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善根で160年ぶり、珍きのこ「オニフスベ」

 市内善根地内の寺院の境内で「秋分の日」の23日、墓まいりに訪れた近くの人が珍しい形をしたきのこの群生を発見した。骸骨のようでもあり、マッシュルームのようでもあるこのきのこはオニフスベ(ホコリタケ科)といい、桑名藩の役人だった渡部平太夫勝之助が柏崎の生活の様子を書きつづった「柏崎日記」に記述されている。以来、柏崎では確認の例がないといわれていただけに、実に160年ぶりの発見。「彼岸にこれも何かの縁」と、集落ではいま、きのこの話題で持ち切りだ。

 オニフスベを発見したのは同所、主婦・中沢正子さん(66)。この日、近くの浄広寺(水島文英住職)に夫の礼二さん(68)と2人で墓まいりに出かけた帰り、境内で奇妙な白い物を見つけた。最初は子どものボールと思ったが、よく見ると違っており、もしかしたら骸骨?とも思って、あわてて少し離れた所にいた夫を呼んだ。

 境内には大小11個。恐る恐るさわって見れば、つるつるとして滑らか。一番大きな2個を踏んだところ、パーンと割れてしまった。そこで2人は珍品と思い、地域のきのこ名人といわれる商店主に聞いたが、正体不明。さらに、同所に住む柏崎きのこ研究会会員の中島清一郎さん(72)が大きさや色、特徴などから鑑定して、オニフスベであることを確認した。

 同研究会の会員で、箕輪一博・市立博物館学芸員によれば、勝之助がつづった「柏崎日記」の天保10年(1839年)8月16日の条に、「寺ニ木の子の化ケ物有」(原文)と書かれており、「これが柏崎でオニフスベが発生した記録」という。また、同研究会の布施公幹会長は「竹やぶなどくまなく探せば発見出来るかも知れないが、未だかつて発見例はない」としており、160年ぶりの発見ともいえそうだ。

 一方、水島住職は「お彼岸の中日に境内に160年ぶりに出たのは不思議な因縁では」と話し、試食をした中島さんは「皮をむいてゆで、刺し身風にして食べたが、はんぺんのようだった」とも。境内には珍しいきのこを示す立て看板を設置し、あわせて10月15日に行うきのこ観察会もPR。オニフスベはしばらく中鯖石公民館に展示して、訪れる人たちから見てもらうことにしている。

(1999/ 9/25)

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