日本ぐるっと一周海交流<西回り>

航 海 日 誌

2004.8.17(火) 

黒部は理想的な共存を実現

今日は、新湊で予備日を1日とってありましたが、
その後の糸魚川までの移動距離が少し長めなので、
予定を変更して、黒部へ向かうことにしました。
 
7:45 雨の中、新湊を出港。
 
その雨も、9時半頃にはいったん止みました。
広報担当者は風警報が出ていることを心配していましたが、
昨夜まではかなり吹いていた風も、今朝には2〜3mと弱まり、
その代わりに、うねりが2m以上ありました。
 
海からの立山連峰をとても楽しみにしていたのですが、今日も雲に遮られてしまいました。
若い頃は登山もしていた吉川艇長は、海からの立山連峰を写真に収めようと
昨日も楽しみにしていたので、かなり残念そうでした。

 
 
黒部には、10:50に入港。
 
突然の入港でしたが、黒部市フィッシャリーナ(石田漁協)に入らせていただき、
管理をされている漁協さんが、とても親切で助かりました。
 
規模は小さめですが、ボートを中心にかなりの数があり、
30艇ほどがポンツーンに1艇ずつ止められる形になっています。
入口は少し狭く、クランク状態になっているため、大きい船が入るには大変そうですが、
そのおかげで中はとても静かです。
 
漁師さんたちにとって、ヨットや釣り人などは目障りな存在とされる漁港が多い中、
ここでは、ヨットなど遊び用のボートだけでなく、釣り客に対しても寛大で、
お互いに協調性をもって海を利用しようという姿勢が明確にされていました。
 
漁港内には、釣り人のための桟橋が用意されており、
漁協さんで貸し竿まで用意してあるのです。
港内には、"15cm以下の鯛などは海へ戻しましょう”という看板もあり、
理想的な姿で海を共有していました。
 
 
黒部では、昨夜いきなり電話をして新湊へ入っていると連絡した
『ワンダー』の平野さんが色々と面倒を見てくださいました。
 
平野さんとはしばらくぶりで連絡を取ったのですが、
昨夜は奥さまに送ってもらい、すぐに新湊の係留場所へと訪ねてきてくださいました。
(スイカの差し入れもありがとうございました。)
 
お互いの近況などを色々と話し込んでいたら、
職場が黒部だということで、こちらでもお世話になることに・・・。
 
 
お隣の魚津へも足を延ばし、埋没林博物館などを案内していただきました。
 
魚津の埋没林は、昭和5年に魚津港修築工事で砂浜を掘り下げた際に、
230株ほどの樹根が姿を現わしたのだそうです。
 
これは、海岸付近にあった杉の原生林が、温暖化などにより海面が徐々に上昇した為、
湿地へと変わり、枯れた杉の根株だけが残り、水没。
その上に堆積した土砂で隠れていたものが、工事によって姿を現わしたと考えられています。
 
大きなものは直径4m、周囲12mもあるそうで、樹齢500年位と推定されるそうです。
昭和11年にまず国の天然記念物となり、
昭和30年には特別天然記念物に指定されたとのことです。
 
ここは、発見されたその場で保存・展示するという珍しい博物館で、
そのために、三角形の建物がいくつも連立していました。
 
また、富山湾で有名な蜃気楼に関する展示等もありました。
『いそしぎ』からも昨日 蜃気楼のようなものが見えましたが、
この博物館の展示を見て、それが蜃気楼だったということを確信し、
船に戻ってから、改めて昨日撮った写真を見てみました。
(ライブカメラからも、その不思議な様子が見れました。)
 
7月25日にオープンしたばかりの『海の駅・蜃気楼』も覗いてみました。
新鮮な魚介類をはじめとする海産物などが中心ですが、
その他にも農産物、地酒、漆器などの特産品が並んでいました。
 
 

雲に隠れてしまった立山連峰。
昨日よりさらに雲が増えました。

黒部市石田フィッシャリーナに
係留させてもらう『いそしぎ』。
 

 

埋没林に見入るおふたり。

こういった建物がいくつもありました。
 

オープンしたばかりの海の駅・蜃気楼。
 

中は広く明るく、様々な特産品や海産物が並んでいました。
 
 

 

昨日、富山湾で撮った写真。 浮かび上がって見えたり、縦に伸びて見えたりしています。
もっと高い位置に浮かんでいる様子も肉眼では見れたのですが、
デジカメに写っていたのはこの程度でした。
 (クリックすると大きくなります。)
 
 

七尾では泊地を変えながら2日間お世話になりましたが、
入港前の出迎えから始まり、2日間とも夜までおつき合いくださった方々もいて、
更には、次の新湊まで足を運んでいただいたり・・・と、
情に厚い人たちばかりで、地元にいるかのような錯覚を起こすほど楽しかったようです。
 
その後も、メール等で何人かの方からメッセージをいただき、
吉田さんからは写真も送っていただきました。
どうもありがとうございます。
 

 

 


 

 


 

 
 
 
台風15号の動向が少し気になっていました。
最後は台風に追いかけられずにゴールしたいので、15号が『いそしぎ』に寄ってこないように・・・と。
 
しかし、思いっきり追いかけてくる気満々といった感じのコースです。
 
唯一の救いは、スピードを上げてきているという点。
なんとか、このままスピードアップしたまま一気に通過して、
ゴールの頃には台風一過の快晴となることを祈るしかないようです。
(21日の朝までに、うねりもおさまるといいなぁ・・・。)
 
 

当初の予定では、今日は新湊で1日予備日がありました。
 
実は、この予備日で吉川艇長には密かな企みがあったのです。
それは、1日で立山登山して来るという計画でした。
(どこまで元気なんだか・・・。)
 
若い頃から登山もしていた吉川艇長ですが、
もうずっと県内近隣地域の小さな山にしか行っていません。
そこで、せっかく富山へ行くなら・・・と考えていたようなのですが、
あいにくのお天気で断念したそうです。
 
吉川艇長の登山の思い出話で、広報担当者が何年経っても忘れられないのが、
『谷川岳遭難誤報事件』(←広報担当者が勝手に命名)です。
 
当時、吉川艇長もまだ十代だった頃で、無線機などもなく、
もしも・・・の場合の救助要請用にと、伝書鳩を段ボール箱に入れて、
荷物のいちばん上にくくりつけての登山。
 
谷川岳山頂付近で雨が降り出し、足元が滑って転んだ際、
雨に当たって脆くなっていた段ボール箱から、伝書鳩が逃げ出してしまったそうなのです。
 
伝書鳩はその習性から、まっすぐ飛んで帰った為、
山で何かあったのだ!ということになり、留守番部隊は大騒ぎ。
まったくもって人騒がせな出来事となったようです。
 
今は通信機器なども充実していますが、さすがに3,000m級の山では、
携帯電話は通じないですよね?
(イリジウムやカドミウムなどの衛星携帯は別ですけど。)