液晶筐体の事 2010/10/01(Fri.) 17:12 

昨日、お客様より(当店で使われている)『液晶筐体の液晶部が欲しいのだけど手に入りますか?』的な質問を受けました。お!ぉぉぉぉ〜と私は少々驚きましたがその方は、家庭用で遅延が少ないと言われている液晶テレビを買って満足せず、32インチのワイドブラウン管を買い直したというほどの人でしたから、意気込みが本気だと思った次第です。
液晶の遅延問題はよく言われますが、業務用の場合はその事と同様に反応速度(残像感)が重要視されます。昨日も某大手メーカーさんの方が自社の製品について話をされていた中で、「反応速度が遅いとCAVEさんのシューテングゲームなんか遊べたもんじゃないですよ、自機のショットなんて繋がってしまって棒状になって見えますから(笑」なんて事でした。よく言われる家庭用の液晶遅延の最大の要因は『高解像度回路』を通して画質をさらに良く見せるようにとか、液晶の性質にフィットするように演算回路で処理する際に起きるタイムラグです。ダイレクトに信号を入力する業務用液晶の場合はパソコンのモニタと同様に高解像度回路を通す事が少なくタイムラグの出る要因の一つがないので、ゲームセンターのような環境では、それよりも反応速度を重視しているのです。

さて、ここまで液晶の事を書きましたが、もう一つ問題が有ります。それはI/O回路の事です。I/Oとはインプット/アウトプットの頭文字で(知らない人も多いと思います。)、入出力回路の事になります。簡単に書くと[ボタンが押された(2本の線が接触した)]=>[I/O回路でUSB(シリアル信号)に変換]=>[ゲーム基板に報告]この流れの中でI/O回路の変換が遅いと、液晶遅延のように入力ラグが出るのです。実のところ、現在一番出荷台数が多いであろう某筐体を当店で使っていない理由が実はこれ(と、高さ^^;)です。この問題は、ぶっちゃけ根が深いと思います。この度、ブレイブルーの最新作の際にこの問題を解決しようと新型のI/O回路の載せ替えが行われるのですが、メーカーさんが動いてくれたのは本当にプレイヤーにとってとても良かった事だと思います。てか、近年の新基板ラッシュなんかよりよっぽど有意義だと思います。この事に取り組んで下さったタイトーさんの担当の方には感謝感謝です。

そんな訳で、私の考えで当店ワイド筐体の選択はSEGAの『リンドバーグユニバーサルキャビネット』を使用しています。液晶の反応速度は東芝のOCB液晶[Click Here!]を使用しており、他の筐体と圧倒的に差が出ます。この液晶は現在、家庭用ではスタンダードなフルハイビジョン液晶では無い(1,366 × 768 画素)事も有り、家庭用では採用の例が少ない上に、今後もコスト的に採用される事は無いと思います。完全な業務用液晶パネルなんです。I/O回路に関しても問題を感じる事無く、業界スタンダードなSEGAさんのI/Oらしい品質だと思います。たぶんですがバーチャファイターは初期のシリーズよりフレームという言葉を使い、シビアな技の入力の駆け引きをゲームの持ち味としてきた経緯が有る事から、開発陣も専用筐体とも言える『リンドバーグユニバーサルキャビネット』に妥協をせずに部材を選択し、こだわりにこだわり抜いた筐体となったようです。実際にタ◯トーさんの開発責任者の方が『リンドバーグユニバーサルキャビネットをマネすることは出来ない!バランスのとれたすばらしい筐体。悔しいんですがね(笑』と話しておりました。私として、他者さんの筐体を批判する事は無いつもりですが、現在のゲームセンター業界で最も優れている品質の筐体と私個人の判断で導入を続けている訳です。

PS:遅延だらけけの家庭用環境で技の練習していると、実践で通用しなく(下手に)なっちゃうよ〜みんな。(って、最後にちょっぴり毒を吐きます^^;)






 
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