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電子メール          NET・陽だまり 小竹 進

目 次

1 電子メールを利用するには
2 OUTLOOK EXPRESS の設定
 (1) メールの設定
 (2) 起動時に受信トレイを開く
 (3) 送信メールの形式はテキスト形式に
 (4) 文字設定の割り当て
 (5)作成したメールを直ちに送信しない
 (6) サーバーに受信したメッセージのコピーを置く場合
3 自分宛にメールを作成し送信する
 (1) 自分宛のメッセージの作成
 (2) 自分宛のメッセージの送信
4 メールを受信する
5 アドレス帳
 (1) とりあえずアドレスを入力する
 (2) とりあえずアドレス帳を使って宛先を入力する
 (3) もっと簡単で正確なアドレス帳の作成
 (4) 連絡先をフォルダで整理する
 (5) 連絡先のグループを作る
 (6) アドレス帳でメールアドレスを探す
 (7) 違うファイル形式から連絡先を取り込む
6 宛先、CC、BCC
7 件名
8 メッセージの作成
 (1) 本文
 (2) 署名
 (3) 一時下書きに保存する
 (4) 下書きフォルダのメッセージを編集する
 (5) 送信トレイのメールを編集する
 (6) 返信
 (7) 全員に返信
 (8) 転送
 9 メールの送信
10 メールを受信する
11 メッセージの整理
 (1)受信したメッセージを整理する
 (2)受信する際にメールを振り分ける
 (3)受信するメールを制限する
 (4)送信済みのメールを整理する
 (5)メッセージの削除
 (6)送受信のメールを他のメディアに保存する
12 添付ファイル
13 一般的なマナー
14 メーリングリスト
15 メールマガジン
16 こんな時には…??
 (1) メッセージの行末を揃えたい
 (2)画面から左下の「連絡先」の窓が無くなった
 (3) 受信したメールが意味のない文字が並んでいる
 (4) 送信したら英文のメールが来た。
17 メールアドレス
18 インターネットメールの仕組み
19 メールのヘッダー
20 付録 用語解説

パソコンを使い初める時、パソコンを使う目的が「インターネットを利用したい。」という人が多くなった。インターネットの利用も最初のホームページ・サーフィンから、間もなく「電子メールの利用」へと広がっていく。コミュニケーションの輪を広げる方法として、電子メールは手軽で有効な手段だ。
このテキストでは一応Windows95/98 の操作の出来る人が、インターネットによる電子メール(Eメール)を独習で送受出来るようにしたいと思う。なお、インターネットへのダイヤルアップ接続の設定は終わっているものとする。Outlook Express5.0を中心に説明する。バージョンによって画面や取り扱いが違うことがある。

1 電子メールを利用するには
パソコン、電話回線、モデム又はTA、メールソフトが揃っていて、プロバイダ(インターネット接続業者internet service provider;ISP)に接続できることが必要。
メールソフトとしては、Internet Explorer 4.01/5.0 が Windows98 に付属しているし、Windows95 の場合でも Web 上から無償で入手できる。Netscape Navigator も今は Web 上から手に入る。それぞれのブラウザにメールソフト(メーラーという)が付属している。ここでは Outlook Express についての情報をまとめる。(Outlook Express も進化してバージョンアップを繰り返すので、環境により記述されている画面と異なる画面になることがある。)

2 Outlook Express の設定
このソフトに限らず、 Windows のソフトは至る所で「設定」に出会う。目的にあった設定をする事で、パソコンは色々なことが出来ようになる。ここではとりあえず5つの設定をしておく。(6)は必要なければ設定しなくて良い。
(1) メールの設定
プロバイダとの接続の設定が済んでいれば、メールの設定も済んでいる筈だが、メールを送受が出来ない場合は、[ツール|アカウント]で、該当のアカウント(メールアドレスが1つの時は1つしかない)を選択して「プロパティ」ボタンを押す。「サーバー」タブで受信メールサーバー(POP3)、送信メールサーバー(SMTP)が正しく記入されているか、自分のアカウントが正しく記入されているか確認する。(いずれもプロバイダから来ている書類に掲載されている。)パスワードは「パスワードを保存する」にチェックが入っていて、通信がすでに成立していれば、「*」印が並んでいる。「パスワードを保存する」にチェックが入っていなければ、接続のたびにパスワードを入力しなければならない。大文字小文字を区別するから、間違いないように入力する必要がある。パスワードには、プロバイダに接続するログインのパスワードとメールパスワードの2種類あるので注意する。

(2) 起動時に受信トレイを開く
Outlook Express の使い方にもよるが、主としてメールを送受するのに使う場合は、Outlook Expressを開いたときに、常に受信トレイが開かれているように設定して置いた方が便利。

(3) 送信メールの形式はテキスト形式に
Outlook Express をインストールした初期値は、送信するメールの形式がHTML形式になっていて、ホームページのように書式や画像をメールの中に入れることが出来る。しかし、今のところ受信相手の環境が対応していない場合があるので、一般的にはHTML形式を使わない方が無難。一対多のメーリングリストやグループ通信の場合は、使うべきでない。使用を禁じているメーリングリストもある。HTML形式はファイルの大きさが、文字データだけでもテキスト形式の2倍くらいになる。受信する相手の人のメーラーがHTML形式に対応していて、HTML形式のメールを受信することを容認している個人的なメールで使用するもの。(いずれはHTML形式のメールが標準化されると思われる。)

(4) 文字設定の割り当て
インターネットを利用するときは、自分のパソコンだけでなく、相手や経由するパソコンの事を考えなければならない。自分の周囲がパソコンのOSは Windows98 で、ブラウザはIE5.0 が一般的であっても、インターネット上ではサーバーにUNIX機が使われていることが多い。受信相手にMacのユーザーがいるかも知れない。インターネットの今までの経過から習慣として、日本語の文字コードはJISコードが使われている。今のパソコンは普通シフトJISが使われているのでうっかりしていると送ったメールが「読めない」と言われることがある。相手に原因があることもあるが、標準の文字エンコードとして「日本語(JIS)」に設定しておく。

