14 RSウイルス予防薬シナジス

RSウイルス感染症は主に冬季に流行するウイルス性疾患です。小児、特に乳幼児が罹患すると重篤な細気管支炎や肺炎を発症するため注意が必要な疾患です。RSウイルスに対しては、シナジスという抵抗力を高める注射がありますが、シナジス投与が保険適応となるのは、早産児や心疾患・肺疾患をもつ小児に限られます。シナジス注射は価格が非常に高額であり、保険適応でない場合に投与するのは現実的ではありません。しかし、保険適応とならない乳児であっても、罹患すると重篤な症状を呈することもあり、シナジス投与の適応や価格の問題が今後の課題と言えます。RSウイルス感染症に限らず、全てのウイルス感染症は予防が一番大切です。RSウイルスで問題となる乳児の場合は、児本人は手洗い・うがいなどの予防をすることはできませんので、周囲の人間の手洗い・うがい、またウイルスへの暴露を避けるといった注意が必要となります。
RSウイルス感染症に限らず、すべての感染症は、「まず罹らないようにすること」すなわち予防が最も大切なことになるわけですが、RSウイルス感染症で問題になる乳児・幼児・または生まれたばかりの赤ちゃんは自分では予防をすることはできません。手洗い・うがいといった予防も周囲の人が積極的に行うことは出来ても、赤ちゃんや乳児自身が手洗い。
シナジスの投与法とスケジュール。RSウイルス感染症重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、これは筋肉内注射で投与します。注射部位は、大腿前外側部です。シナジス注射の投与量は患者さんの体重で決まります。体重1kgあたり15mgを投与します。つまり、体重が増えるにつれて投与量も多くなっていきます。生まれたばかりの赤ちゃんであれば体重は約3kgですから、約45mgの投与量ですが、生後3、4か月の体重7kg程度の赤ちゃんでは100mgの投与量が必要となります。注射の量が100mg(1ml)を越える場合は、2か所に分けて筋肉内注。
シナジス注射と予防接種。シナジス注射は他の予防接種(BCG、3種混合ワクチン、麻疹風疹ワクチンなど)のように、1回(〜数回)接種したらそれで良いというものではありません。シナジスはRSウイルスに対する抗体産生を促すものではなく、RSウイルスに抵抗力を発揮する抗体を体に入れてやる、といったものです。その抗体がなくなれば、当然RSウイルスに対する抵抗力もなくなります。シナジスの効果は約1か月持続すると言われ、そのためシナジス注射は1か月に1回行う必要があります。この際、よく質問されるのが、他の予防接種とは一緒に受けても良い。シナジス投与が必要となる赤ちゃん。RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジスですが、シナジス投与はどのような赤ちゃんに行われるのでしょうか?RSウイルス感染症は早産児や心臓や肺に基礎疾患を有する赤ちゃんが罹患した場合に重症化するリスクが高いことが分かっており、このような赤ちゃんがシナジス投与の対象となります。●早産児・在胎週数(お母さんのお腹の中にいた期間)が28週以下で、RSウイルス流行開始時に12か月齢以下の赤ちゃん・在胎週数が29〜35週で、RSウイルス流行開始時に6か月齢以下の赤ちゃん●慢性肺疾患を持つ小児。
シナジス投与の保険適応とシナジス投与にかかる費用。RSウイルス感染症の重症化を防ぐ有効な手段であるシナジス投与ですが、保険適応となる対象が決まっています。●早産児・在胎週数(お母さんのお腹の中にいた期間)が28週以下で、RSウイルス流行開始時に12か月齢以下の赤ちゃん・在胎週数が29〜35週で、RSウイルス流行開始時に6か月齢以下の赤ちゃん●慢性肺疾患を持つ小児・過去6か月以内に気管支肺異形成症などの呼吸器疾患の治療を受けたことがあり、RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の小児●先天性心疾患を持つ小児・RSウイルス流行開始時に24か月齢以下の。
シナジスはRSウイルス感染に対する予防接種。シナジスは非常に高価な薬剤ではありますが、35週以下で出生した早産児は是非とも接種しておくべきです。→シナジス投与の保険適応とシナジス投与にかかる費用乳幼児、特にその中でも早産児が罹患する重篤化すると言われるRSウイルス感染に対する抵抗力を高め、重症化を防いでくれます。ここで重要なことは、「重症化を防ぐ」という点です。シナジスを一般的な予防接種と同様に考えている人がいますが、これは少々理解が異なります。シナジスはあくまでRSウイルスに抵抗力を有する、モノクローナル抗体の注射です。モノクローナル抗。
シナジス投与は早産児だけが適応でよいのか?またRSウイルス感染症の流行する時期がやってきました。RSウイルスの流行時期は一般的には冬場から春先の寒い時期とされていますが、沖縄などでは通年性に発生がみられているようです。この間のRSウイルスのカンファレンスに出席した際に、沖縄の先生がおっしゃっていました。さて、当院では在胎34週以降の児の診療を行っていますので、この時期になると退院前のシナジス接種や、退院した後の外来でのシナジス接種で忙しくなります。今の時期に退院になる赤ちゃんに対しては、退院前の時点でご両親に説明してシナジス接種を了承し?