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原発トラブル隠し、不適切なもの16件

 東京電力の原発自主点検記録虚偽記載などによるトラブル隠しで、同社は17日、指摘された29件のうち不適切な点が認められたものは16件であるとする社内調査結果を公表した。柏崎刈羽原発では、1号機でシュラウド(原子炉内隔壁)の「ひびの兆候」を報告書に記載しなかった1件を挙げた。また、すでに決まっている南直哉社長らの辞任のほか、二見常夫常務の降格、原子力管理部長なども務めた武黒一郎・同原発所長の減給6カ月など新たに35人の処分を発表した。しかし「責任は組織全体として負うべき」との考えから、いずれも管理責任によるものとし、不正に対する社員個別の関与やその責任は明らかにしなかった。

 柏崎刈羽原発では同日夕、桝本晃章副社長、服部拓也・原子力本部副本部長と武黒所長が調査報告の記者会見をした。桝本副社長は、不適切と認定した16件について「当社社員が関係・関与してひびなどの存在や修理の事実を記録から削除したり、改ざんしたり、隠ぺいしたり、公表を遅らせるなどしていた」と述べ、「原子力保修部門を中心とする組織的なものと認識せざるをえない。弁解の余地はない」との判断を示した。しかし、安全性には問題がないことを強調した。

 29件はすべて、点検を請け負った米ゼネラル・エレクトリック(GE)社からの指摘で、東電では今年5月に社内調査委員会を組織し、約15年に及ぶGE社の英文資料と社内文書の突き合わせや、関係者約70人からの聴き取りを進めた。不正の動機・背景については「国に対するトラブル報告を行うと、発電所の停止期間が長くなる不安感があった」「安全性に問題がなければ、トラブル報告は行いたくないという心理が醸成されていった」とし、社内チェック体制の不十分さ、組織の風通しの悪さと閉鎖性も挙げた。

 柏崎刈羽1号機のシュラウドは、1994年、1996年、1997年の定期検査でGE社がひびの兆候2カ所を発見・確認したが、東電は「ひびの兆候は非常に小さく、形状からしてひびであるとは考えられなかったため行政への報告は必要ない」と判断。GE社から東電への英語版報告書にはひびの兆候の記載があるが、日本語版報告書にはなかったことから、状況を記録しなかった点が問題だとした。GE、東電どちらの意思で記述しなかったのか、誰が関与したのかなどについて桝本副社長らは「関係者の言っていることが不確か」「当時の記録が残っていないものもある」として解明できなかったと述べた。

 1号機でドライヤーの損傷を未報告のまま修理したとされたケースと、2、5号機のジェットポンプでの未修理や未報告の摩耗・すき間については「不適切な点は認められない」とした。

 一方、再発防止対策としては、企業倫理の徹底を図った上で、情報の公開、原子力部門の閉鎖性の打破などを進めていく。情報公開では地元自治体と協議して「発電所地域情報会議」を設置。自治体、議会、諸団体などの代表をメンバーとし、原発のすべての情報を提供し、意見を聴く組織にしたい方針だ。

(2002/ 9/18)

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