(5)作成したメールを直ちに送信しない
Emailを始めたばかりの時に、送信されたかどうか判らず同じ動作を繰り返してしまったため、同じメールを3通も続けて送ってしまい、強く非難されて(或いは非難されたと思いこみ)「メールを送るのがこわくなってしまった。」という人がいた。「メッセージの作成」ウインドウで、メッセージを作ったら、「送信」ボタンを押して、「送信トレイ」に一旦入れておく(次の設定をしておく)。「送信トレイ」のメールを確認してから、実際にサーバーへ送るときにOutlook Express の「送受信」ボタンを押せば、ダイヤルアップして(プロバイダへ電話をかけて)メールがサーバーへ送られる。メッセージは「送信トレイ」から「送信済みトレイ」に移っている筈。何通かのメッセージを作り、まとめて一度に送信できる。

(6) サーバーに受信したメッセージのコピーを置く場合
(パソコンが2台以上ある時などに設定する)
例えばデスクトップパソコンとノーとパソコンがあって、通常はメインのデスクトップで送受しているが、出先でノートパソコンで送受するとき、ノートパソコンにダウンロードされたメールは、初期値ではサーバーから削除されるので、後でデスクトップに取り込むことが出来ない。ノートパソコンで受け取るときに「サーバーにコピーを残す」設定にしておけば、デスクトップでアクセスしたときにもメッセージを取り込むことが出来る。(この方法は、メールサーバーが対応していない場合がある。)
両方「残す」設定にすると、サーバーから削除されないで同じメッセージを何回もダウンロードするし、サーバーに保管してあるメッセージが一定量を超えると新しいメッセージを受け付けない場合があるので、メインのパソコンには初期値の通りメールを残さないようにしておく。

3 自分宛にメールを作成し送信する
(1) 自分宛のメッセージの作成
最初は試しに自分宛にメールを送って見て、送信と受信が出来ることを確かめると良い。

(2) 自分宛のメッセージの送信
「メッセージの作成」ウインドウでメッセージの作成が終わったら、「送信」ボタンを押す(又は[ファイル|メッセージの送信(Outlook Express 4.x の場合「送信」)])。「メッセージの作成」ウインドウが消えて、フォルダ(Outlook Expressの画面で左側縦長のウインドウ)の「送信トレイ」フォルダに(1)と青く表示されている筈。
(もしダイヤルアップのウインドウが出てきたら、「メッセージを直ちに送信する」設定になっているので、キャンセルボタンを押して設定し直す。)2の(5)参照
フォルダの「送信トレイ」をクリックして送信トレイを開き、下のビュアーでメールの確認をする。この段階でメッセージの内容を修正するときは、メッセージウインドウ(Outlook Expressの画面で右側上のメッセージ一覧のあるウインドウ)のメールをダブルクリックすると、「メッセージの作成」ウインドウと同じメッセージを編集できるウインドウが開くので、修正して「送信」ボタンを押す。送信しても良いときは「送受信」のボタンを押す(又は[ツール|送受信])。
ダイヤルアップして、送信トレイのメールが送られ、次に受信メールがあるときには受信して「受信トレイ」に入る。受信している時間が長いときは、自分宛に送ったメールも受信することがあるが、普通はしばらく時間をおいた次回アセスしたときに受信できる。
送信されるメールを受け取るサーバー(SMTPサーバー)と、到着したメールを保管しているサーバー(POP3サーバー)が違うのだが、メーラーの「送受信」の機能は、2つのサーバーに連続して接続する。
送受信が終わると送信トレイにあったメッセージは「送信済みトレイ」に入っている。

4 メールを受信する。
メールを送り終わると自動的に受信する。受信したメールはフォルダの「受信トレイ」に保管される。未だ読んでいない(開封していない)メッセージはその通数が括弧書きで青く表示されている。フォルダの受信トレイを選択するとメッセージウインドウのメッセージ一覧に未読メッセージが太字で表示されている。
メッセージ一覧にあるメッセージを選択すると、下のビュアーにメッセージ内容が表示される。メッセージを選択している時間が一定時間(初期値5秒間)過ぎると、未読が開封済みになり開封されたアイコンと文字が細字で表示される。
試みに作成した自分宛のメッセージが受信できたら、送信方法に間違いがないので、次回はメールアドレスの判る親しい人にメールを送ってみる。

5 アドレス帳
メッセージを作成するとき宛先に受取人のメールアドレスをキーボード゙から入力するのは、面倒だし間違う可能性もある。簡単正確にするために「アドレス帳」がある。
(1) とりあえずアドレスを入力する
Outlook Expressの画面で「アドレス」ボタンをクリックするか、[ツール|アドレス帳]でアドレス帳が開く。アドレス帳の画面は左側に縦長のフォルダが表示(Outlook Express 4.x の場合は[表示|グループの一覧]をクリックするとグループの一覧が表示)されている所と右側の名前、メールアドレス、電話番号などのデータが表示される所がある。[ファイル|新規の連絡先]か、「新規作成」ボタンをクリックして「新規の連絡先」(Outlook Express 4.x の場合は「新規の連絡先」)ボタンを選ぶと、姓名、メールアドレスのほか色々な個人データを入力できるウインドウが出る。とりあえず姓名とメールアドレスだけ入力して「OK」ボタンを押す。

(2) とりあえずアドレス帳を使って宛先を入力する

Outlook Express の画面で「新しいメール」(Outlook Express 4.x の場合は「作成」)ボタンを押して、メッセージの作成ウインドウで「宛先」とそのの左にある本を開いたアイコンがボタンになっているのでクリックする。「受信者の選択」ウインドウの「名前、電子メールアドレス…」の欄で受信者を選び、「宛先」ボタンをクリックする。選択した名前が「メッセージの受信者」の欄に入る。複数の宛先を指定するときは、続けて受信者を選択する。「OK」ボタンを押して、メッセージの作成ウインドウに戻ると、宛先欄に選択して名前が入っている。これでメールアドレスが入力されている。件名と通信文を入力すれば送信できる。

(3) もっと簡単で正確なアドレス帳の作成
アドレス帳の入力をキーボードから入力して、間違いがあるとメールが届かず、英文の不着通知が届く。正確に入力するために、送られてきたメールを使ってアドレス帳に入力する方法がある。
Outlook Express Ver.5.0(以下OE5.0 という)の画面で受信トレイのフォルダを選択して、受信したメッセージを表示させ、アドレス帳に登録したい人から来たメッセージを選択する。[ツール|送信者をアドレス帳に追加する]をクリックする。画面は何も変わらないが、アドレス帳を開くと連絡先に送信者の氏名とメールアドレスが入力されている。
到着したメールの署名にあるメールアドレスをコピーして貼り付ける方法もあるが、これは送信者本人がキー入力したものだから、誤入力の可能性がある。
OE5.0 には受け取ったメールに返信を送信したときに、自動的にアドレス帳に追加する機能がある。
[ツール|オプション]の「送信」タブで、「返信したメッセージの宛先をアドレス帳に追加する」チェックボックスにチェックを入れて置く。

