院長の禁煙記録

タバコが健康に悪いと言われているのは最近になっては誰でも知っていることです。

しかしタバコを吸っている人もそのことは十分承知しているのに、わっかっちゃいるけど止められない状態になっています。私も18才の時、特に深く考えもせずにタバコを吸い始めて現在に至っていますが、平成11年6月4日以来、一本もタバコを吸わずに済ませています。どんなにタバコを吸うことを擁護している人でも心の隅ではいつかは止めなくてはと思っているはずです。いろいろ理屈を振り回して自分の喫煙の正当性を主張するのはそう思っていることの裏返しなのでしょう。私は呼吸器の専門家ではないので、以下に自分自身の経験を書きます。禁煙を考えている人の多少なりとも参考になればと思います。

1981年〜

東京で駿河台予備校生時代、下宿で友人と一緒にタバコを吸い始める。マイルドセブン当時一箱180円。以後なにも考えずに一日20〜30本を咳が出ようが風邪を引こうが吸っていた。

1985年〜88年

医学部に入学してしばらくたって医者になる者がタバコなんぞ吸っていてはいけないと考え。年に何回か禁煙に挑戦したが、その度に平均3日、長くて一週間で屁理屈をこねては挫折していた。その後しばらくは開き直ったかのように禁煙の試みは全くなされなかった。マイルドセブン当時一箱200円

1994年8月〜

長男が生まれて強く禁煙を決意したがすぐに挫折。ホタル族となったが、一ヶ月でそれもだめになり赤ん坊のいる部屋で平気でタバコを吸うようになってしまった。マイルドセブン当時一箱220円

1996年6月〜

次男が生まれて再度強く禁煙を誓ったがこれまたすぐに挫折。今回はホタル族にすらなれなかった。ただし少しは気がとがめてマイルドセブンスーパーライトに乗り換えた。

1999年1月22日

インフルエンザをこじらせて肺炎になり点滴をしながら、それでもまだタバコを吸う!我ながらほとほとそのアホさ加減にあきれながらも、また新しいタバコに咳をしながら火を付ける。
1月22日、3男が生まれて、今度こそ本当に禁煙しようと現実的な目標として1999年3月31日をもってタバコを止めると宣言する。それまでうんざりするほど吸いまっくて止めようと考えていたのであった。

1999年3月31日

明日からタバコを止めると言うことで50本ほど無理して吸って気持ち悪くなる。

1999年4月1日

目が覚めてから気合いを入れて禁煙に取りかかる。外来をやっていても1時間おきに吸いたくなっていらいらする。とりあえず一日目は禁煙に成功した。

1999年4月3日

どうしても我慢出来なくなり、医局で1本吸ってしまう。1本吸ってしまうともうだめで、禁煙はまた明日からと理屈を付けてどんどん吸い始める。ただし自宅ではさすがに吸わないが、においがついているので妻にタバコのにおいがすると言われて、他の先生が吸っているのがついたのだろうとごまかす。

1999年5月〜

ついには自宅でも妻と子供に見つからないように、吸うようになってしまった。ふらりと外に出て車の陰で吸ったり、寝ている間に吸ったりする。吸っている本人は解らないが、吸わない人には臭いは良く解るので、今考えると妻はなにも言わなかったが当然気がついていたようだ。

1999年6月3日

医院開業の準備のために行っている話し合いがだんだん具体化して、必要な金額が具体的になってくる。漠然と考えていたことが少しずつ具体化してきて、その金額の多さと、それをしょって家族と社会に対する大きな責任とを感じて腹がきまる。

1999年6月4日

禁煙再会。4月1日の時より気合いが入っているので、外来中や手術の患者の入れ替え時もタバコを吸いたい気持ちになるのを押さえるのに対して苦労はしない。それでも何回かは無性に吸いたくなるが頑張る。

1999年6月5日

かなりいらいらする。30分おきに無性にタバコを吸いたくなるが、その波も3分ほど我慢すると遠のくので、とりあえず体内からニコチン成分が抜ける3日間が勝負なのだろうと思って理性で我慢する。このころもお守りとしてタバコとライターは常に胸ポケットに入れていた。

1999年6月7日

禁煙三日目、吸いたくなることは多々あるが以外と簡単に我慢できるようになった。吸いたくなった時にはもうすぐニコチンは消える禁断症状も、もう少しで終わりと言い聞かせていた。

