home >> パソコンで楽しむ >> パソコンの「困った!!」助け舟INDEX | 文書の一部を変えて多数印刷(差込印刷)したい
文書1枚ごとに宛先を印刷するなど、一定の場所に別に用意したリストからデーターを印刷する機能をWord 2007 では”差し込み印刷”といいます。年賀はがきのあて名などに利用されます。Windows 2007 を中心に説明します。
文書内・はがきのあて名などにより用意されているウイザードが違います。共通した手順は次のようになります。
差し込み印刷が成功しない原因の多くは、差し込むデーターのファイルの作成にあります。ここではExcelで作りますが、次の点に注意します。
Word には葉書に差し込み印刷をするウイザードがあります。このウイザードではがきの文面も印刷が出来ますが、差し込み部分はないようです。
ウイザードを終了するとWord の画面は、[差し込み文書]タグの[結果のプレビュー]が選択された状態になっていて、1枚目のはがき宛名面が表示されます。[結果のプレビュー]グループの[次のレコード](右向きの三角ボタン)をクリックすると次のページが表示されます。
Word 2003 の場合はツールバーに[はがき宛名印刷]バーが表示され、[次のレコード]で他のデーターの差し込み状況を確認出来る。
郵便番号はテキストボックスの中にあります。位置を微調整するには、選択して青い二重の枠のうち外側のハンドルのある枠をマウスポインタが十字の矢印になったところで選択(クリック)するとハンドルが消えます。そのままドラッグしても移動できますが、Ctrl+矢印キーで上下左右に微調整出来ます。数値で位置を調整するにはレイアウト枠に変換する必要があります。
Excelで作ったデーターファイル(住所録)の1行目の項目名が、氏名・郵便番号・住所などとなっていれば、プレビューで表示された画面にデーターがそれぞれ相当の位置に配置されている筈ですが、もし例えば氏名の場所に住所が表示されているような場合は、[フィールドの対応]を調整する必要があります。
[差し込み文書]タブの[文書入力とフィールドの挿入]グループの右にある3つのアイコンのうち[フィールドの対応]をクリックし、[フィールドの対応]ウインドウで、左の(Wordの)フィールドに対応する右のデーターファイル(Excelのデーター)の項目をドロップダウンリストから選択して、正しく対応させます。
Word 2003 の場合は、ツールバーにある[はがき宛名印刷]バーの[データー][フィールドの一致]をクリックして、フィールドに対応するデーターを調整できます。
印刷するときは、次の操作をします。
Word 2003 の場合は、ツールバーにある[はがき宛名印刷]バーの[印刷][すべて印刷]で出る[プリンタに差し込み]ウインドウで、[すべて]を選択して[OK]ボタンをクリックして印刷できrます。
差し込み印刷は印刷が目的で、差し込み文書を保存する事はあまりないと思いますが、保存するときは Word 2007 の文書ではなく、[Word 97-2003文書(*.doc)]で保存する方が良いようです。Word 2007 の[Word文書(*.docx)]では「失われる情報がある」と警告が出ます。
Word 2010 の場合は、通常のWord 文書(*.docx)で保存できます。
複数の文書中に宛先の住所氏名をそれぞれ入れたり、その宛先固有の文を入れたりするとき、差し込む部分に別のデーターファイルから読み込むフィールドを挿入します。
普通文書の場合もウイザードが用意されています。通信文(レター)の場合の例で説明します。
Word に用意されたウイザードによらないで、文書の中の特定の場所に用意したデーターファイルから文字列を読み込んで印刷できます。次の例のように、ウイザードによらない方が自由度があります。
例1 次の文の場合、○○と××に相当するデーターファイルをExcelで作っておいて差し込み印刷をする。
○○さんこんにちは。先日ご購入された××の調子は如何ですか。
例2 会費を郵便振替で払い込んでもらうとき、振替口座番号と金額の他に、払い込み者の住所・氏名・電話番号を用紙に差し込み印刷する。
Word 2003 の場合はウイザードによらないで差し込み文書を作るには、差し込み印刷ツールバーを使うと思いますが、[フィールドの挿入]の作業が判り難いのでここでは触れません。