(4) 連絡先をフォルダで整理する
アドレス帳の連絡先が多くなると、目的の連絡先を探すのが大変になるので、OE5.0ではファイルを管理するエクスプローラと同じく、フォルダで連絡先を整理することが出来る。
[ファイル|新規フォルダ]か、「新規作成」ボタンを押して、「フォルダの作成」をクリックすると、フォルダ名を入力するテキストボックスが出るから名前を入力する。
このフォルダの中に「新規の連絡先」を入力するか、他の場所にある連絡先をドラッグすれば整理できる。

(5) 連絡先のグループを作る
宛先に複数の名前を指定する場合は、半角のカンマ (,) またはセミコロン (;) で区切る。同じメッセージを複数の宛先へ送ることが何回もあるときは、そのたびに一つずつ連絡先を選択して入力するのではなく、グループとしてまとめて入力する方法がある。
[ファイル|新規グループ]か、「新規作成」ボタンを押して、「新規グループ」(Outlook Express 4.x の場合は「新規グループ」ボタン)をクリックすると、グループ名を入力するテキストボックスが出るから名前を入力する。
メッセージを作成するときにアドレス帳から該当のグループを選択すれば、そのグループに登録した全部の連絡先へメールが送られる。
新しい連絡先をグループに追加するときは色々な方法がある。
OE5.0 の場合は
1. 連絡先をグループとアドレス帳の両方に追加するには、アドレス帳の左側の該当のグループを選択して、[ファイル|新規の連絡先] (又は「新規作成」ボタン→「新規の連絡先」)をクリックし、必要な情報を入力して [OK] をクリックする。
2. 連絡先をアドレス帳に追加せずに、グループにだけ追加するには、xxxxxグループのプロパティダイアログ ボックスの下の部分にあるボックスにその連絡先の名前と電子メール アドレスを入力し、[追加] をクリックする。
3. 連絡先をアドレス帳の一覧から追加するには、グループを選択して「プロパティ」をクリックする。xxxxxグループのプロパティダイアログ ボックスの[選択]ボタン をクリックし、アドレス帳の一覧で目的の名前をクリックする。次に、[選択->] をクリックし、[OK] をクリックする。右側の「メンバー」の欄にその連絡先が入る。

(6) アドレス帳でメールアドレスを探す
入力してアドレスが多く目的の宛先が見つからないときは、アドレス帳を開きツールボタンの「人の検索」(Outlook Express 4.x の場合は検索」ボタン)をクリックすると検索できる。([スタート|検索|人]でも同じく検索ができる。)
また開かれたフォルダの中であれば、「名前の入力/選択」のテキストボックスに入力すると、検索できる。

(7) 違うファイル形式から連絡先を取り込む
アドレス帳は「*.wab」形式のファイルになっているが、他のNetscape CommunicatorやMicrosoft Exchange の個人用アドレス帳、およびテキスト ファイル (CSV) から連絡先をインポートすることができる。
1. 「*.wab」形式のファイル(Windows アドレス帳ファイル)からインポートするには
アドレス帳で、[ファイル|インポート|アドレス帳 ] をクリックする。ファイルの選択ウインドウでインポートするアドレス帳をクリックし、[開く] をクリックはる。
2. 「*.wab」形式のファイル(Windows アドレス帳ファイル)以外のアドレス帳のファイルからインポートするには
アドレス帳で、[ファイル|インポート|ほかのアドレス帳(Outlook Express 4.x の場合は「アドレス帳」)] をクリックする。インポートするアドレス帳またはファイルの種類をクリックし、[インポート] をクリックする。目的のアドレス帳が一覧に表示されない場合は、表示されないアドレス帳を予めテキスト ファイル (CSV) 形式、または LDIF (LDAP Directory Interchange Format) ファイル形式でエクスポートし、その種類を指定してインポートする。

6 宛先、CC、BCC
メッセージの作成ウインドウには、OE5.0では横に細長く「宛先」「CC」「件名」の欄がある。[表示|すべてのヘッダ]にチェックを入れるとさらに「BCC」の欄が増える。(Outlook Express 4.x の場合は最初からBCCがある。)
アドレス帳で受信者を入力するために「宛先」「CC」をクリックすると、受信者の選択ウインドウの中央に「宛先」「CC」「BCC」と3つのボタンが見える。
「宛先」はメッセージの受信者を記入する。複数の受信者を半角のカンマ (,) またはセミコロン (;) で区切って記載すると連名の宛先になる。
「CC」は Carbon Copy の略で、メッセージの写しを送る受信者を入力する場所。
…「宛先」へこのメッセージを送りました。参考までにご覧下さい。…というような場合に使用する。宛先の受信者へのメールに何処に写しを送ったか記載されている。
「BCC」は Blind Carbon Copy の略で、ここに記載された受信者はメールに記載されないので、複数に送ってもメールアドレスが受信者相互に知らされない。同じメッセージを誰が受け取っているか知らせたくないときや、関係ない人に受信者のメールアドレスを知らせたくないときに使う。
【例1】AグループとBグループの人達に連名で同じメッセージを送ると、「宛先」にA,B両グループのメールアドレスが全部を記載して送られ、相互に関係のない違うグループの人にメールアドレスが知られてしまう。メールアドレスもプライバシーだから、その気がなくても他人のプライバシーを犯すことになる。このようなときは「BCC」を使えば、誰の所へ同じメッセージが届いているか判らない。宛先には自分のアドレスを入れておくのも一法。
【例2】「メッセージの宛名はAさんだが、Bさんにも参考のために知って置いてもらいたい。」という場合で、「Bさんに知らせたことをAにも知っていて欲しい」時は、宛先にAさん、CCにBさんを記入し、「AさんにはBさんに知らせたことを知られたくない」時は、宛先にAさん、BCCにBさんを記入する。