1999年6月11日

禁煙一週間目で禁断症状も一番強くなってきたところ。無性に吸いたくなって我慢していると頭がボーとしてくるが、今まで一週間何のために我慢してきたのかと自分に言い聞かせると何とかタバコに手を出さないで頑張ることが出来た。以外と他人がそばで吸っていてもその時は吸いたくならない。

1999年6月25日

どうにか3週間全くタバコを吸わなくてもがんばりとおすことが出来た。未だにタバコは吸いたくなる、しかし我慢するのは特に大変でもなく気楽なものである。ついに医局の机の上に置いてあった灰皿を撤去して、またお守として持ち歩いていたマイルドセブンを手放した。このころになると有ることに気がついた。そう、財布の中の小銭が全く減らないのである。4日吸わないと1000円浮くのである。1年だと9万円ほど節約できる。

1999年7月18日

病院の納涼会、酒の席でも禁煙できれば本物と呼吸器内科の先生に言われていたので、我慢しきれるかどうか自分でも半信半疑であったが特に、誘惑に負けることもなく2次会に出席して自宅に帰るまで全くタバコがほしいと思わなかった。これで禁煙も本物か

1999年8月15日

胸一杯タバコの煙を吸い込んですばらしい気持ちなった夢を見て、うろたえて目を覚ました。昼間はもうほとんどタバコを吸いたいとも思わなくなっていたので、非常に驚いた。禁煙中タバコを吸う夢を見るとは噂には聞いていたが本当だったのである。

1999年9月〜

このころになるとほぼ完全にタバコを吸うという生活習慣が無くなって、タバコのことを忘れてしまうようになる。今まではタバコを吸いたいのを我慢すると言うことであったが、最近はタバコがほしいとも思わなくなった。かえって他の人のタバコの臭いが非常に気になるようになった。

1999年10月2日

またタバコを吸う夢を見てびっくりして起きる。4ヶ月経っても完全にタバコの呪いから離脱していなかったようだ。恐るべしタバコの力。

1999年10月25日

禁煙してお金が浮いているに違いないと理由を付けてXLRのG3アップグレードカードを買ってしまう。禁煙して金が浮いたと理由を付けて、余計に金を使ってるような気がする。

1999年11月22日

また胸一杯タバコを吸う夢を見た。しかし今度の夢は2段階でタバコを吸って気持ちよくふかしている夢を見て、起きあがってびっくりするという夢を見ていたのである。不思議なものだ。

2000年1月10日

どうやら年末年始の宴会もどうやら無事に乗り切り、禁煙は無事に続行中。半年経つというのに未だに深夜当直なんてしていると何となくタバコに手が出そうになるのが恐ろしい。1年間は油断が出来ないと言う話も聞くし、まだまだなんだな。

2000年1月28日

タバコを止めると必ず太ると言われています。その体重増加は5%までなら禁煙のせいで代謝が良くなったためと言われている。しかし健康のためにタバコを止めて、その代わりに太ったらいやじゃないですか。1999年9月から5%増えた体重を落とすためほとんど毎日トレーニングを行ったが、これがなかなか落ちない。結局元に戻すのに4ヶ月もかかってしまった。
ちなみにトレーニングメニューは3Kmランニング(外に出られない日はスクワット300回)。腕立て30回。腹筋80回。ダンベルトレーニング30分でした。体重はなかなか変化しなかったが、体脂肪率は低下して、筋力も大幅にアップしました。

2000年4月11日

何とか引っ越しを終えて新しい家に移りました。この家にはヤニを付けないようにしよう。もう10ヶ月も禁煙に成功しているのに、なんとなくこんな天気の良い日はタバコ吸ったら気持ちよいだろうなと思ってしまうところに、タバコの恐ろしさがある。さすがにタバコを吸う夢はもう見ない。

2000年6月4日

ついに1年間の禁煙に成功しました。これからもまた少しはタバコが吸いたくなる日もあるでしょうが、頑張って禁煙を持続してゆきたいと思います。

2001年6月4日

禁煙2年目です。うまくいってます。これなら今後もうまく禁煙してゆけるでしょう。でもまだたまにですが吸ったら気持ちがいいんだろうななんて思ってしまいます。

2002年6月4日

禁煙でなく、たばこを吸わない人に成れた様です。3年目

2005年5月19日

ここまでくれば大丈夫でしょう禁煙日記終了です。なにかあれば御報告します。ちなみに最近のトレーニングは 腕立て50回、腹筋100回、10kgのダンベル25回ずついろんな方向。3.5kmのランニング、雨の日はランニングマシーンかスクワットをやっております。


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