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蓮池さん夫妻、永住帰国「ノーコメント」

 北朝鮮に拉致され、24年ぶりに帰国した蓮池薫さん(45)、祐木子さん(46)は25日、そろって会見に臨み、約30分にわたり拉致された後のことや現在の心境などを述べた。日本政府が被害者5人の滞在期間を延長し、家族の早期帰国を求めると発表したことについて永住帰国をめぐる質問には答えず、「ノーコメントにしたい」「主人と同じです」と述べた。24年ぶりの帰郷、旧友との再会や友情に触れ、「本当に帰ってきて良かった」と力を込めた。

 蓮池さんは家族や友人の永住帰国の勧めについて「親、旧友の気持ちをしみじみ感じ、ありがたい」、祐木子さんは「同じ思いです」と淡々と述べた。蓮池さんは拉致されてから「日本に帰れると思ったことは正直なかった」とし、「当初は随分帰国を要求したが、その後はあきらめが半分だった」と述べた。結婚してからは自分の家庭をもって暮らしていこうという気持ちから、帰国を求めたことはなかったと振り返った。祐木子さんも「帰れるとは思っていなかった」と答えた。一時帰国の話は、帰国の5,6日前に北朝鮮外務省の職員が来て、持ち掛けたとした。

 親が日本人で拉致されたことを大学生の長女(20)、長男(17)にどう伝えるのかと問われ、「本当のことをそのまま話してやりたい。ずばり言うか、時間をかけるか。長短があるので、精神的なショックを受けないよう今後ゆっくり考えたい」と述べた。祐木子さんは同じ質問を向けられると涙で返答に詰まり、蓮池さんが横から「私が責任を持ってやるので(妻は)ご勘弁を」と助け船を出した。

 拉致問題をめぐる日本の世論と救出運動については、これを非難する北朝鮮の出版物を通じて知っていたと述べた。蓮池さんは「私たちのことを忘れないでいるといううれしい気持ちと、その一方で、日朝関係にどんな影響を受けるかという戸惑い、不安を感じた」と複雑な心境を明かした。24年ぶりの日本の印象を問われ、生活の便利さを指摘する半面、中堅世代の失業や40代でも未婚のままでいるなど生活面の変化を挙げた。

 蓮池さんの兄透さん(47)は「北朝鮮に残してきた子供の身の安全の保証を総理の口から宣言してほしい」と訴えた。弟の会見については「向こう(北朝鮮)の約束ごとの範囲内で答えているのではないか」とし、「向こうとの約束事とのはざまで揺れ、日本政府の見解で板ばさみになっている。滞在延長も決まり、時間がたてば何かしら発言、証言が出ると思う」と述べた。他の8人の拉致被害者については、その後も横田めぐみさんのことしか知らないと答えたという。祐木子さんの父親一男さんは(75)は現在の心境について、「明日は子供がいないんじゃないかと、これは夢ではないかと思う。でも、子供はいる」と喜びをかみしめた。

(2002/10/26)

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