7 件名
件名はメッセージの内容が判るように、しかも出来るだけ短く入力する。
「有り難うございました」、「こんにちは」などありふれた件名は、受信トレイでメッセージが件名でまとめられるので、関係がなくても以前受信した別のメッセージとまとめられることがある。([表示|現在のビュー|会話別にメッセージをまとめる]を選択している場合。)
受信した人がメールを保存するとき、この件名がファイル名になるので、重複ファイル名にならないようありふれたものでないユニークなものが望ましいし、長いファイル名はファイル管理に不便になる。

8 メッセージの作成
(1) 本文
メッセージの作成は、受信者を決めて件名を入力したら通信文を書く。文字による通信だから書き方は普通の手紙の形式でも良いが、手軽な通信手段であることと、受信する相手がどういう状態で読むのかを考えると、どんな形にしたらよいか自ずから定まってくる。
書き出し、時候の挨拶、などはこだわらなくて良い。
誰が差出人かはヘッダや最後につける署名で判るが、本文の最初に明記するのも一法。
自分が伝えたいことを正確に伝える事が必要。
受信者が判る言葉を使う。自分だけが(自分の仲間だけが)判る言葉を使うときは説明を付ける。
文章は判りやすく、適当な長さで句読点を入れる。
誤字・誤変換・誤用は無いに越したことはないが、手軽さが本命だから、紙にプリントして点検する等まで気にしなくて良い。

(2) 署名
本文に差出人の情報を入力するために「署名」機能がある。
署名と言っても日本の印章に相当する「サイン」ではない。用意してある差出人の情報をメッセージに表示させるもので、他人が同じものを入力すれば、区別は付かない。セキュリティで保護された「デジタル署名」とは別のもの。

(3) 一時下書きに保存する
メッセージを作成している途中で作業を中断するときは、一時的に保存する事が出来る。「メッセージの作成」ウインドウで[ファイル|保存]をクリックすると、「下書き」フォルダに入る。「メッセージの作成」ウインドウを閉じると「下書き」フォルダに未読メッセージの通数が表示されているのが確認できる。

(4) 下書きフォルダのメッセージを編集する
下書きに保存したメッセージを続けて編集するには、「下書き」フォルダを選択して、メッセージ一覧に表示されるメッセージの中から編集するメッセージを選び、ダブルクリックする。「メッセージの作成」ウインドウが開かれ、選択した下書きのメッセージが表示され、メッセージの作成を継続して、追加して入力したり変更することが出来る。

(5) 送信トレイのメールを編集する
「メッセージの作成」ウインドウの「送信」ボタンを押して送信トレイに入れたメッセージも、(4)の下書きと同じく編集することが出来る。設定されている1行の文字数で改行が入るので、本文を作成したときのレイアウトと違っていることがある。相手が受け取ったときのレイアウトは、相手の環境によって違うから送信側では判らないが、送信時に行末に改行が入って送られる様子は確認できる。意図しないレイアウトの時はここで編集し直すと良い。

(6) 返信
受信したメッセージを選択して「返信」ボタンを押す(メニューバーの[メッセージ|送信者に返信]でも同じ)と、「メッセージの作成」ウインドウが現れ、受信したメッセージの送信者宛のメッセージを作成できる。「宛先」にはメッセージの送信者が入っていて、「件名」には受信したメッセージの件名の先頭に「Re:」がついている。直ちに本文を入力できるように文字カーソルが点滅している。ここでも注意したい「設定」がある。

(7) 全員に返信
返信の場合と同じだが、受信したメッセージを選択して「全員へ返信」ボタンを押す(メニューバーの[メッセージ|全員へ返信](Outlook Express 4.x の場合は[作成|全員へ返信])でも同じ)と、受信したメッセージが複数の宛名やCC、BCCに送られたものの場合、送信者のほかに送信者が送った連絡先へも返信される。
受信したメッセージがBCCにあてられていた場合、他のBCCで受信した受信者はお互いに誰が同じメッセージを受信したのか判らないのに、場合によっては見知らぬ人から自分の受信したメッセージに対する返信を受け取ることになり、混乱する場合がある。
「全員へ返信」をするときは、自分がBCCで受信していないかどうか確かめたり、宛先・CCの連絡先がメッセージが届いても差し支えないかどうか確認してから実行すると良い。
自分がBCCで受信しているのは、受信したメッセージの「宛先」・「CC」いずれにも自分のアドレスが入っていない場合だから注意すれば判る。

(8) 転送
受信したメッセージを選択して「転送」ボタンを押す(メニューバーの[メッセージ|転送](Outlook Express 4.x の場合は[作成|転送])でも同じ)と、「メッセージの作成」ウインドウが現れ、転送先宛のメッセージを作成できる。「宛先」等に転送先のアドレスを入力するために文字カーソルが点滅している。「件名」には受信したメッセージの件名の先頭に「Fw:」がついている。----- Original Message -----の下に受信したメッセージのヘッダと本文が表示されている。
Original Message の前後に転送者がメッセージを書き込むこともできる。注意したいのは受信したメッセージが複数の宛名やCCに送られたものの場合、それらのメールアドレスが全部転送メッセージのヘッダに現れること。同じグループ内なら問題はないが、悪意が無くても他の人のプライバシーを犯すことにもなりかねない。不要なメールアドレスは削除して送信する配慮が必要。

9 メールの送信
ダイヤルアップ接続をしてから「送受信」ボタンをクリックするか、[ツール|送受信|送受信](Outlook Express 4.x の場合は[ツール|送受信])で、送信トレイに入っているメッセージを送信して、続いてPOP3サーバーに到着しているメッセージをダウンロードする。
メールの送受信が終了しインターネットの利用を終了するときは回線を切断する。送受信を終了したときに自動的に回線を切断するには、予め次の設定をしておく。


送信が終わったら、送信トレイにあったメッセージが全部無くなって、送信済みトレイに移っている事を確認する。

10 メールを受信する
メールを受信するときに「送受信」ボタンを押すと、送信トレイにメッセージがあるときには、送信してから受信する。送信トレイのメッセージを送信しないでメッセージの受信だけする時は、[ツール|送受信|すべて受信]をクリックする。受信されたメッセージは、「メッセージルール」で他のフォルダに移動の設定がしてある場合を除いて、「受信トレイ」に入る。フォルダ一覧の受信トレイフォルダに未開封の通数が表示され、「メッセージ一覧」にメッセージの差出人、件名などが表示される。選択されいてるメッセージの本文が下の「プレビューウインドウ」に表示されている。「メッセージ一覧」のメッセージをダブルクリックするとそのメッセージが新しいウインドウに表示される。
メッセージ一覧で受信したメッセージを選択し、プレビューウインドウでメッセージの内容が表示され5秒経過すると、開封済みとなってプレビューウインドウのアイコンが封筒が開いたアイコンに変わり、未開封通数が1通減る。この「5秒」は[ツール|オプション]「読み取り」タブで変更できる。また開封されたメッセージを「未開封」に戻すには、[編集|未開封にする]をクリックする。