Word を起動し、文書を作ります。1通毎に違う文や文字を入れる、差し込み印刷をする場所(行間や行内)は、何も入力しない状態で場所を確認しておきます。
例えば、上記例2 の振替用紙の場合は、口座記号・口座番号や加入者名は各通共通ですから定められた位置に入力し、金額が人毎に違う場合は差し込む場所をテキストボックス(または長方形の図形)で作っておきます。同様に、払い込み者の郵便番号・おところ・おなまえ・ご連絡先電話番号をそれぞれ用紙の位置に入るようにテキストボックス(または長方形の図形)を配置しておきます。
テキストボックス(または長方形の図形)の位置は差し込みフィールドを作った後でも移動できます。長方形の図形は、[挿入]タグの[図]グループの[図形][基本図形][正方形/長方形])で差し込む場所を作る事が出来ます。
Word 2010 の場合は、[挿入]タグの[図]グループの[図形][四角形]
Excel で、差し込み印刷をする項目名(フィールド名)を最初の行(1行目)に入力し、2行目以下に各人のデーターを入力してデーターファイルを作り保存します。
金額 | 郵便番号 | おところ | おなまえ | ご連絡先電話番号 |
5,000 | 945-0888 | 柏崎市えびす町2-6 | 福内花子 | 0257-55-0000 |
3,000 | 944-0999 | 妙高市弁天町5-12 | 鬼外太郎 | 0255-99-0000 |
1.のメイン文書を開き、[差し込み文書]タグの[差し込み印刷の開始]グループの[宛先の選択][既存のリストを選択]をクリックし、2.で作った差し込むデーターファイルを指定して、[開く]ボタンをクリックします。[テーブルの選択]ウインドウが出たらデーターのシートを選んで、[OK]ボタンをクリック。
次に、フィールドを挿入するところにカーソルを置き、[差し込み文書]タグの[文書入力とフィールドの挿入]グループの[差し込みフィールドの挿入]をクリック、[データーベースフィールド]が選択されている事を確認して、リストの中から差し込むフィールド名(項目名)を選択し[挿入]ボタンをクリックします。
長方形の図形の中にカーソルを入れるには、図形を右クリックして[テキストの追加]でカーソルを入れる事が出来ます。
フィールドが挿入された個所に<<フィールド名>>とフィールド名が表示されます。[差し込みフィールドの挿入]の▼ボタンをクリックするとウインドウではなく、フィールド名のリストが表示されます。
項目の数だけ繰り返します。
フィールドの挿入が終わったら、[差し込み文書]タグの[結果のプレビュー]グループの[結果のプレビュー]をクリックすると、差し込まれたデーターが表示されます。
[結果のプレビュー]グループの[次のレコード](横向きの▼)ボタンをクリックすると、次のデーターが表示されます。
もし間違った挿入された場合は、ウイザードの時と同様[文書入力とフィールドの挿入]グループの[フィールドの対応]で修正できます。
試し印刷をして振替用紙と位置が合わないときは、テキストボックスの位置を移動して調整します。
テキストボックスの位置は差し込みフィールドを作った後で移動できます。
長方形の図形([挿入]タグの[図]グループの[図形][基本図形][正方形/長方形])で差し込む場所を作り、図形を右クリックして[テキストの追加]でカーソルを入れ、フィールドを挿入した場合は、図形の枠を右クリックして、メニューから[オートシェプの書式設定]をクリック、[レイアウト][詳細設定]の[配置]タブで、[基準]を余白またはページにして、水平方向・垂直方向の距離を0.1mm単位で数値による微調整が出来ます。
Word 2010 の場合は、図形の枠を右クリックして、メニューから[その他のレイアウトオプション]をクリック[位置]タブで微調整する。
右クリックしてメニューが出ないことがあります。マウスで枠をポイントし、マウスポインタが十字の矢印になったところで、マウスを動かさないように固定して右クリックします。
位置と差し込みデーターを確認して、問題がなければ、[差し込み文書]タグの[完了]グループの[完了と差し込み]をクリック、[文書の印刷][すべて]をクリックすると印刷できます。
作品展などで作品につけるラベルなど、既成のラベルでなくても差し込み印刷が出来ます。このサイトの「Wordで作品ラベルの差し込み印刷」を参照してください。