#author("2021-03-25T12:26:12+09:00","","")
* Command Prompt Portable [#tccac8dc]

Command Prompt Portable は PortableApps.com で配布されている「コマンドプロンプト」のポータブル版です. ダウンロードするファイルサイズが 1MB,インストールに必要なディスクサイズも 1MB と,小さいので USB メモリに入れておいて損はないでしょう. 

ダウンロードとインストール作業は,「LibreOffice/OpenOffice.org」とほぼ同じような手順ですので,詳しい説明は割愛します. 

初回起動時に,PortableApps\CommandPromptPortable\Data\Batch フォルダに commandprompt.bat というバッチファイルが作成されます (インストール直後には存在しません). このバッチファイルはテキストファイルですから,メモ帳などのテキストエディタを使って編集することで,環境変数を設定したり,背景や文字色を変更することができます. 

デフォルトの commnadprompt.bat は次のように書かれています. 

 @echo off
 color 07
 prompt $p$g
 title Command Prompt Portable
 cls
 ver
 cd\

各行のコマンドは次のような意味を持ちます. 
1.@echo off: これ以降のバッチファイルに書かれたコマンドのエコー出力をオフにします (バッチファイルに書かれたコマンドが画面に表示されないまま実行されます). 行頭に @ が付いたコマンドはエコー出力されませんので,echo off というコマンドも画面に表示されません. 
2.color 07: 画面の背景色を 0 (黒),前景 (文字) 色を 7 (白) に設定します. 
3.prompt $p$g: プロンプト (ユーザのコマンド入力を促す行頭の文字) を $p (カレントドライブとパス),$g (不等号>) にします. カレントドライブとパスが U:\PortableApps であれば,プロンプトは "U:\PortableApps>" となります. 
4.title Command Prompt Portable: コマンドプロンプトウィンドウのタイトル (ウィンドウのタイトルバーの左に表示される文字列) を Command Prompt Portable にします. 
5.cls: 画面表示をクリア (消去) します. 
6.ver: Windows のバージョンを表示します. 
7.cd\: 現在のドライブのルートディレクトリにカレントパスを移動します. 

それぞれについて,詳しくはコマンドプロンプトのオンラインヘルプで調べることができます. 例えば color について知りたければ,コマンドプロンプトで「color /?」と入力してください. 

本講座でも,実践編の Borland C++ 開発環境のポータブル化で具体的な活用法を紹介しています. ここでは少しだけカスタマイズした例を紹介しましょう. 

PortableApps\CommandPromptPortable\Data\Batch\commnadprompt.bat をテキストエディタで開き,次のように修正してみてください. 

 @echo off
 color 1f
 prompt $p$g
 title USB-Drive(%~d0)
 set PATH=%~d0\BIN;%PATH%
 cd \

デフォルトと違う部分を簡単に説明します. 
•color コマンドでは,背景色を 1 (青),前景 (文字) 色を f (明るい白) に設定します. 
•title コマンドでは,USB-Drive の文字の後に USB ドライブに割り当てられたドライブレターを表示するようにしています. 
•set コマンドで,環境変数 PATH の先頭に,USB ドライブの \BIN を加えています. 

%~d0 という怪しげな表記について少し乱暴に説明すると,%0 はバッチファイル名 (commandprompt.bat) に置き換えられます. %~d0 とすると,それをドライブ文字に展開します. 

環境変数 PATH については,Windows 以前の MS-DOS の頃からコンピュータを使っている人は,よくご存知だと思います. とりあえず,上記のような PATH の設定を行うと,USB ドライブの \BIN ディレクトリに入れておいた実行ファイルを,コマンドプロンプトから実行ファイル名をタイプするだけで起動できるようになりますので,エディタやよく使うコマンド類を \BIN に入れておくとよいでしょう.
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