11 メッセージの整理
(1) 受信したメッセージを整理する
受信したメッセージが少ない内はまだ良いが、受信トレイにメッセージが多くなると必要なメッセージが何処にあるか判らなくなる。受信トレイのメッセージ一覧の並び順は上の灰色の「送信者」「件名」「受信日時」をそれぞれクリックすると、並び順がそれぞれ降順・昇順と変化する。普通「受信日時」でソートして置き、必要により「送信者」などでソートすると良い。
左側のフォルダ一覧に新しいフォルダを作り、受信トレイから分類して移すことが出来る。例えば送信者別、メッセージの種類別などに分けることが出来る。新しいフォルダを作る場所を選択して、右クリック→フォルダの作成をクリックするか、[ファイル|新規作成|フォルダ]でフォルダ名を入力すれば新しいフォルダが出来る。エクスプローラと同様フォルダの中にフォルダを作ることも出来る。
メッセージを移動させるには、メッセージ一覧で移動するメッセージを選択して、移動先のフォルダへドラッグ&ドロップする。エクスプローラのように右ドラッグしてもOE5.0では左ドラッグと同じ。(Outlook Express 4.x の場合は右ドラッグ出来ない。)コピーでなく移動であることに注意。

(2) 受信する際にメールを自動的に振り分ける
受信するときに自動的に受信トレイ以外のフォルダへ振り分けることが出来る。作業が多くなるから受信に時間がかかるわけだが、実感上の大きな支障はない。[ツール|メッセージルール|メール]の「メールルール」タブで設定する。(Outlook Express 4.x の場合は[ツール|受信トレイアシスタント]で設定するが設定内容が少ない。以下の設定方法はOE5.0の場合)
「新規作成」ボタンを押し、「1ルールの条件」を選んでチェックボックスにチェックを入れる。このときの「ユーザー」「指定した言葉」は、「3ルールの説明」で入力する。
「2ルールのアクションの選択」では、条件を満たした場合の処理(指定したフォルダへ移動又はコピーなど)を選択してチェックを入れる。
「4ルール名」には区別しやすいように名前を付ける。
メッセージルールは、受信したメッセージを選択して[メッセージ|メッセージからルールを作成]でも設定できる。

(3) 受信するメールを制限する
メッセージルールを使って特定の送信者のメッセージを受け取らない設定をしたり、一定の大きさ以上のメッセージを受け取らない設定もできる。

(4) 送信済みのメールを整理する
「送信済みアイテム」フォルダに入っているメールも、(1)と同様他のフォルダへ移動することが出来る。
(5) メッセージの削除
フォルダに入っているメッセージは選択して、[編集|削除]かツールバーの削除ボタンをクリックすると、「削除済みアイテム」フォルダに入る。「削除済みアイテム」のメッセージを選択して[編集|削除]かツールバーの削除ボタンをクリックすると、本当に削除される。

(6) 送受信のメールを他のメディアに保存する 参考:EメールをFDに保存する
メッセージを選択して[ファイル|名前を付けて保存]で、指定した場所に件名をファイル名として(変更可能)保存することが出来る。保存する場所はハードディスク内でも、フロッピーディスクでも指定できる。ファイルの種類は、Outlook Express のメールファィルか、テキストファイルとなる。テキストファイルは日本語の文字コードが「JIS」になっているから文字化けしているので、「シフトJIS」に変換しないと読めない。
フォルダ内のメッセージ全部など複数のメッセージを他の場所に保存するには、「マイコンピュータ」の保存する場所が画面に見えるようにして、選択したメッセージをドラッグ&ドロップする。このとき保存するフォルダに同じ件名があるときは、上書きをするか確認が出るので、「いいえ」を選んで、個別に「名前を付けて保存」で、ファイル名を変更して保存する。

12 添付ファイル
メールにはアプリケーションソフトで作ったファイルを添付することが出来る。ファイルに保存されていればメールに添付することは簡単だが、受け取る相手がそのファイルを開くソフトを持っていなければ、利用することは出来ない。ファイル添付するときは、受け取る相手にそのファイルを送って良いか確かめてから送るべきだ。予告なくいきなり送りつけるのはマナーに反する。

通信回線を通して送るのだから、ファイルの大きさに注意しなければならない。出来るだけ小さいファイルにして送る必要がある。出来たら圧縮すると良いのだが、受信者が解凍できなければならない。圧縮するかどうかは受信者による。
サーバーによってはメッセージの大きさを制限している場合がある。大きいファイルを送らなければならないときは、回線上のトラブルが生じる場合もあるので分轄して送ると良い。

添付ファイルのあるメッセージを受信したときは、メッセージ一覧の画面で、クリップのマークがついているので直ぐ判る。このメッセージを選択すると下のプレビュー画面のヘッダーの右側に大きいクリップのアイコンがある。このアイコンをクリックすると開くことが出来る。しかし、添付ファイルを開くときはコンピュータウイルスに対する注意が必要になる。実行ファイル(拡張子.EXE)やマクロのあるWordやExcelのファイルは出所を確かめ、疑いのあるものは開かない方が無難。

13 一般的なマナー
通信の世界も一般社会の人間関係の常識が通用する。主に文字だけで意思を伝達しているのだから、読んでいる人の反応は返信か他のメッセージでしか知ることが出来ない。パソコンの環境は千差万別。自分の関心事が、受信者にも関心があるとは限らない。また相手がメッセージルールなどで受信を拒否しなければ、受信者のPOPサーバーに入ったメールは、アクセスした受信者のパソコンに自動的にダウンロードされる。この辺の特徴から自ずからマナーとかエチケットが出来る。
マナーやエチケットは自然に形成されるもので、「きまり」や「とりきめ」、ではない。時代と共に変化するし、相手次第で違ってくる。意識するかしないかはユーザーの勝手。しかし、この便利な仕組みを永く使ってパソコンライフを楽しむためには、次のことは気にしていた方が良い。一対一の通信よりも、グループやメーリングリスト等多数あてのものは、より多くの注意が必要。

