Munich Germany 「今、ド田舎がおもしろい」−18

首都圏の魅力再発見



ド田舎から「首都圏再発見」

 ド田舎に住んであらためて見えてきたことの一つ。それは首都圏の魅力です。もともと東京は、温暖な気候や豊富な水、肥沃な土地、水陸の交通網などなどに恵まれて発展してきた地域です。江戸の昔から日本の首都をつとめてきた関東地方の良さが平成になって急になくなるはずもありません。でもド田舎から見ると魅力の質はすこし違うようです。

 東京を中心とする首都圏の魅力は、私のようなド田舎に生まれた者を当然のように引き寄せる吸引力と言って良いでしょう。学びの場、仕事の場、遊びの場、どれをとっても豊富な選択肢を付けてその可能性を広く提供しています。高等教育を受けるなら東京、良い職を得るなら東京、一獲千金を夢見るなら東京。人材が豊富なのも東京。海外の文化が真っ先に入るのも東京。流行の最先端は東京。マスメディアもミニコミもディスコも演劇も、情報発信の中心はすべて東京。そんな東京は若者にとってずっとあこがれであり続けてきました。

 若者だけでなく老若男女すべてをひっくるめて日本の人口の十分の一以上を集めてなかなかはなそうとしません。戦後から最近までに東京に三下半(みくだりはん)をつきつけて住みもっとよい地に引っ越したという人はどのくらいいるのでしょう。高齢になった方々も住み続けているのですから若者だけでなくすべての人々に魅力ある町なのでしょう。まぁ、なかには今更他の土地へ行くのも、という諦念もあるかもしれませんが。

Japan Map  そんな都市の魅力にもかかわらず、悲しいかな、東京に住むほとんどの人はその良さを味わうゆとりがないようです。ビジネスマンは文字通りビジーな人、つまり忙しい人が多すぎるし、子どもや高齢者には危険な場所でさえあります。選択肢が多すぎて一つの事を集中して修得できないという側面もあるでしょう。いろんな人いろんな状況を総合して、全体として本来の魅力の半分も味わえないでいる、というのが現状でしょう。

 私はド田舎に住みついて1年半を経過した時点で、東京横浜1泊2日の旅にでかけて来ました。写真を趣味とする仲間8人による撮影旅行です。あちこち候補をあげた上で多数の意見により東京にしようと決めたわけです。

 夜行バスで8時間ゆられ午前5時に東京池袋着。早朝から活気あふれる朝の築地を撮影し近くの浜離宮散策を経て墨田川の遊覧船にのり浅草へ。浅草寺や仲店通りを見物し、電車で原宿竹下通りや新宿新副都心へ。夕方、宿泊地の横浜に途中から別行動をとったグループと合流し飲み会兼食事。その後、高級ホテルに3人1部屋で宿泊。翌朝、中華街や元町通り、港の見える丘公園、山下公園、氷川丸等等ガイドブックに沿って歩き回りました。結局、目いっぱいお上りさんの観光客を丸2日体験しました。その感想。なんておもしろいところなんだ。なんて見所が多いところなんだ。

 この行程で見かけた人のほとんどは外国人を含む観光客と若干の家族連れでした。遠方の日本人観光客が多かったのは浅草。新宿副都心では家族連れを見かけることも遠方からの旅行者も皆無でした。場所が場所だけにそんなものでしょう。物見遊山で来るところではないですから。せいぜいバスツアーで車窓からちょっと眺めて写真を撮るくらいの所。

 首都圏には名所も見所もいっぱいあるわけですが、家族連れは自然があふれるところにでかけるものと相場が決まっているようです。あるいは手軽に行ける近くの公園。名所旧跡は遠方から来た人のためにあり、家族で新宿副都心などにはでかけないのが常識なのでしょう。また地元の家族連れが一日かけて地元見物しようなんてよほどのきっかけがないと思いもつかないでしょうし。かつての私もそうでした。

 東京在住時、築地は学生時代に半年アルバイトした場所。浜離宮はすぐ近くの会社に営業訪問した時、約束の時刻までの20分間でちょっと歩いたことがあるだけ。横浜中華街は、名の知れた店、マスコミ、クチコミで噂になっている店に行列にならんで食べに行ったところ。墨田川の遊覧船なんて花火の時くらいしか話題にもならない。晴海に行くとき浜松町から対岸まで船で行ったことはありますが。すべてがなんらかのきっかけ、ビジネスのついで、といったものです。これは住んでいる人には当然といえば当然なんですが何か寂しい気がしませんか。これだけ魅力的ないつも新しい何かを発見できるところで生活しているのに。

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96年8月31日リリース分迄
内 容文字量
今 ド田舎がおもしろい まえがき3
「田舎」と「ド田舎」6,5
ド田舎の衣食住5,6,9
ステータス5,6,8
ド田舎の農業5
地方都市の豪華施設4,4
学ぶ場としてのド田舎8,8,8
やっぱり雪国はスキー5
ゴルフもド田舎で5
朝の情景8
首都圏の魅力(前)6
首都圏の魅力(中)5
首都圏の魅力(後)4