(▼)をクリックすると、8個のツールが現れる。そのうちのどれかを選択するとマウスポインタが十字に変わりツール別にマークがつきます。

曲線を描くには、[曲線]ツールか[フリーハンドの線]ツールを使います。[多角形][多角形(45o)]で多角形を描いてから、制御点の編集で[曲線に変換]することができます。

曲線ツール

試みに次のように曲線を描いてみます。

  1. [描画ツールバー]の[曲線]アイコンの右にあるボタン(▼)をクリックし、[曲線]ツールをクリック。
  2. 曲線を描き始める位置をクリックし、クリックしたままマウスポインタを描く曲線の方向へ移動(ドラッグ)する。
  3. 途中の曲線の頂点と思われるところでマウスのボタンから指を離して、曲線を描きながらマウスを移動する。
    指をボタンから話しても、ドラッグの線を表示する。
  4. 曲線の終わりでダブルクリックする。曲線の描画が終わる。

曲線の開始点と終了点に四角のアンカーが表示されています。開始点の方が少し大きい。[描画ツールバー]の[制御点]が選択されています。
[制御点]が選択されていない時は、描画した曲線を囲む矩形の周辺8か所に四角のハンドルが表示され曲線が選択されている状態になっている。

曲線を描画しているときマウスボタンから指を離した個所に[制御点](ハンドル)が表示されているときがあります。制御点が表示されない時は、[制御点の編集]ツールバーの[制御点の挿入]をクリックし、曲線上をクリックすると,制御点が追加されます。[制御点]をドラッグして曲線を変化させることが出来ます。
制御点は[制御点の編集]ツールバーで追加・削除・移動など編集できます。また、直線を曲線に変換することができます。

フリーハンドの線

[描画ツールバー]の[曲線]アイコンの右にあるボタン(▼)をクリックし、[フリーハンドの線]ツールをクリックし、キャッバス上でフリーハンドでドラッグして曲線を描き、マウスボタンから指を離すと、曲線を描画できます。

フリーハンドで描く線は細かく揺れて滑らかに描くのは難しいですが、この線もベジェ曲線ですから、開始点・終了点の外に幾つかの制御点がありますので、[制御点の編集]ツールバーで追加・削除・移動など編集でき,滑らかな線に編集できます。

画像のファイル形式

OpenOffice.org Draw で作った画像は、独自形式の *.odg という拡張子のファイルになります。このファイル形式なら保存したファイルを開き、制御点をさらに編集することが出来ますが、他のアプリケーションでは取り扱うことが出来ません。

他のアプリケーションで取り扱いやすい、ビットマップ画像にするには、メニューバーの[ファイル][エクスポート]をクリックし、[ファイルの種類]で、目的のファイル形式(BMP、GIF、JPEG,PNG、TIFFなど)を選んで保存します。


first upload:2012-7-24   御連絡はメールでお願いします。(質問に答えるページではありません。)