14 メーリングリスト
メールは複数の宛先へ送ることが出来る。アドレス帳でグループを作っておけば、継続して複数の宛先へ送ることが出来る。宛先が多くなるとメッセージのヘッダーが長くなるし、アドレスの管理も大変になる。
「メーリングリスト」(以下「ML」という)は会員制の会議室か掲示板のようなもの。メーリングリスト宛にメールを送るとリストに登録した人全員へメールが送られる。MLの利用の仕方は工夫次第で役に立つもの、楽しめるものいろいろある。自分にあったMLを探して参加してみると良い。数百人が参加しているメーリングリストもあるので、一日に数十通届くこともある。「メールが入っていなかった。」とがっかりすることもなくなる。
一般に開かれているMLの入会・退会の方法は、そのMLの窓口になっているホームページで説明がある。どんなMLがあるか探すには、ML検索サイト(例http://www.list.ne.jp/mlworld.html)で検索してみるとよい。自分で仲間を作ってMLを始めることもできる。(例http://www.freeml.com/)
MLを利用する際に一般のメール以上に注意しなければならないことがある。
l そのMLので決められたテーマがあるときは、そのテーマ以外の話題を提供しない。
l 主催者の定めたルールに従う。メッセージの形式が定められていたり、添付ファイルを禁じられているときは、それに従う。
l 議論に参加しても紛争に巻き込まれないようにする。

15 メールマガジン(mail magazine)
電子メールを利用した雑誌。登録した会員へ定期的に特定のテーマの記事をメールで同報送信する。さまざまな分野のメールマガジンが出版されている。有料のサービスと、無料のサービスがあり、広告を掲載している場合が多い。「まぐまぐ」(http://www.mag2.com/)のようにメールマガジンの発行を取り扱う、メールマガジンの本屋さんもある。
ホームページはHTMLファイルで作られた情報だが、メールマガジンはテキストファイルのものが多い。画像が必要な場合は、ホームページにリンクされているものもある。ホームページは通常情報を受け取るものがそのサイトへたどり着かないとその情報を見ることが出来ない。(プッシュ型情報配信は、ユーザーが働き掛けなくてもサーバーの方からユーザーのコンピューターに情報を直接送り届ける。)メールマガジンは発行されるたびにメールとして、登録者のPOPサーバーに配信されるから、メールをチェックすれば読むことが出来る。
自分の好みにあったメールマガジンを購読(無料が多い)し、メッセージルールでフォルダに振り分けておくと自分だけのデータベースが出来る。(広告の部分が多いものもある。)試しに登録をして2,3回購読してみて不満だったら登録を取り消せばよい。「まぐまぐ」の場合何かを購読登録すると、他のメールマガジン紹介のメールが入る。

16 こんな時には…??

(1) メッセージの行末を揃えたい
メールは受信者のパソコンで読まれるので、送信側がレイアウトを気にしても意図したとおりに表示できないことが多い。(HTML形式のメッセージは書式を入れられる。)自分のパソコンではよく見えていても、相手のパソコンでは乱れているときもある。
テキスト形式の場合、[ツール|オプション]「送信」タブで「テキスト形式の設定」ボタンをクリックし、「送信時に自動的に文字列を折り返す」リストボックスの数字を例えば「70」に設定する。「メッセージ作成」ウインドウでメッセージを作成するときには半角で「70」より少ない一行の文字数で改行を入れると良い。このときに72(全角で36)字で改行を入れると、送信したときに70字で改行され、次の行頭に1文字入ってまた改行されてレイアウトが乱れる。上の例で70文字で揃えたとしても、受信する人が70文字より狭いウインドウで見ると、同じようにレイアウトが乱れる。
使用するフォントが「MSP明朝」のようにプロポーショナルフォントを使っていると、文字により字幅が違うので当然同じ文字数でも行末は揃わない。自分が等幅フォントを使っていても受信する人が等幅フォントを使って見るとは限らないので、行末を揃えるということは余り気にすることはない。

(2) OUTLOOK EXPRESS 5.0の画面から左下の「連絡先」の窓が無くなった
OE5.0 では初期値で画面左下に「連絡先」が表示されて、メッセージの送り先を選んでダブルクリックすると、宛先が入力されて「メッセージの作成」ウインドウが起動する。
この「連絡先」の窓が見えないときは、[表示|レイアウト]の「全般」の項で「連絡先」のチェックボックスにチェックを入れると表示できる。

(3) 受信したメールが意味のない文字が並んで読めない
「文字化け」といって、日本語の文字コードが合っていないために正しく表示されないために起こる。まず自分のメールソフト(Outlook Express)の設定を確める。[ツール|オプション]「読み取り」タブの「フォント」ボタンをクリックして、「フォントの設定」で「日本語」を選び、「エンコード」のリストボックスで「日本語(自動選択)」を選択する。「OK」を2度クリックする。
これで治らなければ、Outlook Express の文字化けしたメールをコピーして、メモ帳などのエディタに貼り付けデスクトップに適当な名前を付けて保存する。Internet Explorer を起動してデスクトップのテキストファイルのアイコンをInternet Explorer の画面へドラッグ&ドロップする。これはInternet Explorer の日本語自動判別の機能を利用したもの。
これでも読めないときは送信者に文字コードを「JIS」にして送り直してもらう。念のため自分の設定も確かめてみる。Outlook Express の「メッセージ作成」ウインドウの[書式|エンコード]で、「日本語(JIS)」を選ぶ。
メールソフトでは文字コードが違っていても、自動的に変換してくれるので、普通は文字化けはしないのだが、インターネットは色々な機種のサーバーを経由するため希にこのようなことがあるので、インターネットでの文字コードは「JIS」を使う事になっている。(普通のパソコンやパソコン通信では「シフトJIS」を使っている。)

(4) メールを送ったら英文のメールが来た。送ったメールが最後についている
メールが宛先に届けることが出来なかったときに、サーバーから通知が英文で来る。最初このメールを受け取ると驚くが、英文が判らなくてもある程度は見当がつく。よく見ると自分の送ったメールについての連絡だということが判る。
まず誰に送ったメールなのかを確かめる。次はそのメールアドレスに間違いがないか確かめる。アドレスには「@」より前の個人を特定する「アカウント」と、「@」より後のサーバーを特定する「ドメイン名」がある。もし英文の送信者のドメイン名とこちらから送った宛先のドメイン名が同じければ(送付された英文の件名が「Returned mail:User unknown」となっている筈)、宛先のサーバーまでは届いている訳だから、届かない原因は宛先のアカウントにありそうだ。「@」の前に間違いがないか、相手がメールアドレスを変更していないか等を確かめる。
またもし英文の送信者のドメイン名が宛先のメールサーバーでなければ(送付された英文の件名が「Returned mail:Host unknown」となっている筈)、メールを何処へ送って良いか判らない事になるから、「@」以降に間違いがないか確かめる。
実際にはもっと複雑で、受信者のメールサーバーに大きいファイルが入っていて制限一杯にメールが溜まって、何回も配信を試みたが配信できず数日後通知が来たという例がある。こうなると要所要所の英単語を訳してみないと判らない。

17 メールアドレス
メールアドレスは、「xxxxxxx@yyyyyyyyy.or.jp」のように「@」(アットマーク)で区切られた2つの部分からなっている。前の方を「アカウント名」(ホスト名とかユーザーIDともいう)後ろの方を「ドメイン名」という。手紙の宛先の住所に相当するものが「ドメイン名」、名前に相当するのが「アカウント名」。
右側のドメイン名」は「.」(ドットという)で3つに区切られている。最後の「jp」はドメイン名を登録した国名や地域をあらわす。かならずしもその組織の所在地を示さない。米国はこの表示がない。
中央の「or」は組織の種別をあらわす。米国とその他では表示の仕方が違う。(下表を参照)
「yyyyyyyy」は組織の名前(サーバー名)。大きな組織では更に「.」で分けて「@cocoa.ocn.ne.jp」のようにサブドメイン名(この場合cocoa)を付けるところもある。

組織の種別
組織の種類 米国 米国以外
ビジネス関係 com co
教育機関・学校 edu ac
政府機関 gov go
mil
その他の組織 org or
ネットワーク組織 net ne (ad)
主な国名や地域をあらわす記号
国名 記号 国名 記号
英国 uk 日本 jp
フランス fr 大韓民国 kr
ドイツ de 中華人民共和国 cn
イタリア it 香港 hk
ロシア ru シンガポール sg
カナダ ca タイ th

18 インターネットメールの仕組み
インターネットの仕組みが判らなくもインターネットメールは利用できる。しかし、判らないよりは判っていた時の方がトラブルのあったときに対応しやすくなるし、楽しみも増える。
インターネットメールを郵便と比較してみる。

郵便の場合 インターネットメールの場合
1 手紙を書く 1 メーラーでメールを書く
2 ポストに投函する 2 メーラーの送信ボタンを押す
3 配達する郵便局まで郵便局間で転送する 3 メール・サーバー間で転送する
4 受取人の郵便受け(私書箱)に配達する 4 受取人のメール・サーバに受信される
5 受取人が郵便を受け取り開封する 5 受取人がメーラーの受信ボタンを押し、メールを読む
ポストに投函されてから郵便受けに届くまでの間(上の3,4)、郵便は郵便局の仕事にゆだねられる。インターネットメールの場合もこの(3,4)間はインターネット内のサーバーの仕事になる。
利用者が契約しているプロバイダ(インターネット接続業者 ISP)のメール・サーバーには、送信されたメールを受け取る「SMTP」サーバーと、受信するメールを受け取っておく「POP3」サーバーがある。利用者から見ると送受2つのサーバーとの間でメールをやりとりすることになる。コンピュータで通信するときは、送り手と受け手が同じ方法でデータをやりとりしなければならない。そのために「プロトコル」という約束事を作っている。このプロトコルがメールの送信と受信で違うので、サーバーが2種類必要になる。
具体的には、Outlook Express の「送受信」ボタンを押すと、Outlook Express は、まずSMTPサーバーに接続して送信トレイにあるメールをSMTPサーバーに送り出す。次にPOP3サーバーに接続して到着しているメールを受け取る。この辺の動きは、画面で箱の中から矢印が出たり、箱の中に矢印が入るアニメで何をやっているか見当がつく。
目に見えないところの「郵便局間で転送して受取人の受け箱に配達」(上記の3,4)が判りにくい。メーラー(ここではOutlook Express)は、送信メールのURLのホスト名(ドメイン名)では宛先のサーバーを探せないので、DNSサーバーにそのホスト名に対応する「IPアドレス」を照会する。IPアドレスが判るとメーラーとSMTPサーバー間でデータの送信が行われる。一方的に送るのではなく、一定量送ると受け取ったSMTPサーバーから受け取った旨返事があり、メーラーは次のデータを送る。(パケット通信という方式)もし電話回線がアナグロ回線でノイズか多く正確に受け取れないときは、SMTPサーバーはメーラーに再送を促す。メーラーはもう一度その部分を送る。(「リトライ」という)「送る」「受け取る」は信号が相互に行き来して行われている。
インターネットは、「ネットワークを結ぶネットワーク」と言われる。送信者のプロバイダから受信者のプロバイダまでの間、いくつものネットワークを経由して、リレー式にSMTPによりデータが送られる。異なるネットワークを結ぶ機器を「ルーター」と言う。IPアドレスによってルーターが判断して次のリレー先に信号を届ける。経由するルートは固定していない。なにかのトラブルで一つのルートが確立しないときは、別のルートを経由して目的のプロバイダまでメールが送られる。
宛先プロバイダまで届いたメールは、サーバーの「スプール」というメールボックスに一時保管される。ダイヤルアップ接続の宛先のパソコンまでは、回線が繋がっていなかったり、パソコンに電源が入っていなかったりメーラーが起動してなかったりするので、直接届けることは出来ない。受信者がメールを受け取るには、プロバイダのサーバーに接続して、メーラーの受信ボタンをクリックする。受信するメーラーとメールサーバーとの間は、「POP3」というプロトコルで通信する。POP3はメールの受取人が間違いないかメールパスワードで確認する。登録されたユーザーIDとパスワードが一致するとメールを渡し、メーラーからの削除依頼があれば(既定値)サーバーからそのメールを削除する。

19 メールのヘッダー
メールソフトを使っているときは意識しないが、メールを送受信するときには、ヘッダーがつく。ヘッダーには色々な情報が入っている。受信トレイや送信済みアイテムのメッセージの一覧でメッセージをダブルクリックすると、メッセージの内容が表示され、「送信者」「日時」「宛先」「件名」が表示されている。表に見えているヘッダーはこれだけだが、実際にサーバー間を往来している時はもっと多くの情報がヘッダーとしてついていて、この情報を元にして目的のサーバーに届けたり相手のメーラーに表示している。
メッセージの一覧でメッセージを選択して、[ファイル|プロパティ]「詳細」タブで「このメッセージのインターネットヘッダー」が表示される。更に「メッセージのソース」ボタンをクリックすると、文字化けしている本文も見ることが出来る。

北海道から送られてきたメールのヘッダーの例

Received: from mint.ocn.ne.jp (mint.ocn.ne.jp [210.145.254.91]) メールサーバーが付けたヘッダー情報
      by xx1.xxxnet.or.jp (x.x.x+3.2W/3.7W) with ESMTP id OAAxxx58
      for ; Tue, 14 Mar 2000 14:22:14 +0900 (JST)
Received: from p30hxxxx (xxx-dn04sapodoori.hokkaido.ocn.ne.jp [210.xxx.xxx.188]) ]) メールサーバーが付けたヘッダー情報
      by mint.ocn.ne.jp (8.9.1a/OCN) with SMTP id OAA28218;
      Tue, 14 Mar 2000 14:21:45 +0900 (JST)
Message-ID: <000e01bf8d75$54c12f60$bcb39ad2@p30h84d5>
From: "xxxxxxx xxxxx" xxxxxxxx@mint.ocn.ne.jp メールソフトが付けたヘッダー情報
To: "$B0BF#(B $B?J!!MM(B" ,
"$B0BIt(B $BMNMM(B" ,
Subject: $B="?&FbDjN((B
Date: Tue, 14 Mar 2000 14:22:36 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: multipart/mixed;
      boundary="----=_NextPart_000_000B_01BF8DC0.BF20D360"
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 4.72.3110.5
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V4.72.3155.0
X-UIDL: 5654b57a8407208a22dfdb2f31903208

一番上の「Received:」の部分が一番新しいヘッダー情報で、到着したプロバイダのサーバーと時間が見える。
二番目の「Received:」の部分は経由したサーバー…sapodoori.hokkaido.ocn.ne.jpが書き加えているようで、発信者のサーバー…mint.ocn.ne.jpと時間が書かれている。
発信者のメールソフトが付けた情報は、From:、To: 、Subject:、 Date:、 MIME-Version:、 Content-Type:、 X-Mailer:…。
Received: 郵便で言えば、消印のようなもの。通過したメール・サーバーのタイムスタンプ。
Message-ID: メールをインターネット上で特定する識別番号。認識票のようなもの。
Date: 送信した日時。
From: 送信者のメールアドレス。
To: 受信する人。 Subject: 件名。
MIME-Version: MIME(マイム;multipurpose internet mail extensions)のバージョン。
Content-Type: 本文のファイルの種類。テキスト形式かリッチテキスト形式かここで判る。
X-Mailer: 送信者が使っているメーラーの名前。

20 付録 用語解説

メーラー (メールクライアント)メールを書いて相手に送ったり、相手が送ってきたメールを受け取り読めるようにするソフト。このテキストでは「Outlook Express」について説明している。。殆どのメーラーが文章を扱うエディタ機能を持つ。

メールサーバー(mail server) 電子メールのシステムでメッセージの送受信を管理するコンピューターをいう。インターネットではプロバイダーのサーバーがメールサーバーの機能をもつ。メールの受信をPOP3サーバー、メールの送信をSMTPサーバーと呼ばれるメールサーバーが担当する。

SMTP(simple mail transfer protocol) インターネットでユーザーがメールを送信する時やメールサーバー同士がメールを転送する場合に用いるプロトコル。SMTPに対応するメールサーバーをSMTPサーバーという。

POP3(ポップスリー;post office protocol 3)インターネットを通して届けられた自分あてのメールを、メールサーバーからダウンロードする時に使用するプロトコル。POP3に対応するメールサーバーをPOP3サーバーと呼ぶ。POP3はインターネットメールの受信用サーバーとして多く利用されている。POP3では、サーバーに届いているメッセージは、読みたいものも読みたくないものもまとめてダウンロードされる。

IPアドレス(IP address) インターネットに接続されている各コンピュータに割り振られる例えば「128.1.0.1」といったドットで区切られた数字。 インターネットに接続する各ネットワークに割り当てられるIPアドレスは日本国内ではJPNICが管理している。 ヘッダー(header) 文書や表などを印刷する時に、用紙の上部に常時印刷する日付やファイル名、印刷日時、タイトル、作成者名といった管理情報のこと。インターネットメールの場合メッセージにつけられたヘッダーによって幾つかのコンピュータを経由して宛先へ届けられる。

MIME(マイム;multipurpose internet mail extensions) 主な役割はデータの変換。例えば、画像ファイルのようなバイナリーファイルをインターネットメールに添付する場合、そのままではインターネットを通過できないので、いったんテキストファイル(7ビットASCIIコード)にエンコードしてから送信する。メールの受信者は、エンコードされたファイルを元のバイナリーファイルに復元するが、この変換方法をMIMEが定めている。

アカウント(account)コンピューターの課金番号(account number)。利用者を識別するための符号で、IDとほぼ同じ意味で用いられる。メールアドレスでは「@」より左の部分。

HTML(hypertext markup language)インターネットのWebページを作るのに使われる言語。画像や音声、ビデオなどを含んだ文書を扱うこともできる。「<」と「>」で囲ったタグを用いて文書の構造やデザイン、次の文書へのリンクなどの情報をテキスト形式で書かれている。この形式のメールはテキストだけでなく書式や画像、音声などもメッセージに含ませられる。

ブラウザー(browser) 「本を拾い読みする、ざっと目を通す」などの意味がある。データファイルの中身を次々と見ていくためのソフト。ここではインターネットのWebブラウザーを指す。

ダイヤルアップ接続(dial up access)ネットワークへの接続方法のうち、利用時に電話回線を利用して接続する方法。他に専用線を利用して常時ネットワークに接続している専用線接続がある。個人のインターネットへの接続方法として一般的。インターネットに接続しているコンピュータを識別するためのIPアドレスは、接続のたびにサーバーから自動的に割り当てられる。サーバーと端末間で利用されるプロトコルはPPP。

インポート(import)「輸入」という意味。ほかのアプリケーションで作成したデータを取り込むこと。データ形式を変換して取り込む。


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